13.初めてのお友達と隣町へ!
ダダダダダダッ!
ドドッドドッドドッドドッ! ガラガラガラガラッ!!
ちょっと物陰に隠れて……兵士? が走ってる?
馬に乗った騎士? に高級な馬車? 何かあったのかな?
馬車が貴族っぽいから関わるのは止めておこう。
ここ、アビーネスは……治安が良いのかな? スラム街とかは無さそうだし、周りを見ても活気のある良い街って事は見たり話したりで分かった。
でも、治癒がね……平民が出せる金額に設定したらもっと良い街になるのに。貴族? お偉いさんの考える事は分からないな。私なら、命を優先して『ヒール』や『キュア』を無料? 困民には無償で、普通の平民にはコップ一杯の飲み物かリンゴ1個とかで手を打つのに!
ズザアッ! 何の音? 振り向くと、私と同じ年齢くらいの女の子が転んで……出血が酷いわね。あれは、兵士? 「邪魔だろ! ふらふら歩いてんじゃねーよ!」言うだけなら良かった、でも……怪我してる女の子のお腹を2度も蹴り飛ばした! 大人がして良い事と悪い事の分別をつけないのは本当に許せない!
『氷矢』アイスアロー!! ドドドドドドドドドドッッッ!! 「ひいぃぃっ!」 兵士は腰を抜かした。「あっ! スペールディ神がいるわ!」 私は、わざと大きな声で叫び雲間に魔法で『光』ライト! で照らした。兵士の顔が青くなってる……もう少しで逃げるかな『雷』サンダー! 兵士の近くに落とした「*#$〜だ、だ、ダズげでーー」逃げた。居なくなったわね、あの女の子は……。
「あぁっ! アリア、目を開けておくれ……あぁ〜神様……大事な娘を助けて下さい!」「アリア! 俺の大事なアリア……誰か助けてくれ! ……アリア〜!」 私は女の子の両親に「私に見せて」女の子の父親は藁にもすがる思いで「頼む! お願いします!」 と何度も何度も繰り返してた。時間がないわね! 『ハイヒール!』 淡い綺麗な金の光が女の子を包み込み……ゆっくりと目が開き「あれ、私……死んじゃうと思ってたのに痛みも怪我もない!」 良かった。
女の子は私と目が合い「貴女が助けてくれたんですね? 声が聞こえていました、本当にありがとうございました!」 私は顔を左右にブンブンと何度も振ったんだけど、御両親まで御礼を何度も……治療費の話になったので、無償でと言ったんだけど聞いてくれなくて、だから私は女の子と友達になりたいから『御礼は友達』でお願いします! と言ったらおじさんに豪快に笑われました。
「私は、『ミオ』宜しくね」「私は『アリア』うん、宜しくね」2人で握手してるとお腹が「グウウゥゥゥッ!」 と鳴り、シーーーーン! 「わははははっ! 飯を食って行ってくれ」「ミオ、行こう!」 アリアに手を引かれながら「うん、ありがとう」一言だけ言ってお家にお邪魔した。
お願いがあると言って、私が今日魔法を使った事、治癒をした事は平民だけの秘密にして欲しいとお願いした。私の魔法や治癒が知られたら誘拐や王族に何をされるか分からないから。
何かあれば、平民や困民にだけは無償で『ヒール』や『キュア』を使う事を話した。
アリアの父親は、私が何処に住んでいるのかを聞いてきたが「今はギルドのダンさんは知っていますか? 私は……親に捨てられ……死にそうな時に助けられたんです。皆さんは優しくて良い人達なんです」私はニコニコしながら話した、だけど……アリアとアリアの母親に抱きしめられて、3人は『涙ほろろ』でした。別の世界から転生して来ました! なんて言えないし。
ふわぁ〜〜っと良い匂いがした。
見ると、シチュー? みたいなスープにパンだった「美味しそう!」 和気あいあいな雰囲気が良い。
スープ美味しい! シチューと同じ味で懐かしい。
ふううぅぅぅ〜〜! 「食べた食べた!」 と言いながら、お腹をポンポンしてたら「ミオったら女の子なんだから……それじゃあお父さんみたいよ!」 隣を見たら……同じ様に「あぁ〜〜、食った食った!」 ポンポン!! 同じだ……お〜〜な〜〜じ〜〜だ〜〜!! 頬を両手で押さえて「ぎゃぁっ」いつもの悲鳴も……注意された。「アリアってば、ゼクスさんみたい」私は口を尖らせて言うと、おじさんとおばさんに笑われた。
「アリア、この街は活気があって良い雰囲気だけど、困った事とか無い?」 私は聞いたが困った顔をして両親の顔を見ていた。
「ここはまだマシなのよ。隣町は……スラム化してて、困民が増える一方よ」詳しく聞くと、王宮から国民全土へ渡るよう十分なお金が支給されたはずなのだが、領主が必要のない町には何も与えず放置をし、自分の懐にしまい『豪遊』と言う甘い蜜を吸い続けたせいで、命を落としてる人々が後をたたないそうだ。
私は領主が許せなかった! でも子供の言う事なんて大人は聞いてくれない、特に貴族は。私はこのまま隣町へ行こうと思い、おじさんにダンさん達への伝言をお願いした。そして勝手な行動をして、ごめんなさい! と言う謝罪も一緒に伝言してもらうようお願いした。
「アリア、3日くらい留守にするけど必ず帰って来るから。だから、待ってて」行こうとしたのだが、アリアに止められて「待って! 私も行く」と言い出し、危険だから駄目って言ったのに……アリアは頑固でした。
アリアは槍を背中に背負い……手を繋ぎ、硬く頷き合い「行って来ます!」私達は隣町の【イーベル】へと向かった。
誤字がありましたら、すみません。
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