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10.ダブル【ビッグベアー】です!

 森を抜けると一気に光が差し込み、眩しくて目を細めた。


「ミオ、もう着くからな」ゼクスさんに言われ嬉しくてピョンピョンと跳ね飛んだ私です。


「よう! ダンじゃねえか、やっと帰って来たか」ダンさんと同じような体格の良いおじさん? お兄さん? は私を見て「お前の隠し子ってんじゃないよな? 誘拐したのか!」「んな訳あるか、ミオは俺達の仲間だよ」へ〜〜え。と言いながらジーーーーっと見てる、穴が開きそう……サッとルシアさんの後ろに隠れた私、「悪い悪い、俺はダンの幼馴染のバズだ。宜しくな!」 私は頷き「私はミオです。お世話になると思いますが、宜しくお願い致します」お辞儀をした。


「おいダン、お前よりしっかりした話し方じゃねえか」肘でダンさんの胸をこついていた。何か列が見えてきた。


「あれは何してるの?」「あれは交通手形かギルドカードの確認をしているんだ」バズさんが教えてくれたけど、私は持ってないから入れないかも! 入れなかったら……もしもの時は仕方ない……よね。


 私はゆっくり、ゆっくり歩き……皆から距離を置き「私は手形もカードも無いから、他の村を探すね」走った途端に「待て待て、ミオは大丈夫だ。水晶に手をかざすだけで良いから」この後は、俺らの拠点に行ってからキルドに案内してやる。とにかく今日はもう遅くなるから俺から離れるなよ! 今日のダンさんは格好良いね、いつもは……何ていうか……【ビッグベアー】なのに。って考えてたら……「ぎゃあっ!」 ……ダ、ダンさんの目が怖いです。私の考えてる事が分かるのか、疑わしい目で見てる。まだ見てるよ〜〜! ゼクスさんは爆笑中だし、頬を膨らませるのは私の癖かも。


 バズさんは「そんな怖い顔してたら女が寄って来ね〜ぞ!」「余計なお世話だ! バズも同じだろうが? 」……この2人、大丈夫? なんの言い合いになってんの? 女? ビッグベアーな体と顔の事かな?


「おいミオ、今ビッグベアーって言ったよな? 聞こえたんだぞ!」「俺にも聞こえたなあ!」ダンさんだけでも怖いビッグベアーなのにもう1人のビッグベアーの登場なんて聞いてな〜〜い!

 ぬうぅっ!! と左右から大きな影が見え……「出た〜〜! ダブルビッグベアー!!」 私は走り回った。ダンさんとバズさんは『ミオ〜〜!!』 声を揃えて叫ぶダンさんとバズさんです。


 おぉ! 私達の番だ。


 ドキドキしながら「これに触ったら良いの?」 バズさんが頷いてくれ「お嬢ちゃん、触るだけで良いからよ」私は右手で水晶に触ったんだけど、眩い光が水晶から出た! 「えっ? 何? 私……えっ?」私は混乱した。何事? 「ダン早くミオを連れて走れ!」 門番さんも早く拠点に連れて行け! など言ってて私だけが、この状況が分からないのだ。


 水晶が光るのは特別な能力の持ち主にだけ反応するらしく、強欲な連中や貴族に連れて行かれたら終わりだ。

 私を気づかってくれてるのか、今だけは真剣な表情のゼクスさんとルシアさん、ダンさんは私を荷物のように担ぎ拠点までダッシュされました。後ろではバズさんと門番さんが強欲な連中を取り押さえていた。

 門番さん、バズさん……ありがとう。


 タッタッタッタッタッタッタッ!!


 何処かのドアを勢い良く開けて乱暴に閉めた! ガチャッ……バア〜〜ンッ!!


 ドアが閉まる音が耳の奥まで聞こえ、鼓膜が破けるのかと思った。ダンさんは私を椅子に座らせ「ミオ、今から言う事をよ〜〜〜〜く聞いとけよ!」 ビッグベアーのドアップは迫力ありすぎです! これは頷かなきゃ危険信号が……「うん」「よし、あれはな……特別な能力を探知すると光だすと言われていた。それが実際に光ったというわけだ。俺はバズと話して来る、今日は絶対に出るなよ!」ダンに念押しされたのもあるが、これからの事を考えると……知らない世界で誘拐や暗殺されたらって思ったら怖くなり「私絶対に此処から出ない! ゼクスさんとルシアさんの側にいる!」 良い子だ! と言って頭を撫でてくれた。


 出ようとしたダンさんに「ダンさんは大丈夫なの?」 ダンさんは、笑いながら「大丈夫だ!」 頷き、その言葉を信じようと思った。


「ミオ、こっちよ。今日から私と同じ部屋で寝るのよ」ルシアさんの腕に『ぎゅっ』と抱きついていた。


 コンコンコンッ! ゼクスさんが部屋に入ってきた。


「ミオ、明日は皆で冒険者ギルドに行ってギルドカードを作っておくぞ! 今日はルシアと早く寝ろよ。ルシア、あとは頼むな!」 の一言だけだった。


「ギルドに登録さえすれば手を出す連中は少なくなるから」ゼクスさんは乱暴に私の頭を撫で、部屋を出て行った。今日も歩き疲れてヘトヘト……「ねむ……い……ルシ……さん、おや……すみ……」私は眠すぎて、ルシアさんに最後まで話せなかった。ルシアさんは私の頭を優しく撫で、隣で寝てくれた。

誤字がありましたら、すみません。


読んでくださり、ありがとうございます。


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