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1.プロローグ

 私は大きな扉を開けると、人の屍だらけで大量の血が地面いっぱいに広がっていた。


 あまりの残酷な光景に私は、一時動けないでいる!


 きつい鉄の様な臭いが気持ち悪くて、その臭いが大量の血だと分かると、胃から勢いよく逆流する激しい嘔吐があり、私はその場で膝をつき動く事が出来なかった。


 どうしたら! と考えている暇も与えてくれない者が現れ、私の目前に5メートルくらいある、大きな『トロール』 が居た。


 他のトロールも此方へと迫っているではないか!


 ヤバイ! ヤバイ! 落ち着け私! と自分自身を励ます。


 トロールの鼻息は荒く、ヨダレは地面にボタボタと落ちていき、そのヨダレの臭いなのだろう、ドブが腐った様な異臭が酷く目眩がするかの様な最悪な状況だ。



 記憶を巡らせて行き私は、どうすれば良いの。


『怖い! 怖い! 怖い! 怖い! 怖い! 怖い!』 怖い! って感情に支配された私は。





 *************** 時はさかのぼり ***************


 今日も残業だわ。


 私は『花咲美音 (はなさきみお)』33歳の独身、でもね精神年齢はJK並みな異世界物が大好きな、世間で言えば『オタク』ですよ。


そして自慢ではないが恋愛経験が無い女です!!


恋愛はしたいが無理なんです。


 えっ、誰もそんな事聞いてないって?


そう言わずに聞いて下さいよ、それはね。




 私は、ゲーム開発部に入りたくて何度も何度も面接を繰り返して入った会社で、有名な異世界物のゲームを開発している会社だった。


 ホワイト企業のはずなのに入社してみたら、ブラック企業でした。


 定時なんてよべるのは定時間プラス三時間が、この会社の定時なんです。


 入社した当時は当然、喜びまくりましたよ!


 でも、半年も経たないうちに会社の中 (仕事内容) が半端ないくらい真っ黒黒のブラック企業だったんです。


 今月はもう終わってしまうのに、まだ休みをもらえてない私疲労と過労・睡眠不足でぶっ倒れそうですよ!


他の社員も同じで毎日が地獄みたいです。


 同期で入った子達は初めの一ヶ月で辞めてしまいました。



 私の楽しみは異世界物のゲームや漫画を読む事が心の癒しだ。


 今日も帰宅したら早速癒され………バァーーーーン!!


 ………。


 ………。



「……聞こえるかの」



 お爺ちゃんっぽい声がし、目を開けた。


 上はクリーム色? 下はフワフワクッションみたいな触り心地、なんだか空に浮かぶ雲みたい。


 えっ?


 ここ何処?


 お爺さんが此方を見て、勢い良く『 土・下・座 (ど・げ・ざ )』をされています。


 何かあったっけ?


 私って、確か仕事の帰りだったような。



「あの〜、少々お聞きしたい事があるのですが、宜しいでしょうか?」


 お爺さんは頷き話してくれた。



「わしは神、説明せねばならんの。

 実はの、お主は死んだんじゃ。

 道を歩いていたお前さんは、高層ビルの看板に当たり潰れてしもうた」


 道を歩いて……看板……?


 そういえば大きな音が聞こえた気が?


「大きな音が聞こえたのは覚えています。

 そうですか、死んでしまったんですね 」


 落ち込んでいた私、お爺さんの話を聞くまでは落ち込んでいた。



「お主の『命の糸』と隣の『命の糸』を間違うて切ってしもうたんじゃ」


 ………。


「はああぁぁっ!! それって、神様のせいで死んだという事ですか?」


「わしが『命の糸』を間違うて切ったのはお主が初めてなんじゃ、今まで無いんじゃが 」


 私は神様に詰め寄った! それも顔スレスレに近寄った!


 神様は顔を赤らめて 『 ポッ! 』


 はぁ! 顔を赤らめている場合ではないよね?


死んでしまったんだから諦めるしかないと思い「はぁっ」私は溜息を吐いた。


「 私の人生は終わりって事ですか?

恋愛も結婚もしてないのに、私はどうしたら良いんですか?

天国へ行かないといけないんですか?

他に選択はないんですか?

生き返る事は難しいんですか?」



 神様は正座をしたまま話し出す神様


「魂は生きておるから、選択肢はある!

1つは異世界転生、もう1つは天国へ行き新たな人生を再スタートさせる事じゃ! 」


ドヤ顔で言ってるけどさぁ!


 何が『じゃ!』よ! 選択肢2つと言っときながら、2つ目は天国行きじゃないのよ!


 選択肢なんて無いじゃない!


 ………。


「神様の間違いで死んだんですから、スキルやチートは必ず付けて下さいよ!」


 その目は飾りですか? 瓶底眼鏡でもして、もっと見開いてなさいよ。


「すまんかったの」


 何度も謝ってるし、許すしかない。



「このまま異世界へ行くと、魔物に襲われて即死なのでは?

何かチートを下さいよ!

それで手を打ちますから、肉体は神様が用意して下さいよ!

あと、読み書きに言葉は必須ですよ」


「そうじゃな、テイマー・アイテムボックス・空飛ぶ箒・治癒魔法・賢者にしておいたぞ、これで許せ!」


 テイマーはモフモフが出来るから有り難いわね、それに頼もしい相棒が出来そう。


 アイテムボックスは重い物とか持ちたくない時なんかは便利そうね。


 空飛ぶ箒!! 移動に便利だし、箒で空を飛んでみたかったのよ! 嬉しいのくれるじゃないの。


 治癒魔法は、怪我や病気になった時に便利よね。


 賢者は高位な魔法が使えるんだ、楽しみ!


 これだけあれば生き延びる事が出来るわね。


「神様、ありがとうございます。でも、こんなに貰って良いの?」


「うむ、問題ない。

 異世界の名はスペールディ、コレはオマケじゃ。

 新たな人生に幸多からんことを」


 光が強くなるにつれて神様の姿が消えていく。


 神様が間違えて『命の糸』を切ったから死ぬってどうなのよ! 異世界で新たな人生、年齢の事も頼めば良かった。


 最後に言ってた『オマケ』って何だろう?






誤字がありましたら、すみません。


読んで下さって、ありがとうございます。


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