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俺、リバイアさん  作者: ダーハラ
4/4

魔王の苦労、神聖グループ会長

一方、ミキティーヌの加護を外された

魔王は。


(なんか、先程、力がかなり抜けた気がするな。

当たり前か、、、

毎日作業してるから、疲れているんだろうな)


魔王は、海中の魔王城自室でくつろいでいた。

魔王城の中だけはバリアのような魔法で

囲まれ空気が通っているが

換気性能が悪く

湿気で溢れ、カビだらけの城だ。

魔王は机の上のカビを指でなぞり

ため息をつきながら

考え事をしていた。


「はぁー、、、。」


(しかし、この城ホントカビだらけ。

なんで魔王になってまで

俺が毎日新しい空気取り込まないかんの?

いくら俺が水属性って言っても邪神様達の

提案で海中とかないわ。

換気システムとか考えて欲しいわ。)


魔王の選抜は高位の邪神達によって選ばれる。

この魔王は、確かに選抜して選ばれた。

この異世界の魔王と呼ばれるふさわしい

力と能力は十分にあった。

しかし魔王の属性が災いして

魔王の拠点、魔王城の配置が難しいと

邪神達は悩んでいた。


何故、海中に決定したか?

それは、ミキティーヌの一言


「ふーん。

あっ!私いい事思いついた!

魔王の属性が水属性なら魔王城は

海中でよくない?」


から始まった。

ミキティーヌは、邪神界のアイドル的存在なので反対する者が居なかった。

居なかったと言うよりも

賛成したミキティーヌ崇拝者と

アイドルを敵にまわすと怖い

という者で皆、賛成にした。


この異世界の陸海空の魔物を統べる

魔王エルダー。

しかも海中の魔物が少ない異世界であったのだが、それは意見されなかった。


海中に魔王城。

誰が建てた?

魔王エルダー自身である。

地上から物資を運び

城を魔法で形にしていく。

ミキティーヌ崇拝の邪神共が

早く城をミキティーヌに見せたいが為に

城の工期三年のところを

一年にするように魔王エルダーに圧をかけた。

エルダーは不眠不休でなんとか成し遂げた。


完成しても、海の魔物が少ない為に

陸、空の魔物を城内部に配置できるようバリアを張る。

バリアの持続と空気を取り込む

作業は魔法で常に行われている。

オートマチックなどなく

バリアに関しては常に魔力を必要とし

空気の取り替えは一日に三時間は集中して

地上との空気交換をしている。

誰がしているのか?

もちろん、魔王エルダーである。


ミキティーヌの強力な加護を失っているのに

気が付かない原因は

労働による極度の疲労であった。


ミキティーヌに悪意は無かったが

まさに邪神らしい悪意を感じる決定であった。


いわば、可哀想な魔王なのである。



ガチャン!!!


「まっ、魔王様!」


魔王の配下がドアのノックもせずに

慌てて入ってきた。

(!!!何?何?びっくりしたじゃん!

いきなり部屋に入ってくるとか

信じられない。やめてよ。)


魔王エルダーは平然を装い対応する。


「どうした?発言を許す。」


「どうやら、聖女がリバイアサンの召喚に成功したようです、、、。」

(え?マジで!その前に神殿までたどり着いたのも聞いてないよ?)


「ほう。やっと我と戦える準備ができたのか。

ふっ、、、それは楽しみだな。」


「ゴブリン、スライム、オーク達を神殿に向かわせたのですが、、、全滅です。」

(え?ゴブリン、スライム、オーク?

ちょ、そこはドラゴンとかでしょ!

何、経験値与えちゃってるのキミ。)


「ほう。全滅とは。

神殿に入る前に攻撃を仕掛けたのか?

その後だとしても

リバイアサンは陸では戦えんハズだが?

聖女達にそれだけの戦力があると思えんが。」


「そうなんです、ゴブリン、スライム、オーク

でも、群れを集中させたので

十分に勝てると判断しておりました。

しかし、魔物の反応が一気に消え去ったのです。」

(え?何ソレ怖いんだけど!)


「ほう。」


「原因はまだ分かっておりません。

あと、契約前後の戦闘の件ですが

そこは、大丈夫です。

ちゃんと、掲示に従い召喚契約後まで待機

してから攻撃しましたよ。」

(はい?誰の掲示?)


「、、、。」


「あっ、だいぶん前なんですが

魔王様が空気入れ替え作業をされている時に

邪神様からの掲示がありまして

攻める時は、あまり卑怯な手を使うな

ダサいから。

と掲示を受けておりました。

魔王様の作業を止めると空気が無くなる

恐れもありましたので、御報告は控えて

おりました。」

(え?ダサいから?)


「、、、どの邪神様だ?」


「ミキティーヌ様ですね。」

(でた!ミキティーヌ様か、、、

もう、ヤダ、、、。)


魔王エルダーは心身共に疲れ果てていた。

弱った姿を配下に見せる事も許されず

作業業務の多さで、配下の報連相も無く

勝手に物事が進んで行く。


昔のエルダーは血気盛んで

魔王になる事を望んでいた。

今は何の為に生きているんだろうと

生きるという意味を

考えるようになっていった。




一方、召喚神は営業の電話をしていた。

メイン携帯の解約など忘れ

今がチャンスと勤しんでいた。


「あーっ、モシモシー。

あっ、いつもお世話になっております。

召喚神ですぅー。」


営業相手先は

神界でトップクラスの大手。


神聖コーポレーショングループ

神聖文庫

神聖モバイル

神聖オンラインTV

神聖ホテル

神聖自動車

神聖食品

神聖オリハルコンマテリアル


などなど


書籍、携帯、ネット、神の乗り物

聖剣の作成、ぬいぐるみ、生活用品



ココと取り引き出来れば

まとめて書籍化、DVD化、動画収入、グッズ化

召喚神としての評価、収入も上がる。


「どうも、いやー見させて頂きましたよ!

今回は斬新でしたね!

神聖グループ会長から

直接話がしたいと言っておられましたよ。」


「え?会長が!!!」


「はい、少しお待ちを。」

(おい!おい!あの神聖グループを一代で

立ち上げた、源 創一労 会長だぞ!)


源 創一労 みなもと そういちろう

この会長は、地球の文化をこよなく愛する

神だ。

地球の神では無いが

地球の神々と友好関係にある。

特に日本が大好きであり

最近。自分の名を改名した。

創造する、一番になる、労働する

それが生きる源となる。

を掲げて巨大な組織にする事ができた。

神界初の会社運営組織である。



「お待たせいたしました。

今、会長に繋ぎます。」


「はっ、はい!」


「ほぉ。初めましてじゃな。召喚神君。」


「うほっ、あっ!

す、すみません!この度は会長の貴重な時間を頂き!!!」


召喚神は電話越しに90度ならぬ

150度の頭を下げた。


「召喚神君、、、キミは重大な決断をしたようじゃな。」


「あっ!は、はい!」


「キミは、近々会見をするようじゃが

なんと説明する?」


「あの世界を守る為には、、、。

私もそうするしか手は無かったのです、、、

あっ、はい。」


「キミは自分自身は、どうでもよいと?」

(いやいや、どーでもよくないよ。

自分大好きだし。どっ、どうする、、、。)


「、、、。できれば

最後まで見届けたいですね。

皆コメントで応援をくれますが

法には逆らえません。

しかしいつか、変えないといけない。

いつまでも、無駄なルールに従う必要など!くっ!!!、、、。

変えたいんです。

この召喚の縛りや、無駄なルールを!

しかし、その力は私には、ありません。

皆が力を合わせてくれるなら変われるかも

しれませんが、、、。」


召喚神はとりあえず、人間は召喚獣に

ならない召喚のルールのせいにした。


「ほう、、、。キミは何を目指す?」

(目指す?ちょっと、難しい質問だな。)


とりあえず召喚神は間を開けるのは

不自然だと感じ、適当だと思われる言葉

はこれしかないと思った。


「平和です。」


「、、、平和。久しく聞かない言葉じゃの。」


「お、おかしいでしょうか?」


「理想論にしかすぎんの。」


「はい、、、。」


「しかし、聖と闇は交わることはできん。

それを、平和にする。

つまり、キミは闇と和解すると?」

(やべぇ、、、ソレを言われたら、、、)


「り、理想論でしか無いかと思います。

しっ、しかし理想を貫いた者だけが

理想を現実にする事が出来ると思います!」


「、、、。気に入った。」


「え?」


「この源 創一労、全面的にバックアップしよう!」


「ほっ、本当ですか!!!」


「ああ、昔同じような神がいてのう。

キミと同じように、ルールを破ろうとした。

、、、まあ、結論は

彼は失敗に終わったんじゃ。」


「そんな神が居たのですか?」


「うむ、、、。ここだけの話じゃが

結論を言うと、彼は闇に堕ちた。」


「闇堕ち!!!神自身がが闇堕ちするなど

よっぽどの怨みがなければ、、、。」


「詳しい事は分からぬ。

なんせ、神の記録に残され無かったからな。

しかし、闇堕ちしたのは確実じゃ、、、。」


「証拠はあるのですか?」


「ふぅー、、、。言わんといかんか、、、。

彼は我々神と邪神との直接だった戦いを

代理戦争にする事に成功した神じゃ。」


「!!!それは、総合神様がやった事では?!」


「、、、。違うんじゃよ。

それは総合神の実績を作る為に

そういう事にした。これが、正解じゃ。」

(なっ、なんということだ!それが事実なら

改ざんした事になるぞ!)


「しっ、しかし、証拠がありません。」


「証拠は無くとも、彼の元友人である

ワシが知っとるからな。」


「!!!名は!名はなんと言うのです!?」


「神プログラミングを最初に作った

アムステールダームじゃ。」

(なっ、なんか聞いた事あるような。)


「、、、。」


「キミは召喚神。召喚のシステムを作ったのは

アムステールダームだということを

知らんじゃろ?」


「はい、、、総合神だと思っておりました。」


「どの神か、分からぬが

この神界に事実を曲げておるヤツがおる。

本来の戦いが、異世界での代理戦争となり

神界と地獄の間に互いが干渉できないように

なった。

そのおかげで、神界も地獄界も平和と

なったが異世界では死者のみが増える形

だけじゃ。

不自然とは思わんかね?」

(!!!まさか、、、。)


「たしかに、、、。神々と邪神との直接の

戦いの時、私はまだ下級天使でした。

当時はまだ力も無かったので

珍しいスキルを集めて、神々に選んで頂く仕事をしておりました。

戦いの狭間で結界が張られる前日に

総合神より召喚獣を集めよと

直接、神テレパスで司令が届きました。

まるで、異世界が代理戦争になると分かっているようですね、、、。」


「総合神、、、。これは、我々は

踏み込んではならない領域じゃな。

存在ごと消されてしまったら

どうにもできん。」

(そ、、、そんな事知りたく無かった、、、。)


「消される、、、。」


「安心しろ。何も知らない事にして

おけば良い。

とりあえず、ワシはアムステールダームの

意思を継ぐ人物はもう現れんと思ってたからの。

まだ、キミが聖と闇の完全なる平和を

目指すのならば、知っておかないと危険じゃからの。」


「は、はっ、はい、、、。」


「落ち込むな、ワシは今から全面的に

アスティとリバイアのグッズを

大量に生産する。」

(グッズ!きたぁー!)


「そしてキミの自伝本を早急に作成する。

神的作家をすぐにキミ寄こす。

キミが書かなければいけないが

作家が編集すれば、良いストーリになる。」

(じ、自伝本だとぉ!!!なっ、なんたる幸運!)


「ほっ、本当ですか!?」


「ああタイトルは、決死の覚悟なんてはどうじゃ?

キミは自分より、アスティらの世界の平和を

優先したのだからの。

これで、神々の支持を得たら

キミは降格される事はないじゃろ。」

(そうだよ!俺はなんて営業上手なんだ!

グッズ!自伝本!くっ!くっ!くっ!)


召喚神は心の声を抑えていた。

しかし、代理戦争になった

事実が本当に総合神がもし絡んでいたら

と恐くもなった。


「総合神は、この件について

どうお思いでしょうか?」


「うむ。まだ総合神が絡んでいるかは

ハッキリは分からぬ。

じゃが、外堀を埋めて神々を味方に

すれば、何も言えんじゃろ?」

(しかし、何者が絡んでいるか

分からない、、、。

命狙われたりすると、怖いな、、、。)


「ですが、私は命を狙われてます。」


「なっ、なんじゃと!?」


嘘をついたが、本当に危険になってから

では遅い。

召喚神は今、命を狙われている事にした。


「はい、、、。何者か分かりませんが

上から私を目掛け、聖剣が降ってきました。

上からなので上位の神でしょう。

寸前でギリギリ避けれたので助かったのですが、、、。」


「そ、それは、いかん!ワシがそちらに

戦いの神を寄こす!

今は大丈夫なのかね!」

(うっほ!私にSPが着くなんて!)


「はい、、、今は防御結界の部屋にいますので

大丈夫だと思います。」


「わ、分かった。早急に手配するから

電話は以上じゃ。

それまで耐えるんじゃよ!!!」

(防御結界とか張ってませーん。

常時外にいまーす。ぷぷぷ。)


プープープー


(グッズ、自伝本、私が神聖グループの重要人!)


「頂きましたぁー!!!

アーッ〜ハッハッハ!!!」

召喚神はまた邪神のように笑った。


しかし、笑っている者がもう1名いる。


「くっ、くっ、笑いが止まらぬわ。バカめ。」


源 創一労も電話のあと笑っていた、、、。


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