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第三十二話   どこにでも、誰にでもあり、最終的な資本

計7330文字です。

前回までのあらすじ。


王妃様からの協力要請を受けて、『ケトゥル古城』に向かっている。


P.S 対策は練るけど、ファフニルと会って改めて龍種とは戦いたくないと思った。








人間王国ミッドガルズ西部地域『コーネリア』。


人間王国ミッドガルズの四つの地域のうち最も平凡で平穏である地域であり、平穏無事に暮らしたいならこの地域に行け、とも言われている地域だ。


「どうもありがとうございました」


「いやいや、こっちも助かったよ」


『コーネリア』でも比較的大きい街に分類される『イルナナ』で僕はここまで馬車に乗せてくれた『境界無き商会(グレイス)』の商人の一人にお礼を言っていた。


現在は王妃からの依頼を受けているため今までのように徒歩で時間をかけて移動するわけにもいかないので、『ギフトア』から『イルナナ』に向かう一行の馬車に同乗させてもらった。


「しかし、兄ちゃん、礼は本当にいらないのか?」


「依頼を受けて同行していたわけではないですから、ここまで乗せてくれたことだけで十分です」


「そうか・・・・・・。しかし、兄ちゃん、その腕をEランクにしておくには惜しいぜ。ランクを上げてみようとは思わないのか?」


「気が向いたらそうしてみます」


護衛の依頼を受けて一行に同行していた冒険者達はいたのだが、平穏な『コーネリア』に向かうからか、護衛の依頼を受けられる最低限の条件である委託施設ユニオンが定めるランクでCランクであっても実力的にはギリギリか少し足らないくらいの人達を雇ったらしく同乗していた僕も応戦することになった。


僕が自分達以上に強いことを護衛していた人達が知ってから彼らとの間に少しわだかまりがあったが、ここまで来る間に良くも悪くもない程度まで改善した。


商人の一行はここで物資の売買をした後に別の街に移動するのだが、僕はこれ以上同行すると目的地である『ケトゥル古城』から離れてしまうため彼らとはここで別れることにした。


本当ならもっと『ケトゥル古城』に近い街まで移動する一行に同乗させてもらいたかったが、現在は『血の栄光(ブラッドグローリー)』達の暴動のせいで治安が荒れているせいもあり、常時でさえ治安がいいと言えない北方地域『ゲードンム』付近の街に向かう一行にEランクである僕が乗せてもらえるとは思えないので彼らと同行することにしたのだった。


「それにしても、馬車が多いですね。ここは何時もこうなんですか?」


この街、『イルナナ』の馬車を止めておく場所に今、僕はいるのだが、さほど何か特別な物がある街でもないのに馬車が多く止めてあり、ふと疑問に思ったことを目の前の商人に聞いた。


「あぁ、こりゃあ貴族様達の馬車だろうよ。大きな声で話せることじゃないが、確か今日は奴隷のオークションが開かれる日だからな」


商人が先程より声を小さくして話してきたので、僕もそれに合わせて声量を抑える。


「奴隷、ですか。確か、奴隷の売買は売り手、買い手共に罪に問われると記憶してますが」


「あんなもん建前だけさ。奴隷の売買は貴族にとっても商人にとってもうまい商売で経済上でもかかせないからな、建前上は禁止しても裏じゃどっぷりと手をつけてるのは暗黙の了解ってやつだ。っと、一応言っとくが『境界無き商会(グレイス)』は奴隷売買に手を出してないぜ。うちは公明正大、清く正しい商売がモットーだからな。うちに加入していない商人にとってはってことだ」


まぁ、そうだろうとは思ってたけどね。


僕のいた世界でだって人身売買は裏では平然と行われてるし、大衆が受け入れられないだけであって人を金で買うというのは何処でも需要はあるものだろう。


「ま、下手に口出ししたところで俺みたいな一介の商人にはどうしようも出来ねぇ問題だし、お偉いさんが厳しく取り締まったとしても社会バランスが崩れるから放置するしかねぇのさ」


「そうでしょうね。ところで、そのオークションが開かれる場所って知ってますか?」


「あぁ、知ってるには知ってるが、兄ちゃん、行くつもりかい?」


「ええ、まぁ、社会見学にでもね」


長く滞在するわけでもないし、目的地に向かう前に少し寄り道しても大丈夫だろうと思っていると、商人は僕の顔を見ながら、僕に教えるべきか悩んで考え込んだ。


「・・・・・・兄ちゃんにゃあ、ここまで護衛してもらった恩もあるし信用できそうだから教えてもいいが、情報元が俺だってことは」


「わかってます。誰にも言いません」


「そうか。じゃあ、街の東のほうにある貧困街に行ってみな。行ってみりゃあそこで明らかにそこに不釣合いな感じの奴がうろついてるのが簡単に見つけられるだろうよ。ついでに言えば、会場に入るには入場料として金貨一枚が必要になるぜ」


「そうですか。教えてくれてありがとうございます」


「いいってことよ。気をつけるんだぞ、兄ちゃん」


「はい。では、失礼します」


商人に別れを告げて、街の東へと足を進める。


街を歩きながら所持金を確認すると、手持ちは金貨2枚、銀貨5枚、銅貨7枚の計20570ガルド。


入場するだけなら問題はなさそうだ。


街の東の一区画、貧しい者達が集まっている貧民街に足を踏み入れるとみすぼらしい家屋が並び、道端に座り込んでいる人もちらほらといる。


そんな中を少しその辺を見て回ると明らかにこの区画に似つかわしくない格好の人間が足早に足を進めているのを見つけた。


後をつけていくと、みすぼらしい外観のわりにやけに大きい建物に辿り着き、僕がつけていた人は入り口のところに立っている見張りらしき人物達の一人に金貨を渡すと中に入っていった。


僕もその建物に入るために足を進める。


「止ま」


見張りの一人が持っている武器を僕に突きつける前に言葉を遮ってその人に向かって金貨を投げる。


「客だよ。通してもらうよ」


「・・・・・・」


少し僕を探るような視線を向けていたが、こんなところに来るような人間に対して下手に探るような真似はしないものだと心得ているらしく、止まることなく堂々と歩みを進める僕を素通りさせた。


建物の中に入り、オークション会場だと思われる場所の扉を開ける。


「20万ガルド!他のお客様は如何ですか!?ないですか!ないようでしたら、20万ガルドのお客様が落札です!ご購入されたお客様は手続きがありますので、お帰りの際にガルドと引き換えに手続きを済ませて商品を受け取ってください」


既にオークションは始まっているらしく、今も劇場のような内装をていしている室内の奥にある壇上で20歳前半ぐらいだと思われる女性が競り落とされていた。


女性の首には奴隷の証とも言える劣化遺物レプリカ『スレイブ』が装着されていて、不安、絶望、諦念、恐怖が入り混じった表情のまま舞台袖に下りていった。


手続きというのは、『スレイブ』の所有権譲渡のことだろうか。


あれは確か、所有権を保有者が放棄した後、最初に『スレイブ』に血をつけたものに所有権が移るんだったっけ。逃げる絶好の機会でもあるけど、当然、そのときは逃げられないように準備をしてからするんだろうな。


「さて、お次の商品はこちらです!まだ十歳にも満たない少女!もちろん生娘です!始めは300万ガルドからスタートです!」


入れ替わるように壇上に上げられたまだ幼い少女は恐怖に打ち震えたまま、舞台上に押し上げられて、そういった趣向の持ち主だと思われる人物たちが競って金額を吊り上げていく。


僕は適当な場所に腰を下ろしながらその様子を眺めている。


ここにいるのが僕じゃなくて聖夜だったりしたら義憤にかられて、あの子を助けたり、このオークション自体を取り潰すために動いたりするのだろう。


しかし、ここにいるのは裏社会に骨の髄どころか魂までつかりきった僕だ。


どれだけ不遇な境遇にあろうとも彼等は奴隷商や買い手にとっては商品でしかないと思うし、全員がそうだとは言わないが、彼らの多くは何かしらの事情で売られた者達だろう。


売られたということは恐らくは生活が貧窮している状況下にいて、口減らしや借金のかたにされたはずだ。


そんな彼らを解放したところでその多くは路頭に迷うことになる。ここで救ったところで故郷にも帰るに帰れず、救った者達が彼らの生活を保障するわけでもない。


そもそも体や労働力という最終手段でもある資本を差し出さなければならない状況になってしまった時点で己がこれから歩む不遇の道を避け得ないものだと覚悟しないといけないだろう。


救われるのはホンの一握りの奇跡的な運を有したもので、どれだけ悲観にくれても状況は好転しないのだから。


そんな冷め切った思考をしながら会場の様子を探る。


やはり、貴族が会場の大多数をしめているが、それ以外にも魔術師らしき客が少ないながらも見られる。


身につけている装飾や魔法石、杖などから見て彼らが魔術師であることは間違いないだろう。


こういうところに来るところを見ると、まっとうな魔術師ではなく何かしら非人道、非倫理的な研究でもしているのかもしれない。


そんな人として良いとはいえない薄汚い連中が集まる中で毛並みが違う存在が二人いた。


その女性と男性の二人組みは隠してはいるが舞台上よりも客である貴族のほうを観察している。


王が動くとは思えないし、宰相グレゴリオ、将軍リベリスも同様、となると、恐らく王妃の配下の者達か。


反乱因子あるいは不正貴族の監視、偵察、調査ってところか。まぁ、接触する必要はないから放置しておこう。


「続いての商品はこちらです!」


壇上に今度は十歳に満たないと思われる少年が上がっていった。


そして、目に付くのがその子の左手。


「今日、お越しのお客様は実に運がよろしい!この子供は偶然手に入れた魔族の子供です!魔族が持つ異質を示すのはご覧のとおり子供の左手!」


それは普通では有り得ない肌も爪も真っ黒な左手だった。


「この左手は何と毒を精製する能力を有しています!さぁ、この貴重な商品は100万ガルドからスタートです!」


魔族は外見上、人にあらざる形質を持ち、そして、その異常な外見を持つ部位は特殊な能力を持つ。


これが魔族が人間よりも少ない数でありながら、長年、人間を相手に苦戦を強いらせてきた一因の一つでもある。


あの子は毒を精製する能力を持つらしい。


しかし・・・・・・、魔族か。


「・・・・・・『真虚混花しんきょこんか』」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


あら?私の出番でしょうか?


『まぁ、そういうことだね。よろしく頼むよ』


前回の『ルカルサ』での戦いのときと違い、今回のようなことのほうが私に向いていますので特に不満はありませんし、思考を共有しているため何をすればいいのかは分かりますので、早速、月君の要望どおりに行動することにします。


「200万ガルド」


つまり、この競りへの参加とあの子を落札することです。


「300万!」


「301万ガルド」


「400万!」


「700万だ!」


「701万ガルド」


もちろん、そのような大金を私達は持っていませんし、あの子の魔族という希少価値を考えれば、値段はまだまだ上がるでしょう。


「820万!」


「821万ガルド」


「850万!」


「1000万でどうだ!」


「1001万ガルド」


それに、魔術師の方々はあの子にご執心のようです。物珍しさで参加していた貴族様方が下りられたというのにまだ競りに参加しています。


『魔族の子供っていう興味深い研究材料があれば、そりゃあ食いつくでしょう』


「1200万!」


「1201万ガルド」


「1400万!」


「1401万ガルド」


「2000万!」


「2001万ガルド」


熱心に競り落とそうとしていた方々は金額を重ねるごとに勢いがなくなって、どんどん競りの参加者が減っていき、私の他にあと一人になりました。


『粘るね、あの人。大分、興味をそぎ落としたのに』


他の方よりよほどご執心なのでしょう。


せめて、声だけでなく動作もつけられればもっとさくっと片付けられるのですが。


「2510万!」


あ、こちらを見られました。


「くすっ。2600万ガルド」


視線を合わせて、仕草も加えての暗示をプレゼントしました。


すると、その方は急に興味を失い、自分が何故、あんな子供を熱心に落札しようとしていたのだろうかと首を捻っています。


「他にいらっしゃいませんか!?いないのでした2600万ガルドで落札とさせていただきます!」


他の皆様は既に壇上の少年などには微塵も興味がないようで、次の商品を今か今かと待ち構えています。


少年と入れ替わりに紫色の髪の女性が壇上に上がっていくのを見ながら、私は席から立ち上がります。


「では、私はこれで失礼致します。皆様方もごゆっくりお楽しみになっていってください」


両隣の方に声をかけて、両隣の方の鞄を持ちながら移動し始めました。


両隣の方はこれを私の荷物だと思い込んでいるので、快く送り出してくれました。


これだけあれば、2600万ガルドぐらいはあると思います。


余ったお金はどうしましょうか?


『ああいう奴等が持ってた金を自分のにするのは何か嫌だから貧民街でばら撒いていこう』


そうですね。あの方々に使われるよりも貧困に喘いでいる方々のために使ったほうがこのお金も嬉しいでしょう。


そんなことを考え、刺すような視線を感じつつ会場を去っていきました。






~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




トボトボと俯きがちに前を行く人の後をついていく。


首につけられている首輪が僕に自分の今の立場を思い知らさせる。


この人に買われてから特にこの人は僕に何も聞きもしないし、何もしない。


ただ最初に、ついて来てと言われたくらいだ。


それからは無言でひたすらに歩き続けて、街から出てもずっと歩き続けている。


「あっ」


元々、体調が良かったわけでもないのに歩き続けて、疲れ切っていた僕は小石に躓いて転んでしまった。


痛いと思いながらも、立ち上がって前を見てみるとその人は足を止めて、こちらを見ていた。


「・・・・・・まぁ、夜も遅いし、この辺でも問題ないか。今日はここで野宿だよ」


言われて周りがすっかり暗くなっていることに気付いた。


そんなことも分からなくなるくらい疲れていたみたいだ。


「とりあえず、これでも食べる?」


「は、はい」


夜だということに気付いて、時間が大分経っていたことが分かると急にお腹がすいてきて、差し出された食べ物を素直にもらって食べ始めた。


「食べながらになるけど、自己紹介でもしようか。僕はクリムゾン。冒険者、というよりは旅人をやってる。君は?」


「リトリル」


「リトリル君、だね。一応、確認するけど君は魔族で間違いない?」


「・・・・・・」


クリムゾンの問いに頷いた。


クリムゾンの手に眼を向けると、魔法石がついている腕輪をつけている。


魔術師に捕まったら何をされるか分からないから気をつけなくちゃいけない、って教えられていたからこの人のことが怖い。


「その左手が毒を作れるっていうのも本当かな?」


「・・・・・・」


この質問にも頷く。


何かをされないように出来る限り、時間を引き延ばすようにとも言われた。


「じゃあ、見せてもら」


クリムゾンが言葉を止めてその場から飛び退いた。


必ず、助けに来るからって彼女が約束してくれた。


「ご無事ですか?リトリル様」


「エルジナ!」


いつも僕の傍にいてくれた僕のお母さん代わりの人であるエルジナが約束どおり助けに来てくれた。


ホッとして彼女に抱きつくと、彼女は左手で僕の頭を撫でてくれた。


「僕は大丈夫だよ」


「それはよろしゅうございました。では、リトリル様、危ないですので少しの間お下がり下さい」


エルジナは髪と同じ紫色の瞳を前に向けたまま、そっと僕を自分の後ろに隠した。


「君はオークション会場でリトリル君の次に売られていた人、ですよね?」


「答える必要はない」


エルジナがクリムゾンに飛び掛っていった。


エルジナが凄い勢いで次々と殴ったり蹴ったりするけど、クリムゾンはそれをかわしたり防いだりしている。


「思ったより早い到着でしたね」


「・・・・・・私が来ることが分かってたような物言いだな」


「それはあれだけ敵意むきだしの視線を向けられればそういうこともあるかな、とは思ってました、よっ」


クリムゾンの蹴りをエルジナが腕で防ぐけれど、後ろに下がらされた。


「で?あなたを買った人はどうしました?・・・・・・まぁ、答えはその右手を見る限り、簡単に予想できますけど」


右手・・・・・・?あっ!


エルジナの右手は肘の辺りまで血で真っ赤になっていて、右手の先からは血が滴り落ちていた。


けど、エルジナは全く怪我をしていないみたいだから、あの血は・・・・・・


「血を拭うこともせずに駆けつけてきた、というわけですか。見上げた忠誠心ですね、人造生命体ホムンクルス


「だから、どうした?人間」


再び、エルジナがクリムゾンに襲い掛かる。


今度はクリムゾンも剣を抜いて、エルジナに攻撃する。


「っ。・・・・・・魔術師ではないのか?」


「そう言った覚えはありません」


クリムゾンが剣を片手に切りかかったり、もう片方の手で殴ったり、足で蹴ったりすのをエルジナが何回かよけたり防いだりすると、エルジナが一旦下がった。


「【強固なる存在、盾の如く『硬土・甲(ハード)』】」


エルジナが魔術を使うと彼女の両腕が茶色の光に包まれ、その状態でクリムゾンに向かっていた。


今度はエルジナが剣を腕で受け止めたりしていて、殴りあったり、蹴りあったりして攻撃しあっていた。


目の前の激しい戦いに眼がついていかないけれど、あのエルジナとやり合えてるクリムゾンは強いんだと分かる。


僕の知ってるエルジナはとっても強くて、お父さんもエルジナの強さは褒めていた。


それに、確か、エルジナみたいな人造生命体ホムンクルスは人間よりも身体能力が強くなってるはずだったと思う。


それなのに、エルジナとやり合えてるクリムゾンは凄いと思う。


エルジナがまだ本気じゃないとしても・・・・・・


「はぁ!」


「っ!」


そんなことを思っていたとき、エルジナが本気を出し、エルジナの攻撃でクリムゾンが殴られて後ろに下がった。


エルジナがそのまま追いかけて、本気の証である四つの手で襲い掛かっていった。



というわけで、一ヶ月ぶりの更新です。遅くなって申し訳ありません。今の時期になると特にテストやレポートで忙しく、それが終わったかと思えば、次のテストがもうすぐという状態です。そんな間に急いで書き上げたのでいつもと少し違うかもしれませんが、どうかお許し下さい。

 今回は『ケトゥル古城』に行く前に何か一つくらいイベントを入れてみようと思い、後々の展開も考えて書きました。前に聖夜側で奴隷の話題を出したので、何処かで奴隷関係の話をやろうとも思っていたので、それを組み込んでそこから今の構想上でこうするといいかなと思っての展開です。

 奴隷の売買の値段などに関してはどの程度がいいのか分からなかったので、私の感覚で金額を決めましたが、それが高く、あるいは低く感じておかしいと思ってもどうかお見逃し下さい。

 紅花はこういう出せるところで出しておかないと次はいつ出せるか分からないので、丁度うってつけの出番があったのでよかったです。まぁ、やったことと言えば、競りに参加しながら自分の発した声で周りのリトリルに対する興味がなくなるように暗示をかけて、会場から出るときに両隣の客から金を掠め取ることだけでしたが。

 後半はいつもより短めな気がしなくも無い上に、展開が急すぎる気もしますが、リトリル視線で書くと、あまり書くことがなかったために早足な展開になってしまいました。戦闘の描写においても一応現在の設定上、戦闘能力にすぐれてないリトリルが強者同士の戦いを正確に把握できるか?という、疑問があったので詳しい描写がなく、いささか物足りないとも言える感じになっていまいましたが、お許し下さい。次回の紅月視点で人造生命体ホムンクルス知識など色々と補完をするつもりです。

 今後は私生活がまた忙しくなりそうで最悪の場合、次の更新が二月という可能性もありますのでこの作品を楽しみにしてくださっている読者の方々には申し訳ありませんが、年内に次の更新の可能性は低いと思っていてください。

 ご意見・ご感想は随時お待ちしています。では、皆さん、少し早いですがメリークリスマス&よいお年をお過ごし下さい。

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