回顧1:結婚と転職
私は、昨年の初夏に結婚し、前の会社を辞めた。
夫とはその会社で職場結婚をしたが、職場の暗黙の了解で、異動させられる可能性があった。社会人として四年目になり、仕事にも慣れてきたので、上司には働くことを勧められたが、特殊な職種故に、今の仕事から異動させられれば転職同然の職種でもあった。そして、今所属している課以外の課は、人間関係が良くないことも知っていた。
情けない話だが、二十六年間家を出たことがない私にとって、新しい環境で仕事と家事を両立する自信がなく、しばらくは専業主婦になって家事に専念しようと決めたのだ。
しかし、会社を辞め、家事に専念していると、私は時間を持て余す自分が段々嫌になってきた。失業保険を申請していたため、その間は働くことはできないし、少し前まで働いていた私が、夫の収入に頼っているのが何だか申し訳なく、情けないと思った。
だから、少しだけ家事に専念した後、私は新たな就職先を探して転職活動を始めた。でもうまくいかない。エージェントに登録し、自分のPRポイントを必死に探した。書類選考に落ちては書き直し、段々と書類選考に通るようになっても、面接で落ちる。
エージェントから知らされる結果を読んで、面接先のコメントは決して間違っていなかったけれど、自分の嫌なところをズバリと指摘された気がして傷ついた。
そう、私は頑固で融通が利かない人間なのだ。前の会社でも新入社員の時、大分上司を困らせた記憶がある。
3ヶ月程の転職活動で、やっと今の会社に拾ってもらうことができた。だから、一生懸命働こうと、意気込んだ。
でも、何かの歯車が狂い、うまくいかなくなった。そして、戦力外通告を受けたのだった。