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戦力外通告

八月×日

 私は、会社から戦力外通告を受けた。

「体調にムラのある人間はうちでは働けないだろう」、そう社長に言われた。

 日にはあまり思い出したくない。あとで送られてきたタイムカードを見たら、夏休みに入る一週間くらい前だったように思う。

 自分は本当に、出来損ないだなあと思って悲しくて泣いてしまった。

 私はこの会社に今年の始めに転職して、数ヶ月間新しい環境でそれなりに頑張ってきた、と思う。でもある日から、心と体がついて行かなくなってしまった。

 本当は辞めたくなかった。転職であれだけ苦労したのだから。


 応接室に入ったときの、社長のひどく冷たい顔は今でも覚えている。あれが、従業員を切り捨てることができる経営者の顔だった。そして、社長は一方的に私に話しかけた。役員も上司も黙っていた。この二人には色々と相談していたけれど、きっと二人とも本心は、私に辞めてもらいたかったのだと思う。動揺して固まる私に、役員が励ますような声をかけてくれたけれど、だったら社長の前で言ってくれれば良かったのにと思った。

 その日、私は荷物をまとめて宅急便で家に送った。退職届は書かなかった。

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