普通ではない者たちの始まり
注意:初心者なので生暖かい目で見ていただけると幸いです
これは、2045年7月25日のことだった。
俺は、いつものように川原で寝そべっていた。少し冷たい風が心地よい。遠くのほうから子供たちの声が聞こえる。笑い声や楽しそうな声ならともかく、聞いている限りだと誰かをけなしている声、悪口を言っている声しか聞こえない。寝そべりながら声が聞こえるほうを見る。
普通は何十メートルも離れている物や人を見ることは出来ない。
それも、何もつけないで。
しかし、俺は普通ではなかった。何かがあったからとかそんな理由もない。生まれたときからそうだったのだ。全てが見えていた。
一人の女子を複数の男子がいじめている
俺は、立ち上がりながらズボンに付いた草をはらった。
そして、子供たちのいるところまで跳んだ。たった一回の跳躍だが子供たちのところまで行くのには十分だった。
子供たちのところに着地すると、当たり前の反応だが全員が驚いていた。
少女を除いては
なぜ驚かないかは後回しにして、
「おい、お前ら。イジメは良くねぇことぐらいは分かるだろうが」
と、注意をしようとしたのだが、その前に少年たちはどこかに逃げていった。
「全く、最近のやつらは逃げ足だけは早ぇんだから」
「おい、だいじょ・・・」
大丈夫か、と振り返ろうとしたが、それは、少女によって中断された。
「今は振り返るでない、小童」
・・・・は?
俺は、わけが分からなくなり思わず少女のほうを見てしまった。
途端に、体が危険だと判断し少女と対面するように後ろへ下がった。
その判断に間違いはなかった。
俺が、立っていた位置に大きな穴が出来ていた。
「おいおい、マジかよ・・・。」
目の前にいる少女も俺と同じ普通ではない者だった。しかも、地面に穴を開けるほどとなると相当なものだ。だからこそ、危うい。
「今すぐ止めろ!でないと、体が壊れるぞ」
しかし、少女にはきこえていなかった。少女の周りには大きな穴がいくつもでき始めていた。
「くそっ」
ポケットから一枚の紙を取り出し、少女の元へと走った。そして、紙を少女の胸元に貼り付けた。
少女は膝から崩れ落ちそうになったのでしっかりと支えた。
「さて、どうすっかなぁ」
周りを見渡してそうつぶやいた。