第二十一話
ハヤトを見舞いにきたユウジとアカネ。
日も暮れ始めたときのこと。
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「おーい、アカネ。日も暮れてきたしそろそろ帰ろうぜ?」
「ルシアさんより先には帰れません! ルシアさんが帰ったら私も帰ります」
長きバトルに終止符を打つべく、ついにユウジが口を開いた。
しかし、アカネは一向に帰る気配がない。
帰れよ、とも言いづらいしどうしたものか。
さすがに一緒に住んでることは言わないほうがいいよな?
「あ、あの……私、今はここに住んでいるので帰りませんよ?」
「な、なんですってええええ!? どういうことよハヤト!」
と思ったらあっさりルシアが地雷を踏んだ。
あああ、なんてことを言ってしまったんだ。
それだと絶対誤解されるだろ!
「いや、違うんだ。誤解だ! いや誤解じゃないけど誤解なんだ!」
「もー、なにいってるかわからないわ! ちゃんと説明してよ!」
――もうこれはごまかしきれない。
俺はルシアが異世界人であることと、帰るまで一緒に住んでいるということを話したのだった。
「他のやつらには言うなよ? 絶対に言うなよ? 騒ぎになったら大変だからさ」
「そ、そんな話、し、信じられると思ってるわけ? 嘘ならもっとマシな嘘つきなさいよ!」
「んー、ハヤトが嘘をつくとは思えないけどなあ。確かに信じがたい話ではあるけども」
しかし、アカネは全く信じようとしない。
ユウジも半信半疑ながら俺のことを信じようとしてくれてるようだった。
「な、なあ。ルシア。なんか異世界人であることを証明できるようなものを持ってないのか?」
「え、えーっと……こ、これとかはどうでしょう?」
そういってルシアが取り出したのは、赤色に輝く綺麗な宝石だった。
宝石には詳しくないがルビーに似た感じだ。
これは異世界の宝石なのだろうか?
「これは、魔法石といって魔力が込められてる魔法道具なんです」
そういって、ルシアはその宝石を握りなにやら祈るようなポーズをとった。
すると突然、ルシアの両手が赤く光り始めた。
手を開くとそこには小さな赤い火の玉がゆらゆらとうごめいていた。
「この石にはラグールさんの火属性魔法の力が込められてるのでこうやって火の玉を作り出すことができます」
「おお!」
異世界にいってた俺もこんなものがあるなんて知らなかったので驚いてしまった。
と、次の瞬間、火の玉がルシアの手から落ちた。
「あ、間違っちゃった! 大変、早く、早く消さないと!」
「えええええ?!」
あわてて消火作業をする俺たち。
そして、なんとか大事には至らず、無事に消化できた。机は少し焦げてしまったが。
間違えちゃったじゃ済まされないぞ、全く。
「な、何よ今の……私夢でも見てるの? 手品か何かかしら……」
「うおー、魔法道具なんてカッコいいな! まるでゲームの世界って感じだな!」
一段落したあとアカネとユウジがそうつぶやいた。
アカネのほうは、まだ信じられないといった様子だ。
ユウジのほうは、何やら楽しそうにしている。
「なあ、これでわかったろ? そういうわけだから今日はもう遅いから帰……」
「わかったわ! ルシアさんがここに住んでるっていうなら、私も今日はここに泊まって看病する!」
わかってねえじゃねえか!
アカネって意外と天然なのかなあ。
「いや、もう具合も大分よくなったし、大丈夫だって!」
「ええ、でも……ま、まあハヤトがそこまで言うなら……」
なんだか悲しそうに帰り支度を始めるアカネ。
うう、そ、そんな目で見ないでくれ。
これ以上、二人の争いを見ていたくないんだ。すまん。
「ふー、やっと帰る気になったか。よーし、じゃあまた明日なハヤト!」
「お、おう。くれぐれもルシアのことは内密にな」
こうしてようやく二人は帰っていった。




