第十二話
一時間目が終わり、次の授業の準備をするハヤト。
そして眠り続けるルシアを起こすのだった。
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「おーい、ルシアー、いい加減起きろー、次は美術だから移動だぞー」
「ふぁ!?」
なんか不思議な声を発しながらルシアが起きる。
「美術、ですか。私、芸術系は苦手で……」
なんなら得意なのか、とツッコミをいれたくなるが我慢する。
あ、体育なら得意そうだな。異世界で素早い身のこなしで切りまくってたし。
「まー、見てるだけでもいいんじゃないか? ただあんまり寝てばかりだと怒られるぞ?」
「す、すみません……昨日よく眠れなかったのでつい」
あ、やっぱりそうなんだ。
枕が変わると眠れない、っていうしなー。
「ハヤトだって寝てたじゃないか、二人並んで寝るなんてほんと仲がいいんだな!」
ユウジ、お前は音楽だからこっちじゃないだろ。
いちいちついてくるな。まあ理由はなんとなくわかるが。
「あ、あのユウジ様は、その、ハ、ハヤ……ハヤトの親友なんですよね?」
「あー、そうだぞー! 高校入ってきてぼっちだったハヤトを俺がだな」
よ、余計なことをベラベラと……。
まあ、ユウジには感謝してるよ。おとなしい性格の俺なんかに話しかけてきてくれたんだからな。
「あー、もうチャイム鳴るぞユウジ。早く移動したほうがいいんじゃないか?」
「あ、しまった! ルシアちゃん、また後でな!」
あまり俺の評判を下げてもらいたくないので退いてもらう。悪く思うなよ?
はぁ、騒々しいやつだぜ全く。
「面白い人ですね、ユウジ様」
「いや、だから名前は様付じゃなくていいぞ? ユウジなんて呼び捨てでいいから」
面白い、か。
そういえばルシアの親父さんもあんな感じだし、なんとなく気が合うのかもな。
ひょっとして、ルシアはユウジのことが好きなんだろうか?
「なあ、ルシア、もしかして……」
「なんでしょうか?」
「あ、いや、なんでもない」
聞いてみたくなったが聞くのが怖い。
もしルシアがユウジのことを好きならば、たぶん両想いのはずだ。
親友として二人の恋を応援したい気持ちもある。
ユウジは俺なんかより背も高いしカッコイイし性格も良い。
ちょっとスケベだけど。
ただルシアは異世界の王女様だしいつ帰還するのかわからないのが難点だ。
「なぁ、ルシア。本当に帰る方法はわからないのか?」
「え? えっと……その…………」
何か隠してる?
いや、そんなわけないか。
嘘をつく理由なんてないもんな。
「んー、まあ帰る方法がわかってたら帰ってるよなぁ」
「あ、いや私はユウ…………」
あー、やっぱりユウジのことが気になってるみたいだ。
なんか顔を赤らめてるし、間違いないな。
「あー、言いたいことはなんとなくわかる。でもなあ……」
「…………」
遠距離恋愛ならぬ異世界恋愛だもんなあ。
俺は……俺はどうしたらいいのだろう?




