出会い
そっと、手を伸ばす
つかんだのは、夢のかけら―
何千 何万の中で
自ら選んだその夢のかけら
何度も手探り
そしてかけらをたくさん集め
最後のかけらを手に入れたとき
あなたの夢は、叶う・・・
★
今日も、今日が始まった。
なにげない1日が。
私は大矢リコ、中学2年生。
何の変哲もない普通の中学生。
最近は、ずっと
ある人に恋をしていた。
「七瀬 かいと」
友達の会話で聞くたびに
ドキッとなるし、
健康観察とかで呼ばれているのを聞くと
自然と笑ってしまう。
でも、しょせんカタオモイ・・・
七瀬は、彼女もいない。好きな人もいない。
恋愛に関しては、まったくといっていいほど
無関心な男性だった。
だから、告白なんてできるわけがない。
したところで、どうなることやら・・・
・・・でも
でも付き合えたら・・・
なんて考えが何度もよぎる。
いや、だめだって。
そして何度も自分をなだめた。
学校が終わり、
いつもどおりに支度をして教室を後にする。
冷たい北風が絶え間なく吹き続ける。
一言で言えば、寒い。それにつきる。
吐いた息も白かった。
「今日も、あまりしゃべれなかったな・・・」
そうつぶやき、反省、明日はどうしようと考えていたときだった。
ある1枚の名刺サイズのカードが
北風に乗ってやってきた。
「?」
なにげなくとってみた。
案外、簡単にキャッチすることができた。
「天使の電話番号
秘密は守ります。
私達は、クッキーというご褒美をくれるのならば、
1枚につき3回、願いをかなえます。
人間界での修行を積み重ね、栄養を蓄えねばなりません。
私達と手を組んで、一緒に願いをかなえませんか?
電話はこちら
000-0145-3659-2597-2151-7486」
天使の電話番号?
天使なんているわけないじゃん。
大体、叶えるっていったってどうやって?
わっかの蛍光灯みたいなのが頭についていて
羽のある天使がくるわけ?
バッカみたい。
おもしろいじゃん。
かけてみようじゃないか。
「ピッ、ピッ」
「プルルルル―」
「おかけになった電話番号は、現在使われておりません」
ほらきた。
天使に掛かったら大事だよね。
世界中の人が電話かけるもの。
そうこうしているうちに
いつの間にか家についていた。
明かりはついてない。
きっと、まだ母は仕事から帰ってきていないのだろう。
かばんから鍵を取り出す。
そのときだった。
「呼び出し、ありがとうございます」
その声に驚き、後ろを振り向くと
キレイな青い瞳と、金髪の髪の毛をポニーテールで縛り、
白いワンピースを着て羽がついているかわいらしい女の子がたっていた・・・
そして、天使のわっかが浮かんでいた・・・
「誰?」
すると女の子は
一呼吸おいていった。
「呼び出し、ありがとうございます。
私は、天使2067号でございます」
・・・まさか。
第2章へ続く