2:実力と無茶振り
おれは、あの男の人に奴隷にされて、奴隷だけが入れられる牢獄に連れて行かれた。
そこには、おれよりも先に卒業した子達もいた。
しかし、おれは大勢の人が入れられている牢屋には入れられず、奥にある部屋に連れてこられた。
その部屋はトイレを除いてベッド一つ分くらいの広さだった。
おれはその部屋に入れられた。
ついでに、首に魔法封じの首輪まで付けられた。
部屋にはトイレと布とも言えぬようなものが一枚引かれているだけだ。
男に明日に備えて寝ろと言われたが、明日は何があるのだろうか。
おれは仕方なく硬く冷たい床に横になり浅い眠りについた。
バン!!
突然、部屋のドアが勢いよく開かれた。
「起きろ!」
男が入ってきた。
窓がないため、今がどのくらいの時間なのかわからない。
それに加えて、硬く冷たい床で寝たせいか、疲労がまだ残っている。
「出ろ。ちなみに、ここから逃げようとする意思が生まれたら、胸に刻まれた奴隷紋が反応し、何本もの刃物で刺されたかのような痛みが襲いかかるからな。」
おれはこのことを知っている。
なぜなら、施設で習ったからだ。
だからこそ、逃げようとしなかった。抵抗しなかった。
男についていくと、とても広い部屋にやってきた。
その部屋の入り口に木剣や木の盾などが置いてある。訓練場だろうか。
「さて、これからお前の実力をはかる。そこにある武器の中から自分が一番使えるものを選べ」
男は武器が置いてあるところを指差した。
そこには、暗殺具が大量に置いてあった。しかし、全て木製だ。
少しばかり心に余裕が生まれる。
おれは一番上手に使える短剣を手に取った。
「ほう、短剣か。これは少し期待ができるかもな」
期待。多分、ここが暗殺ギルドだから長剣よりも短剣を使うというのはポイントが高いのだろう。
暗殺といえば、潜入などの依頼もあるのだろう。ならば、長剣は邪魔になるだけだ。
「構えろ」
男はおれと同じ短剣を手に取り、構えた。
その男の構えと共に殺気が放たれた。
おれは本能で構えないと殺されると思った。
空気が殺気によって震えてるような感覚だ。
施設で殺気に耐えるなどの授業は受けたが、これほどまでに強い殺気は知らない。
「防げよ」
その瞬間、男はおれの視界から消えた。
だが、膨大な殺気でどこにいるかくらいはわかった。
おれは全力で後ろを振り向き、短剣を横に振った。
「反応速度はいい感じだな。これなら、もう少し鍛えればCくらいにはなれるか」
全力で短剣をふったのに、軽々しく避けられた。
これだけでもわかる。おれはこの男に傷一つもつけられない。
すると、男は手を顎に当てて、考え始めた。
「よし。お前はこれから一年、俺がいうことをこなせ。期間も決める。もし、期間内にできなかったら罰を与える」
男はおれを睨みながら言った。
背筋が凍った。怖い。
体が震える。
「俺は暗殺者ギルドのギルドマスター、ブリーク。ルディン、お前の主人だ。心に刻み込め」
その後、再び部屋に戻された。




