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憑いてくるそうです。

 黒煙が晴れると緑が広がる草原の中にいた。異世界って感じは全くしない。でも、可笑しな点が一つだけある。それは空の模様が大分怪しい雰囲気になっていることだ。例えるなら、魔王でも召喚されそうな……って思っていると、背後から感じことがある気配、いやむしろ先まで感じていた気配がいるような気がした。


 この感じ……まさか、あのライトノベルもわからなかったクソ悪魔じゃないよな……頼むから違ってくれ~~~!と思いながら振り向くと、前方との景色と何ら変わらない怪しい雲と草原だった。僕は安心して安堵のため息をついた。


「お主何故後ろを向くんじゃ?ここの光景は前も後ろも同じだというのに可笑しい奴じゃな!」


 声がした方を見る。誰だろうか、立っているのは僕が知っているサタンでは無く、可憐な少女だった。髪はダイヤモンドのような透明感と輝を放ち、顔立ちは可憐で男という男を魅了しそうな少女だった。とにかく可憐な美少女が立っているじゃないか!!!!!!


 少女は漆黒のドレスをまとっている。まるで仮想しているようだ。今日はハロウィンだろうか、この少女に菓子でもあげようかって言ってしまいそうだ、あ、でもトリックオアトリートって言われてないからあげちゃダメか……っていうかそもそもお菓子を持ってきていないし、いやいや、根本的に違うだろうが!!!!!!


 僕は目の前にいる少女に魅了されておかしくなっていたので一回両頬叩いた。


「お主、何故自分のことを叩いている?叩いてほしいなら我が叩こう」


 こんな少女に叩いてもらうなんてご褒美じゃないか!ぜひお願いしてもらおう!


「ぜひお願いします!」


 僕は鼻息荒くしながら、女児の可愛らしいビンタが来るのを期待して頬を突き出した。


「よし!じゃあ行くぞ!」


 そう言うと思いっきり手を後ろに引いた。


 その瞬間、彼女の引いた指先から突風が放たれ、衝撃音ともに地面、空、が真っ二つになっていた。僕はその光景を目の前にして尻餅をついた。


 あ、あぶねー、今、尻餅していなかったら間違いなく死んでいたと思う。異世界生活開始10秒で死ぬところだった。危ない危ない。え?相手は女児だよね?ここの少女はビンタで世界粉々にできる力を持っているの?いやいや、そんな世界だったら俺は今すぐに2分前にいた世界に返せてもらいたい。でもきっとあの女児だけがヤバいだけだよね?でも、それにしても、あんなに凄まじいものだとは思っていなかったな……


 だってさ、手を引いただけだよ………引いただけで大地と空を真っ二つにするって……チート過ぎるでしょ……


「何やっとるんじゃ!ちゃんと受け止めないとダメじゃろうが、お主がよけてしまったせいで、大陸が粉々になっとるじゃないか!せっかく我がお主のために叩いていやろうって思っていたのに何故避ける?受け止めてくれればこうはならなかったというのに」と女児が言った瞬間に先ほどのとは比べ物にならない衝撃音が聞こえた。核ミサイルでも落ちたかのような音に僕の鼓膜は無事に死にました.


 少女のビンタの影響で5キロ以降の大地が粉々になり、あの怪しい雲は無くなった。僕は誓った。今後この女児に関わることがあるならば怒らせないようにしようと。さもなければ、勇者になるどころかこの異世界が滅びてしまうだろう……そして、僕も確実に死ぬだろう。


「あ、あのお聞きしたいことがあるのですがよろしいでしょうか?」


 僕はこれもかというほどに頭を下げて、質問した。


「うむ!お主も遂に我の偉大さが分かったか!いい心がけじゃ!で、質問とはなんじゃ?」

「この世界には貴方様のような偉大な力を持つお方は他にはいらっしゃるのでしょうか?」

「わっはっは!面白いことを言うな!お主は!この世界には我以上に強い者はおらぬ。何故なら我は悪魔界の王、つまり魔王だからな!」


 ん?悪魔界の王?なんか聞いたことあるセリフなんですけど、違うよね、違うって言ってくれ~!サタンでは無いよね?あのクソ悪魔ではないよね?


「あの~、もしかしてですけど、お名前ってサタンとかいう名前じゃないですよね……」

「ん?サタンだが?というかお主我のこと呼び捨てにしてないか?」


「気のせいです!気のせいです!そんなサタン様のことを呼び捨てなんかにする訳ないじゃないですか!」


 僕は冷や汗を垂らしながら笑顔で否定した。多分僕は異世界に転移されて最速で世界を危機に晒した男だと思う……母さん、父さん僕もそちらに行くよ…………まぁ、両親は健在なんだけどね。って一人で死ぬ覚悟をしていた。


「そうじゃろうな!我を呼び捨てにしておったら、この世界、いやこの宇宙全域を破壊しておったじゃろうな!」


 え…………この方は宇宙も破壊できるの?噓でしょ……多分噓だよな……いくら強くても宇宙は壊せないよな!うん、噓だよ、きっと噓!とにかくこのクソ悪魔とはかかわらなければいいんだよな!


「あ、そうそう我はお主に憑いてくことにした」


 え……今なんて?つまり、僕がこの世界の運命を委ねられているってこと?そんなの噓だ!!!!!!!


 あ、やめて史上最強の悪魔を憑かせたら、赤城勇人の精神がもたないわ!お願い赤城死なないで!!貴方が死んでしまったら、この史上最強の悪魔が世に放たれてしまう。ここで貴方が犠牲になれば世界がたすかるんだから、


 次回、赤城勇人死す。デュエルスタンバイ!!!!!!!


っていうのが脳内で流れたけど何か問題でも?

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