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004

 この神父言い方最悪だな! あと、目めっちゃ綺麗だなっ! キラッキラじゃん!


「ヒャッ……」


 少女漫画にありげな眩しい大きい瞳で神父がギロリと俺を睨みつけてきた。ギロッとすんごい目つきで睨まれてるんだけど。えぇえ……この世界怖い。やっぱりどう考えても神父じゃなくて傭兵なんですけど。兵士なんですけど。歴戦の戦士、略して歴戦士なんですけど。


「えっと、すみません……」

「さあ勇者よ、最寄りの教会まで届けてしんぜよう。どっこいしょ」

「無視かよっ!」


 勇者かもしれない奴を二本の指で軽々しく持ち上げる。まるで汚物でも触るかのようなその姿。俺は後ろに一歩引こうとしたけど後ろが扉なので巨体が勇者を掴むまでの間びくびく震えていた。


 勇者っぽいのを肩に載せて、神父はポケットから何かを取り出した。

 え、あれ、そういえばさっき勇者って言ってなかったっけ。


「野郎! やっぱり勇者かよ!」


「えっと、あれ、どこにしまったっけな……」


 あ、俺のことは空気扱いなんですね神父さん。


「おお、あったあった」


 何をしてるんだろう? 背中をこちらに向けているせいで何を取り出したのか見えない。肩幅広すぎだろ。


「うわ、最寄りの教会遠すぎ……めんどくさ……」


 ポイッと紙を捨てて頭をかく神父さん。

 ひらひらと、足元に落ちたそれは、神父がポイ捨てしたそれは……世界地図だった。


 世界の地図⁉ え、あ、えっと、世界の地図ってまだ誰も測量してないんですけど何これ本物なの?


「この勇者どういう道通って来たんだよ……くそかよ。縛りプレイとか期待してねえんだよ」


 神父さんは鬱陶しそうに呟くと勇者のポケットを漁って何かを探していた。


「あの、すいません。神父さん?」

「こいつの地図は何処だ……」

「すいませーん!」

「あぁん?」


 ギラリと光るほどに鋭い目つき!

 うわっ、怖っ! 怖いよ! 目つきで人殺せる人って実在するのかよっ!


「喋ってごめんなさい息してごめんなさい助けてくださいほんとなんでもしますから……」


 俺は恐怖に屈し、気が付けば土下座まで姿勢が崩れていた。いや、ほんとは勝てる気もするんだけど、分が悪いというか、相手神父だから殴れないし。そう、俺は平和主義者だ!


「くっそ、モブがうぜえ……えっと、地図地図……」

「ええぇぇええっ! 今モブって言ったよね! 絶対言ったよね!?」


 姿勢を保ったまま俺は頭を上げて神父に聞いてみた!


「ああ? お前もモブならモブらしく振舞っとけ。勇者に付いて行こうなんて考えは捨てるこったなあ。お、あったあった」


 モブならモブらしく振る舞えってどういうこと⁉ てか、考え読まれてるぅう!


「うわあ、こいつ村に寄ってねえじゃねえか。何こいつ、やっぱり縛りプレイでもしてたのか。何、最近の勇者の流行り? 面倒くせえなあ。だから娘も暇してるわけだ」

「娘さんがいらっしゃるんですか?」


 ピカッと一瞬神父の目が光った。ちょっとだけ睨む目が優しくなったぞ。


「あ? ああ。まだ若いんだがな。俺も任せてもいいと思える程には成長しているんでな。今後の活躍にも期待できる」

「優秀な娘さんなんですね」

「えへ、えへへ、そうだろ? あはは、あはははは! がっはっは!」


 あ、褒めたら超良い笑顔になって照れた。笑わない人が笑うとなぜか和む。でも怖い!


「お前もそう思うか? だろうな、そうだろうな。お前、モブなのに良い目を持っているじゃねえか。どうだ? 俺の所で働かないか?」


 キタ! 宿屋の息子から一気に格上げコース! 神父までなれるとかまじありがてぇ!

 少し咳込みをしてから、ダンディな声色でその申し出を受ける。


「教会で働けるなんて、なんて幸せ者なんだ俺は……」


 俺の綺麗な土下座が炸裂した。


「え? 教会? 違う違う」


 神父が何故か否定している。しかも「何言ってんだこいつ」みたいな冷たい顔やめて……心が折れるから……。


「教会以外に何が……?」

「魔王城の清掃員だけど?」


 バカを見るような目で神父がこちらを見る。いやいや、俺別におかしいこと言ってなかったよ。むしろ、神父の服を着たあんたが「魔王城の清掃員」って発言をすることに俺は違和感しかねえ!


 ま、まあ宿屋とは違う仕事くれるなら全然いいのかな。魔王城だろうとどこへだろうとここから離れられるなら……いやでも、さすがに魔王城はダメだろ。就職先「魔王城の清掃員やってるんだーてへへ」とか村の知り合いに言えないわ! 思えば知り合い居なかったわ! んじゃ良いのか⁉ いやダメでしょ!


 土下座の姿勢は崩さず聞いてみよう。


「あの、失礼ですが、娘さんはおいくつでお名前h――」

「プライバシーの侵害すんじゃねえゴラァ!」


 黒いオーラを纏い、そのせいか悪魔の翼のようなものが背中からバサァッと広がった神父さん! 神父さん⁉


「ヒヤァアア! ごめんなさいごめんなさいごめんなさいっ!」


 神父の身長が190cmはありそうなのに、それよりも高い位置まで翼が! 翼が生えてるぅぅううう!


 なっ、勇者がぁっ! 勇者がぁあああ!

 勇者が翼が広がった勢いで翼の端に乗ってる! 勇者宙吊りじゃんっ! お腹苦しくなる姿勢だよあれ!

応援して頂けるとすごく嬉しいです(*_ _)

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