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動く悪役令嬢


 やる気が出たミェースチは有力な騎士を城の大広間に呼びつける。名のある騎士が全員と薔薇騎士団の常勤務者以外を集める。そして……皆は不安な顔を浮かべた。


 その中で……満面の笑みのミェースチは大いにはしゃぎ。宣言する。


「今から王国へ行くわよ‼」


 その宣言に全員がミェースチの隣にいるウリエルを見たが……ウリエルは首を振り。全員が絶望する。


「女王陛下!? 今真冬ですよ!!」


「行軍は危険です!!」


「そうです!! 春先まで待ちましょう!!」


 各々、女王に批判を向ける。もちろんミェースチは笑顔で対応する。


「何人死ぬでしょうね」


「……ウリエル様」


「すまない皆。説得は無理だ……僕は母上と取引したんです。申し訳ない。母上側です」


「私もよ」


「知ってます。1番隊長。ウリエル様が……懐柔されていたのか……」


「これはもうダメかもわかんね」


 ボロスが同じように言うが……皆はウリエルだけを見る。ウリエルは何度も何度もダメだと目で訴えた。


「……中々、首を縦にふらないね。調査書を皆に配って」


 ミェースチがメイドに命令をし、調査書を配らせる。それを見た騎士たちが話をし出し……数分後。ウリエルが叫ぶ。


「レイチェル姫が人質扱いされ!! 我らを倒そうとする。そこで……レイチェル姫を返す動きを行いながら。撹乱を目指す」


「撹乱とは?」


 騎士の一人の質問にミェースチは答える。そして……それはまた奇策であり。皆が頭を抱える中でミェースチの笑い声だけが響くのだった。





 レイチェルは城の廊下、窓を明け冬空を見つめていた。


「レイチェル……ここで何をしているのですか? 寒いでしょう」


 城の大広間に集まった騎士から抜けたラファエルは自分のマントをレイチェルにかける。


「ラファエル様こそ、いいんですか?」


「内容は理解した……大丈夫だ。それよりもレイチェル」


「はい?」


「その手は大丈夫なのですか?」


「大丈夫。痛いですが。私、弱いですから……」


 レイチェルは特訓で体のあちこちに傷を作っている。レイチェルにラファエルは頭を撫でた。


「レイチェル。何処か食べに行きましょう」


「ラファエル様?」


「長旅になります。先に沢山食べておきましょう」


「……はい。ラファエル様は優しいですね」


「妻には優しくするものでしょう?」


「それが出来るだけ……やっぱり大人なんですね」


「……いえ。優しくすると。抱けるじゃないですか?」


「ごめんなさい。すごくいい感じで良かったのに……なんで台無しにしますか?」


「なぜかそういう真面目な空気が似合わないと思います」


「……ラファエル様。本当に変わり者ですね」


 レイチェルはクスクスと笑いながら。シャルティエの手紙を千切り窓の外へ投げる。


「手紙ですか?」


「母からです」


「母から?」


「はい。父が死ねと言っていると書かれてました。私は……何のために生まれたんでしょうかと思ってしまいます」


「私の妻でしょう? 他になにか? 理由なんか後で沢山作りましょう」


「………ああもう!! ラファエル様!!」


 レイチェルはラファエルの胸に飛び込み、頬を擦り寄せる。


「好きです……好き好き!!」


 ラファエルはその子供っぽい好意の向け方に静かに唇で答えるのだった。





「ラファエルお兄様大胆」


「ガブ姉さん……盗み見は……」


「いいの。私たちだって見られてたでしょ?」


「そうだけど……」


「案外、ラファエルお兄様はああやって縛るといいのかもしれないね」


「………まぁああやって決めてしまうと。しっかりと王子らしいね」


 ガブリエルとミカエルはそのまま二人を監視し、観察し、ミェースチに報告するのだった。完全に王国の姫を奪ったと言うことを。










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