情報の錯綜
「それは真実か?」
王国の王、クレートは報告を会議室で貴族たちと聞いていた。内容は恐ろしい物であり。予想よりも悪い状況に陥った事を知る。
「はい、報告は以上ですが……連日。工作員からの情報や帝国の旅行者等も噂が広まっています。他国からの密書内容も真実を求む要求の物です」
冬、冒険には辛い時期だが……完全に情報が来ないことはない。熟練の冒険者によって売買される情報は非常に有用な物も多いが……
「娘と奴の息子が婚約だと……それも娘は刃を突き立てたと言う。あの狂犬。いったい何を考えている」
クレートや貴族たちは身震いする。何を考えているかわからず。使者に問う。
「情報の出所は? 帝国の冒険者以外には?」
「私らの工作員もです。宣言されたと……なお……使用人は処刑されていると聞いています」
クレートは溜め息を吐き。貴族たちを見やる。騎士団長も鼻で笑い。貴族たちは呆れて愚痴を溢す。
「使えぬ娘だったか。王子の継承のみとするには邪魔だな」
「そうですね。一応、我々は婚姻を拒否としましょう。姫様を返せと一応言っておきます」
「世論のためだな。任せる。ヴァルハルート」
「はい。現状正当理由を作るのは難しくありませんが……姫が死ぬが一番効果的だったのですがね」
「……王。いい方法がございます」
「なんだ申してみよ」
一人の若い騎士が立ち案を述べる。
「人質と言うことにしておけばよろしいでしょう。奪還のためなら世論も動きます」
「……うむ。そうだな。そうしよう……そして我々は人質を恐れず悪を滅ぼすとしよう」
クレートはそう言い。これからの事を議論する。娘の事は一切気にせずにただただ軍の話を進めたのだった。
*
「娘が生きていると?」
「はい、女王さま」
「………よかった」
寝室でシャルティエは騎士から報告を受け胸を撫で下ろす。最近、個人で騎士を雇い情報を集めさせていた。そこで……悲しい事実もある。
娘のレイチェルは貴族から嫌われていた。
理由は単純。シャルティエのせいである。下級貴族が王の寵愛を受けた子であり。中上流の貴族から忌まわれ……逆に側室の上流貴族の王子は男でもあり、立派な名家の血があると評価され。その母上も社交界では有名な令嬢であり……悲しいことに人気が高い。
シャルティエは外に出ず、隠れているような存在に対して。その母上は目に見えるため。評価がいいのであり、王子も母の威光で輝かしい運命を享受している。
「今まで……何もしなかった結果……娘にも影響するのですね」
「いえ!! 女王は悪くございません……すべてはあの悪役のせいでございます」
「………上流中流貴族は私が悪役と見てるわきっと……そう。妬み……ね」
シャルティエは悲しい気持ちと共に、一つ決断する。王との決別と腹を痛めた子だけでもと考えるのだ。そう……何処かの悪役令嬢を思い出しながら。
「この結果はきっと息子に当てた手紙の結果。ミェースチお姉さまは息子愛を持っているためにきっと思い留まってくれた。賭けに勝ちました。それ以上に……婚約まで……これはレイチェルにとって新しい後学になることでしょう」
「女王様……」
「ありがとう。下がっていいわ……そして……これからもお願いします。手紙もお願いします」
「はい……」
騎士が下がり自室に残されたシャルティエは一つ騎士から頂いた手紙を取り出す。
愛らしい子供の書いたような手紙だが……そこには楽しい事件をいっぱい書かいてあった。絵もついており……ダンゴムシや婚約者の青い髪の王子の肖像画やミェースチの家族の絵も封入されていた。
「あの子……楽しそうね」
ミェースチの手に入れた家族の絵を見ながら……シャルティエは暖かそうな家族を羨ましがるのだった。
*
冬が終わる目前、騎士団長室で仕事をするミェースチの元に手紙が届く。宛名はシャルティエ。ミェースチは怪訝な顔をしそれを開けるとお礼の内容が書かれた物だった。そして……王国の内情調査書と言う売国の情報にミェースチは笑みを浮かべる。
「これを使い殺しに来いってことね」
そう言い、調査書を持って……ウリエルの元へ行こうとし。思い直してボロスの方へ向かう。
「冬の間に向かいましょうかね?」
ミェースチは相手がレイチェル姫を人質と言うのが分かり……先に手を打つために動くのだった。
「……さぁ何人生き残るかしらね……ふふふ!! はははははは!!」
高く笑い。騎士団員は騎士団長室から邪悪な笑い声に恐怖するのだった。
「ボロス……母上の部屋から笑い声がしますね」
「思いつき……あったんですね……」
「ボロス……死ぬときは一緒です」
「う、ウリエル。やめて弱音を吐かないで……心がおれる。おれるから」
彼女が動くと平和では終わらない。




