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憎き美しくか弱い聖女のような令嬢の情報


「ママ~なーに読んでるのー」


「敵情視察。王国の動向をね」


「ママ~あそぼー」


「ミカエル。ママはお仕事中……ああもう。膝に乗って……」


「へへ」


 可愛い。マジで父親と似てもにつかないぐらいに可愛い。甘く、時に厳しく接してるが……これは気をひきしめないといけない。


「にしても……やっぱり王子と結婚したのね。ふーん」


 私は名前を捨てた。復讐者と言うミェースチと名乗り完全に昔の家と決別した。まぁ向こうでもメアリーは死亡扱いだろうけど。


「……結婚し。ゆくゆくは王女ね。はぁ……よし!! ミカエル退きなさい。お父様に殴り込みに行くわ」


「えっええ……うぐ……」


 離れるとウリエルはすぐにぐずってしまう。


「大丈夫。すぐに帰ってくるわよ」


「うっうっ……ええええええええん!!」


「……一緒に行く?」


「ひっぐ……うん」


 私はいいのだろうかと思うが……まぁ。いいのだろう。そこまでロイドは気のしない人だろうから。





「なんだ……会議の前に。ミェースチ」


 俺は愛人の一人……まぁ今では全員自由にさせたので最後の愛人であるミェースチが何か深刻な顔で廊下を走ってきた。非常に健脚なのは鍛えているからだろう。


「あなた。これを……」

「ふむ。諸外国の情報がどうした? 会議の議題だ」

「そこでよ……王国のあいつ」

「あいつ……ああ、お前の苛めてた。シャルティア・グローライトか。結婚したな……」

「そうです!! だから!! 陛下!! 負けたくない!! 結婚してくだだい!!」

「……………………………」

「くやぢい……先越されるのも結婚してるのも!!」


 後ろに殺した女の息子がオロオロと様子を伺っていた。


「そうか、そうか………そうか………」


 嬉しい申し出だ。俺から言わずにいたのはプライドがあったためだ。一つ気になるのは…… 嫉妬心からの申し出だ。


 まぁ、そんな小さな物で断ることもない。


「会議の最後にでも言おう。ミェースチ・バルバロッサ。これで満足か?」


「孕ませるが残ってます。アイツより早く産んでやる」


「………くくく。全く。遠い遠い国の姫にそこまで嫉妬深くなれるなぞ驚く」


「女なら普通ですわ。その恨みは……一度抉られたプライドはその女に復讐するまで癒えません。負けたくない……負けたくないわ」


 歪んでいる。だが……それがわかるのも俺と似ているからだろう。俺も歪んでいる。


「ミェースチ……対抗心も少しは落ち着かせるべきだ」


「愛してます皇帝。だけど……それを失うと生きる希望が途端に薄くなる。陛下もわかりませんか?」

「………」


 わかってたまるか。


「まぁいい。欲深く土地を欲するのと一緒だろう。まぁ……好きにしろ」


「ありがとう。あなた」


「ああ………すでに。呼び方がそうであったな」


 俺は会議に向かう。そこで宣言しよう。奴を妻に迎えることを………荒れるだろうな。







「グローライト王子……結婚の祝いで帝国から使者が来るようです」


「どうしました? 深刻そうな顔を……」


「王子。祝いの使者の名前はミェースチ様です」

「ミェースチ……スゴい名前だね」


「はい。それが……どうやら。メアリー・ヴァイン様らしいとの噂がございます」


「彼女は病死と聞いていたが!!」


「……ヴァイン家に詰問しました。国外追放し、音沙汰がなかった故に秘密のうらで死亡したとしていたようです。あの皇帝に売り飛ばして……結果。どうやら生き延びたと」


「………国内に入れるな。やつを知っているだろう。どれだけ酷く苛めていたか」


「はい。しかし……情報によりますとミェースチ・バルバロッサと名乗っております」


「バルバロッサ!? 皇帝の妻なのか!?」


「昨日……発表があり。あの残虐王が唯一無二の正妻にしたと。国賓なため……無下に出来ず。今はまだ国境が面しておりませんが……関係悪化があるでしょう」


「……………何処まで目障りなんだ……」


「はい……恐ろしい令嬢です。悪運が強い……悪魔のような令嬢です」




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