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姫の初めての頭痛


「うっうっ……うっぐ……おえ」


「辛いでしょうが……頑張ってください」


 早朝、ラファエルはレイチェル姫の背中を擦りながら……二日酔いを癒していた。はじめての経験か嗚咽し、泣きながら吐瀉物を生み出す王国の姫に対し。こんな姿を王国民には見せられないなと思いながら……介抱する。


「ひっぐ……気持ち悪い……皆さん……どうして元気なんですかぁ~」


 皆は元気よく仕事に出掛ける。薬や魔法で強引に動かしているのだ。


「無理矢理です。まぁ……自分も薬と魔法で強引に抑えています」


「おええええええ」


「……」


 レイチェルを護る騎士ラファエルはしんどそうなレイチェル姫を担ぎ。布で口をふきソファに横にした。水と薬を置き、ラファエルはレイチェル姫の頭を膝に乗せる。


「あう……ラファエル様優しい……です」


「一夜を共にしたのです。呼び捨てて構いません。レイチェル」


「はい。ラファエル……あなたが実兄であったならどれだけ王国で幸せだったんでしょうか?」


「そんな事ないでしょう。兄弟で苦労するのもあります。付き合えませんからね……」


「………ウリエル様と?」


「そうです。あれが姉であれば良かったのですが」


「大好きですね……」


「尊敬してますから……」


「…………もし。私がこのまま王国に帰るとどうなるの?」


「わかりません。殺されるのかもしれないですし、まぁいい事はないでしょう。立場が利用しやすい。しかしそれも春までなのでよく考えられて行動してください」


「……その……居心地が……いいです……何も縛られず。何も考えず……」


「そうですか。まぁあまり身分とかないですからねここは」


「……なら……その。独楽の大会とか出てもいいのでしょうか?」


「残念ながら。すでに募集は終わっております」


「……そうですか」


 レイチェル姫は目を閉じ少し残念がる。それにラファエルはふと……提案をする。


「変わりに出ますか?」


「えっ?」


「……実は中々の手練れだと思っております。変わりにどうですか?」


「出れるのですか?」


「傭兵として。実は……この優勝賞金が莫大なんです。それも……騎士団の予算に入れたいほどに。参加費が高いこと、そのあまりの巨額に色んな事が起きたのです。騎士団員参加者がそれを手にし騎士団の特別予算を入れるだけで動きがよくなるのです」


「えっと……話がわからないです」


「簡単にいいます。1位のみ賞金が出ます。しかし、金持ちは賞金より順位を気にする。しかし、騎士団はお金を気にする。結果……騎士団が賞金半々の代理傭兵を使い勝ちに行くことも多々ありました。1位になれば予算の優遇もあるそうですね……裏で」


「……遊びですよね?」


「遊びですよ。だけど戦争です。私も優勝すれば全部騎士団の予算行きです。なお薔薇騎士団が傭兵なしの3連覇中です。ウリエル、ボロス等。個人で参加h費を払い出ても……強くて。魔法騎士団は……負け続けてます。どうですか? 出るだけなら……どうにかしましょう。権力で」


「……権力で……そんな……迷惑ばかりかけて……」


「王国の姫に恩を売るのは後々に生きると思いますがね……まぁそれよりも出るだけなら大丈夫です。出たいでしょう?」


「………出たい」


 ラファエルはその言葉に対し、頭を撫でて答えるのだった。


 しかし……これが……ラファエルの首を締める結果に結び付くとはラファエルも思っていなかったのだった。




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