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王国の姫の意趣返し


 シャルティエは学園の廊下を歩き、学園での娘の長期休みの申請で立ち寄る。心踊らず懐かしき学び屋に足を踏み入れた。そんな中で廊下を歩き中庭を見ると歩が止まってしまう。騎士の護衛も一緒に止まりシャルティエの目線を追った。


 中庭では……複数の令嬢と一人の令嬢が喧嘩をしていた。しかし……一人の令嬢は全く引かず。胸を張っている。声を聞いてみると……


「あなた!! 私の婚約者に色目使ったでしょ!!」


「使ってないわ!! 婚約者から来てるの!! 怒るのはお門違いですわ」


 堂々と喧嘩をし……シャルティエは止めに入ろうかと考え。動こうとするとシャルティエを騎士が止めに入る。


「シャルティエさま。私めが行きます」


 そう言い。騎士が止め入ろうとしたとき。一人の令嬢が度胸を持った笑みを溢す。


「ミェースチ女王のように群れずに一人で言い合えないの? 複数人で護って貰えないと何も出来ないの?」


「そ、その名!? あなた!! 王国でその名前は禁句よ!!」


「禁句? 父上、母上……婚約者は皆コッソリと言ってるわよ。ああになれと」


「私も言われるけど。だ、ダメよ。殺されるわ……」


「……はぁ。そうね。ねぇ……嫌なら復讐鬼のお話でもしない?」


「そうね……復讐鬼になられると嫌ね。騎士さまにも見つかったし……お開きよ」


 令嬢達がその名で冷静になり。何事もなかったかのように去っていく。落ち着き、婚約者を〆に行こうと言い合っているの聞きながら今の令嬢たちは逞しいと思う。騎士も戻って来た瞬間は苦笑いをしていた。


「……何事もありませんでしたね」


 シャルティエは手を胸にやり……


「え、ええ……」


 騎士の言葉に答えた。ミェースチの名前に心臓の鼓動が早くなる。


「全く……ミェースチなど。尊敬できる部分はないのにな……そうでしょう女王陛下」


「……そうですね」


 シャルティエは……ぎゅっと拳を握る。そして……心で思う。尊敬できる部分は多いと、羨ましいと思うのだ。聞こえる噂はいつだってきれいに聞こえるから。


「そっか………」


 シャルティエは一つだけ……噂を思い出す。もしかしたら。メイチェルを救う事が出来るのではないかと。





「ふふ。レイチェル姫」


「なによ? なにか?」


「いえ。帝国は楽しみですね」


「そうね……」


 舗装されていない路地を馬車に乗りながら進む中で寒さ対策に着込んだレイチェルは外を見る。これから向かう帝国は冬はすごく冷える場所と聞いており。身構える。王国の商人は素晴らしい場所と言い。王国の貴族は無法者の巣窟と蛮族たちと罵る。


 レイチェルは貴族から悪評しか聞いた居なかったため。そんな蛮族。未開地を想像しげんなりする。


 王国の方が住みやすいのは決まっている。そう、レイチェルは決めつけた。


「楽しくないわよきっと……ただただ復讐に燃えるだけ。母上を後宮に押し込み。母上を見下すあの女にね」


「そうですね。姫様。ですが……最後の時ぐらいは笑って居ましょう」


 使用人兼護衛の騎士がニコニコとし。姫を見つめる。レイチェルはそれを見ながら……胸を当て……落ち着かせようとする。


 死に行くような事を知っている。だが……愛する母のため。愚かに無知な姫様は見下す帝国に政略の道具にされるのだった。





 ウリエルが個室の鍵をかける。そして……重々しい声で用件を伝えた。


「緊急家族会議です。シャルティエ女王の娘であるメイチェル・グローライト姫が来るそうです」


「「「来てしまったか……」」」


 ミカエル、ガブリエル、ラファエルが頭を振る。最悪の結末しか思い付かないためだ。ミカエルがボソッと言い。全員がそれを思い浮かべた。


「絶対に処刑されるよね。俺は……剣で断頭されると思ってしまった」


「ミカエル。私はね……毒でゆっくり悶えて殺されると思ったわ」


「ウリエル……君は? 私は首を絞められてだ」


「ラファエル……先ず。消毒と名目で釜茹でを行い。大火傷の後に回復術士の治療後に拷問室で回復と拷問を繰り返し。意識が薄くなる前に女性として慰め物とされ。最後は四肢切断。その四肢を王国に逐次送り。最後は生きたまま送り返すのではと思ってます。ここまでやるでしょう」


「いや!? ウリエル!! 君はどれだけ残酷なのを想像したんだ!!」


「一番、嫌なものを全て想像したんですよ。ラファエル。わかりますか?」


「わかってたまるか!! 流石に引いたぞ」


「わかっているんです。恐ろしいことだと。昔に母上が喜ぶだろう事を考えてたんです。安心してください。罪を犯さなければ大丈夫です」


「ウリエルお兄様……罪を犯せばそれなんですね……」


「罪人の中の一人に行い。恐怖を植え付けて罪を犯さないようにする見せしめであれば……行うかもしれません」


 ウリエルが大真面目に歪んだ事を言い出し。3人はひきつった。


「まぁそんなことはいいのです。問題はシャルティエ女王の娘です」


「ウリエル!! 可愛いんかな?」


「ラファエル手を出さない」


「わかった。ウリエル兄さん。嫉妬は醜い、いでででで!?」


「骨を折れる音が聞きたいかい?」


「大丈夫!! 大丈夫!! ぎゃあああああああ!!」


「ミカエル。メイチェル姫様はそこそこ可愛いよね?」


「ガブ姉さん。可愛いと思う。まだ幼いけども母親譲りで大人しそうなんだけど。性格はちょっとあれかも」


「わかった。母上に始末してもらおう」


「ガブ姉さん!? 可愛いと言っただけだよ!? 嫉妬の沸点低くない!? お湯にならない水だよそれ!?」


「………よし。3人真面目に考えような。しかし……また母上は城に引きこもった事を考えるに何かあるだろう。それよりも私宛に密書も来ている。これもどうするかを考えないといけない」


 ウリエルが手紙を見せる。差出人は………


「「「シャルティエ女王!?」」」


「内容は娘を死なせないで欲しいとのお願いだ。もちろん偽物かと考えたが本物の王国印であり。驚く事に………王を裏切っての密書だ」


「……裏切っての密書? ウリエル……王国の狙いは……やっぱり」


「ああ。ラファエル……王国の準備が整ったようだ。母上が全く予想外な事をしたが。それの予想通りの事をしようとしている。開戦正当化を」


「かわいそうに…………ミカエルと同じ歳で政略の道具に」


「ガブ姉。俺たちも王国おいてけぼりあったよね。あれも政略だよね」


「だから。同情するの親の玩具で……ウリエルみたいな」


「ガブリエル。親の玩具ではありません」


「喜んで親の玩具になってる気がしたんだけど? ウリエルお兄様?」


「喜んでおりません。ラファエルのあの演説の犠牲者です」


「…………ウリエル。忘れてくれ」


「あれは……俺も拷問だった。ガブ姉もだよね」


「そうね……ミカエル。忘れましょう。耳が溶けるわ」


 話がすぐに脱線しながらも……細かな話をし。メイチェル姫をどうするかを母上に聞きに行くことになった


「誰が聞きに行きますか? 母上と呼ぶのを禁じられておりますので……」


「その母禁止処分いつまでなんですかね? ウリエル……私が行くよ。流石に処分中の兄を行かせるわけにはいかない」


「ラファエルお兄様……気持ちわかります。兄ばかり行かせるのは良くないわ。私が行きます」


「ラファエル兄さん、ガブリエル姉さん……いつもいつも大変な役を俺の代わりにしてくれてありがとう。だけど……今回は行かせない。俺が行きます!!」


「ミカエル、ガブリエル、ラファエル……お前たち……怖いだろうに大きくなって。大丈夫……僕も行こう……」


「「「あっどうぞどうぞ」」」


「……………」


 ウリエルが代表として。いつものように上申者となった。




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