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王国民よ、私は帰って来た


 王国から長い道のりを馬車ではなく騎馬で移動するガブリエル、ミカエルに二人の母親ミェースチの3人。もちろん全員装備をしっかり整えた状態で舗装されていない道を進む。驚くのが本当に3人だけであり、ローブを着て顔を隠すだけであった。


 舗装されない理由はもちろん行軍するのを妨害するためである。都市と都市を繋ぐのは自国と多く増えた属国だけである。


 だからこそ……途中からは地図を頼りに畦道を通ったりと中々。冒険者や商人、道をよく知ったものでないといけない。


 しかし……ミェースチは全ての道を知り尽くしている。まるで……行軍するべき道を探しきったように。


「お母様……本当に地図なしで向かわれるのですね」


「頭に入れるのが一番よ。持っていたら捕まったとき何がどうするかバレてしまう。例えば……何処かの地図一枚で主戦場がわかるわ。偵察の基本よ? 学んだでしょう? 何を持たずに行くことがすべてよ」


「だから……お母様。帝国から王国までの道がどれだけあると思いですか? 全てお覚えきれませんよ?」


「大丈夫。1、2本なら覚えがある」


「母さん……ヤバイね」


「だって……その1本は私が帝国に売られる時の奴隷商人が使う道よ? 絶対に私が軍を持つならそこを通ると決めてるの」


((ひえ……))


 徹底した。徹底した復讐が見てとれ……ミカエルとガブリエルは背筋が冷える。


「そうそう、私は自由にするから……あなたたちもついたら自由ね」


「………はい」


「はい」


 二人は緊張し続ける中でミェースチは鼻歌をまじえて馬の手綱をもちつづけるのだった。







 到着したのは1ヶ月半後だった。早馬で途中、農村で馬を買い換えてもそれだけかかるほどの距離に首都がある。王国の首都、山のような鉄の城壁にガブリエルとミカエルはこれが有名な完全無欠とうたわれる鉄壁かと喋る。ミカエルは何度見ても凄いと心の中で思い。ガブリエルも実は見ている事をミェースチには黙っていた。


 半年家を留守にしていた二人はここに来たことがある。


「あのね……バレてるから隠さなくていいわよ。二人とも」


「……ガブ姉さん、だって」


「……ミカエル。そうらしいわ」


「嘘つけばすぐにわかるわよ。だって……あなたたちの母ですからね。ガブリエル。癖があるわよ……手を頬に当てる」


「えっ……ミカエルはしってる?」


「知らなかった……そうなんだ」


「……ふふ。そうでしょね。嘘だから」


「え、ええ………」


「母さん……」


「機嫌がいいわ。本当に今日は……懐かしい臭いよ」


 ガブリエルは楽しそうな母に不安しか起きず。ミカエルは青い空を見ながら。ああ、綺麗だなと思う。


 そんな3人がそのまま城門前で衛兵に止めらた。しかし……


「はい、冒険者プレート」


「……わかりました。どうぞ入りください」


 偽名の冒険者である証明書合金板を見せ、難なく潜入する。あっさり過ぎて3人の王国評価がガクッと下がった。


「帝国では……見るだけではなく魔法で偽装かどうかも調べるし。時間かかるのに」


「ゆるい」


「ゆるくていいわ。入りやすいもんね」


 3人はパッと戦争前に潜入工作が出来るなと思い付いたが口には出さなかった。


(職業病ね……)


(この前と一緒で潜入しやすいのは変わらずか……)


(ふふふふふふふ……ふふふふふふふ!! 笑いたい)


 三者とも何も言わずにそのまま……宿を探すのだった。





 宿はミェースチは二つ。個室を取る。ひとつはミェースチ。ガブリエルとミカエルは同室にさせた。母親と寝る事はウリエルの嫉妬買うため……文句を言わずにそのまま受け入れ。旅の疲れを先に取ることを決める。


「ついたね、ミカエル」


「うん、ついたね。ガブ姉」


「……耳あり?」


「……無し……小さくね」


 耳ありとはミェースチが聞いているかどうかの二人の確認だ。話し声を聞かれているかどうかである。小さく話すために……ある事をする。


 ベットは2段。その一段目にガブリエルとミカエルは入る。顔を付き合わせて小声で話し合う。


 狙いは二つ。耳元で囁くように話が出来る事。仲のいい事を隠れ蓑でまーたやってると思われること。そして……そのまま眠れば空気をよんで近寄らない事があげられた。


「……でっ……お忍びで母さんは何をするだろうね? ガブ姉」


 ミカエルは綺麗な姉さんが目の前でもいつも通り、もちろんガブリエルも真面目に見つめる。


「ミカエル……わからない。動くのを待とう。夕食を誘うかも知れないね……でも……部屋を分けた理由は……」


「こっそり抜ける気だよね」


「……こっそり抜けるかもしれないね。ん……」


 ガブリエルがミカエルを抱き締める。ミカエルはふくよかな胸に押し付けられたまま目を閉じた。


ギィイイイイ。


「あら……旅で疲れたのね……はぁ……抱き合って寝てる……全く。仲が良すぎるのも問題ね。ベットひとついらないじゃない」


ツカツカツカ


 二人は寝息をたてるふりをする。ガブリエルは幸せそうにミカエルを抱き締めたまま。


「……」


スッ………


 ガブリエルとミカエルの頭に優しい手が乗り、微かに声を発した。


「おやすみ……本当にかわいい……」


ツカツカツカツカ


 撫でたあとに部屋に帰っていくのがわかった。それにガブリエルとミカエルは目を開けた。


「………動きはないかな? ガブ姉」


「夕食まで待とうか?」


「……夕食みんなで行くかな?」


「わからない。ミカエル。寝てなさい……夜中は任せる」


「ガブ姉さんも寝よう……」


「………そうしましょう」


 二人はナイフを装備し、扉にトラップを用意。鍵をかけ。窓の外、硝子と木枠の強度を確認後。今度は……ベットを使わずに床で寝ることにした。


 床から振動を聞きながら……二人は靴を履き。夜を待つのだった。









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