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旧:向上蓮の珍道中〜行け!踏み台のその先へ!〜  作者: 蟹子遊篤
第一章 レン・アルフレッド
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第9話 絶対絶命バカと勇者

遅れました(´・ω・`)

 ハイランド大陸の中心、山に囲まれたこの場所の中心に雄大な城がある。それを囲む様に店や住宅が広がっているこの都市は、王都グランアーデン。その冒険者ギルド本部に一際目立つパーティがいた。

 そのパーティーのリーダーはこのグランアーデンで最も速くEランク冒険者まで昇格した男である。その名はテリー・クラウス、皆様ご存知の今代の勇者だ。


 ではパーティメンバーも紹介していこう。1人目は魔術士のクリス・クロード、何と彼女は炎と雷の2属性の適性を持っているという貴重な人材である、少々性格に難があるが…

 2人目は侍のフラム・グローリア、中位クラスである侍を獲得しておりこのパーティの特攻隊長である。まあ、単にテリーにカッコいい所を見せたいだけだったり…

 3人目はセシル・ラ・グランアーデン、名前からして分かると思うが王族である。下位クラスの僧侶ではあるものの何とこの人聖女の紋章持ちで、場所は背中。ん?背中に紋章のある聖女って何処かで……まあ属性盛り沢山の人でした。さらっと新キャラ紹介してしまった。

 ラスト4人目なんたらバカことレン・アルフレッド、このパーティで最年長ではあるが1番雑魚ですね。後顔が女だしテリーと1番仲がいいから側から見れば付き合っている様に見えまーす。

 以上!弟子のクラウスでした!それでは!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「うーん、何か凄く失礼な事を言われた気がする」


 どうもレン・アルフレッドです。今はコボルト狩りの依頼を受けて王都から少し離れた森に来ています。

 最近は聖女様もパーティメンバーに居るが、幾ら国王に許可を取ったっていってもそれで良いのか?まぁ、性格良し顔も良しで俺の最初のハーレムメンバーとしては最高だよな!うん!


「ねーねーテリー何でまだコボルト狩りなんてするの?報酬もあんまり美味しくないじゃん」


 クリスがまたアホな質問をしてるな、お前らテリーが好きならもう少しあいつの考えを理解してやったらどうだ?


「いえ、テリー様はきっと私たちに初心を忘れさせない為にこの依頼を受けたのでしょう」


「私もそう思ったぞ!」


 うん、流石に聖女様は割と的を得ているけど多分少し違うかな…後フラムは便乗すんな。


「確かにそれもあるけど少し違うよ、レンなら分かるんじゃない?僕の考え」


 そこで俺に降るなよ…皆さんの視線が俺に集まってくる。クリスとフラムは気に入らないと言った顔、聖女様は単純に気になりますって顔かな。はぁ…言わないと収集つかないなこれは。


「多分依頼主だろ、農民が只でさえ少ない金をはたいて冒険者に依頼をしたんだ。一刻も早く達成してやりたいんだろ」


 やっぱり分かってたねとテリーは言う。

その言葉を聞き悔しがる奴2名、成る程と理解する人1名。そんなどうでもいい事を話しているとこの依頼の目的の足音が聞こえてきた。


「おい気をつけろ、コボルトの足音だ。数は6、だけど1匹変なのがいるな。やけに足音がでかいぞ…」


「皆んな聞こえた…此処からは警戒していくよ」


 テリーのその言葉に俺と聖女は空気を変える。弱小の魔物のコボルトであっても油断は出来ない、奴らの噛みつきが俺たち誰かの首に当たれば良くて致命傷だ。

 だと言うのに慣れて恐怖を忘れてしまっているあの2人はかなり危険だ。


「えーたかがコボルトじゃん!テキトーに魔法撃ってれば死ぬよ」


「ふっふっふっいつでも来い!私の剣の錆にしてやる!」


「クリスさんフラムさんしっかりと警戒して下さい、いつ敵が来るか分からないんですよ」


 最悪だ、聖女様はまだ声を抑えて話しているからまだ良いとして。あのバカ2人の声は間違いなく奴らに聞かれた。コボルトは知能こそ低いがマヌケでは無い、声が聞こえたのなら直ぐに場所を察知し仕留める準備をする。


「ちょっと3人ともちゃんと警戒しないと、コボルトは近くに居るんだよ」


 とテリーが言った瞬間、その後ろの茂みから一匹のコボルトが飛び掛った。コボルトは手に持っている骨の剣をテリーに向かって振り下ろす。

 コボルトは基本的に武器を所持していない事が多いが、先陣を切って攻撃を行う役割を担っている者は骨の剣や槍を持っている事が多い。


「危ない!」


 誰が言ったかは分からないが、もう遅いとばかりにコボルトが剣を振り下ろしている。狙いは人間の急所の1つ、首だ。当たれば死は免れないだろう。


「ふっ!」


 その時、最も速く行動したのはレンだった。レンは短剣を素早く抜き放ち斬りかかる、狙いは武器を持った右腕だ。

 普通は急所である首や目などを狙うのだが、この場面でそれを行なってコボルトを倒す事ができたとしてもテリーがやられてしまう。


「ギャイン!」


 レンの放った攻撃は敏捷の差によってコボルトより先に命中した。普通の犬よりも低い声で悲鳴を上げたコボルトは地面にぶつかった後直ぐに茂みに隠れてしまった。流石に短剣では腕を切り落とすまでにはいかなかったが確かなダメージを与えた筈だ。


「安心するのはまだ早い!まだ敵は来るぞ!フラムはさっさと刀を抜いて周囲を警戒!聖女様はプロテクションを前衛に掛けてくれ!テリーも剣を抜いてパンプアップで筋力を上げろ!クリスは魔法の準備!絶対に木に当てるなよ!炎でも雷でも当たれば燃えて火事だからな!」


 ひとしきり叫んだレンは疲れたのか息を整える、そして再び短剣を構える。レンの主兵装は弓だが、先程の様な奇襲に対応するならば弓よりも短剣の方が小回りが利く。幾らフラムやテリーが警戒しているとはいえ6匹全員で来られれば対応は出来ない。


 ヒュン!


 その音は弓を射る音だ。狙いは先程1番動きが良かったレン。しかしレンは射られた方向から狙いが分かっていた為それを余裕で躱す。しかしコボルトが弓を使った攻撃をしてきた事に驚いたレンは、少し隙が生まれてしたった。


 ヒュン!


 「ぐっ!」


 コボルトはその隙を見逃さなかった、放たれた矢はレンの頭を撃ち抜かんと迫るが、何とか頭を逸らし頰を掠めるまでに抑えた。完全に油断した状態からのダメージは矢の痛みよりも自分の甘さを強く実感する結果となった。


「大丈夫ですか!レンさん!」


「大丈夫だこれくらい!それよりも警戒を強めろ!コボルトが矢を使えるはずがない!別の種族も一緒にいる筈だ!」


 (くそっ!予想すれば簡単に分かった事じゃないか!しかしそんな事も言ってられない)


 普通のコボルトなら弓を使うほどの知恵はない。だが奴らは教わりさえすればわかるんだ、様々な武器の使い方や作り方果ては人間の言葉まで。

 状況が変わってしまった。別の種族が居ると分かればレンは、小回りが利く武器と使い慣れている武器を天秤に掛けた。結果は使い慣れた武器が良いとなり、直ぐに短剣をしまい弓と矢を携える。その時、茂みから新たな魔物が現れた。


「2度の奇襲を退けたとは中々やるな。そしてその判断も悪くはない」


「あいつは!?」


「何!?」


「嘘でしょ!?」


 テリーやフラム、そしてクリスは驚きのあまり声を上げた。無理もない、別の種族が居ると確信していたレンや聖女まで戦慄しているのだ。

 コボルトはGランクの魔物で最低ランクだが偶にFランクの魔物であるゴブリンが従えている場合があるが、テリー達が出会ったのはそんな低ランクの魔物ではない。

 リザードマン、Cランクに位置する上位種である。


次回に続きます

これから話の内容が一変します(。-∀-)

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