第17話 リベリオン
遅れちゃった
てへぺろ
場面は男が瀕死のレンを見つけたところまで戻ります
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『ここまできたかレン・アルフレット』
「は?」
ここは何処だ?気が付いたら俺は闇の中に浮いていた。何を言ってるのかわからねーと思うが俺もどうにかなりそううんたらかんたら、本当に何処すか。てか誰か俺のこと呼んだような...まあ気のせいか。
『気のせいではないぞ、このゴミ屑』
「いきなり口悪!てかお前誰だよ!」
まさか初対面で悪口ぶつけられるとは思わなかった。そして気が付いたら俺の目の前に明らかにやばそうな竜がいた...うん死んだ!って能天気なこと考えてる暇はない。ご機嫌取りだ
「い、いや~先ほどは失礼な発言をしてしまい誠に申し訳ありません!どうか命だけはお助けください」
『よい、気にしてはおらん。それに安心せい現実のお前さんの肉体はさっき滅んだ、もう死ぬことも無いぞ』
「...は?」
『理解できなかったか、貴様は先ほど死んだと言ったのだ俺は』
「は?」
え?今なんていったこのドラゴン様は、俺が死んだって。え?...でも、そうかよくよく考えたら俺はあいつらに切り刻まれて瀕死だったな。回復魔法が使えるやさしい人があそこを通りかかるっていう奇跡が起こらないと助からないもんな。
『ようやく理解したか、レン・アルフレット』
「やっぱりあなたも思考が読めるお人なんですね。それで、おお勇者よ死んでしまうとは情けないとでも言いに来たんですか?ドラゴンさんは」
『まあそんなような事を言いにきたのだがな、そうはいかなくなった』
「なんかいろいろと訳ありそうですね」
『訳ありなのは貴様の体なのだがな、それより死んだというのにずいぶんとのんきだな。普通なら取り乱したりするのだが』
「いや~既に経験済みと言いますか、それにもういいかなって。あんなことあったし」
『確かにそうだな、普通あんなことがあれば死にたくもなる』
まあまだ諦めきれないんだけどな、アランさんとの約束も果たせてない。それに俺を助けてくれたオースレスさんにも顔向けできないし。
『なるほどな、それでもなお貴様はまだ死にたく無いのか。生きたいというのだな』
「出来るならばそうしたいですね、奴への復讐も終わってない。アランさんたちの助けにもなってない、だから悔いは自分でも驚くくらい残ってますよ」
と俺が言った瞬間、ドラゴンは小さな俺の体に爪を突き刺した。いきなりのことでかなり動揺したが、痛みもないし体の中に何かを刻み込まれているような変な感覚でする。しばらくして爪を抜いたドラゴンはおもむろに話し始めた
『貴様の意思は分かった。実は、なお前の体は今現在急速に再生を始めている』
「え!?それはいったいどういうことですか」
『俺はこの紋章。持たざる者に存在する契約獣、リベリオン。その力で貴様の中にあった潜在能力をすべて表に出してやった。先ほど貴様の体に爪を突き刺したろう、それだ』
「え?紋章って...え?契約獣?...さっぱり分からん」
『だろうな、だがもうすぐお前は復活を果たす。その時お前がどういう状態なのかは分からんが、時間が無い。これからのことについて手短に話そう』
うーん、まったく状況が分からんがとりあえず俺は約束を果たすことができるんだな。
『それはお前の行動次第だ、先も言ったが貴様はこれから復活する。だが記憶の殆どを失ってしまっている、これについては本当にすまない。俺の力を使うために貴様の記憶を代償しなければならんのだ』
「そんな...てことはアランさんとの約束も、俺の親との思い出も。奴を...あのクソ聖女に復讐することもすべて忘れるのかよ!」
『すまない、仕方がなかった。としか俺は言えない、だがせめてもの償いに貴様の体に爪の破片を埋め込んだ。これからは紋章の力だけで無く、俺の力もある程度は使えるようになる。訓練は必要だが。...もう時間か』
とドラゴンが言うと暗闇の世界に亀裂が走った、その亀裂はどんどん広がっていき隙間から光が差し込んでくる。
『覚えることは出来ないが、最後にひとつだけ言っておく。貴様の体には特殊がある、本来ならば俺の力で死人を蘇生なぞ出来ん。貴様の潜在能力にはそれができる力があったのだ、お前は強い必ず約束を果たすまで生き続けるであろう。ではさらばだ、レン・アルフレットよ』
ドラゴンは最後に柔らかい笑顔で俺を見送り、この暗闇の世界は完全に崩壊した。
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「な~るほど、こんなことがあったんですねえ」
「私も驚きですよ、忘れていたんですから。まさかあいつと私の出会いがこんな感じだったなんてな」
「賢者様は覚えてるんですか、あのリベリオンとか言うドラゴンを」
崩壊した暗闇の世界を歩きながら、クラウスと賢者は話していた。賢者はあのリベリオンをよくしっているような口ぶりであり、その顔は戻れない昔を懐かしむようであった。そんな顔をクラウスは興味深そうに眺めている。
「ええ、とても...とても良く知っていますよ。400年振りですかね、あいつを見るのは」
その言葉を聴いたクラウスは気になることが出来てしまい、賢者の左眼を注目した。普通の人間ならば眼の中の紋章など気が付かないが、クラウスの視力はその普通を超えているため見えてしまった。あの馬鹿と賢者が同一人物ならば左眼には持たざる者の紋章があるはずだが、賢者の赤い左目にはそれがなかったのだ。
「さてクラウス、今度はエリン達がどうなったのかを見に行きましょうか。私の記憶はきっと長いですから、急ぎましょう」
「あ、はい!賢者様!わたしは準備OKです!」
賢者は『ネオ・アクセル』と唱え、リターンとは逆方向に世界が歪む。そしてアレンたちが町に到着しエリンのパーティメンバーを病院に運んだところまで時間が飛ぶ。
次回に続きます
ほんますいません