第11話 嵌められて独房行きのバカ
よお
「聖女様からの呼び出しなんて珍しいなぁ」
どうもレン・アルフレッドです。聖女様から相談があると呼び出しを頂いたんだが、何だろう・・やっぱりテリーの事かな?
「っと、考え事してたらもう部屋に着いてたな。あぶねぇそのまま通り過ぎるところだった」
よし、何の用事かは知らんけど。取り敢えず心の準備は出来たな、ノックしますか。
コンコン
「聖女様、レン・アルフレッドです。」
ノックをし、しばらくすると中から「どうぞ」という声が聞こえてきた。はぁ・・苦手なんだよなあの人。
ガチャっと中に入ると中には聖女様一人だった、正直護衛の一人でもいるのかと思った。
「よく来てくださいましたレンさん。今回は私のわがままに付き合ってくださってありがとうございます」
「いえいえ、相談なんて別にわがままには入りません。仲間として当たり前ですよ(まあ建前ですけどね)」
「そう思っててくださったのですね。では、長い話になりますのでアイスティーしか用意できませんでしたがどうぞ」
「ありがとうございます」
むしろ話をする聖女様が飲むべきじゃないとも思ったが、せっかく用意してくれたんだ。ちゃんと飲むかアイスティー。
ごくごくと飲む俺を見て一瞬聖女様が笑った気がする。
「相談というのは、テリー様のことです。実は私テリー様のことをお慕いしています。ですので一番仲のいいレンさんに仲良くなる為のアドバイスをしていただけないかと」
「やっぱりですか、なんとなくわかっていました。俺でよければ聖女様の力になりますよ」
「本当ですか!ありがとうございます!レンさんが味方になっていただければ百人力です!」
聖女様は身を乗り出して俺にお礼を言ってきた。
やはり聖女様はテリーのことが好きだったか・・まあ俺含め老若男女あいつのことを嫌いになるやつはそうそういないからな。
「大きな味方を得ましたので、最初はテリー様の好きなものを教えてください」
「そうですね・・・あれ・・なんか意識が・・・」
「きっとこの前のリザードマンとの戦闘の疲れが来たんですよ、そのまま眠ってしまっても結構ですよ」
「おお・・お言葉に甘えzzzzzzzzzzzzzz」
眠りについたレンを確認した聖女は出てきていいですよと言うと。屋根裏やベットの下、そして床下からも人が現れた。その人物達は黒い衣装で身を包み、まさしくアサシンといった出で立ちである。
「姫様、今回のターゲットはこの者なのですね」
「ええ、そのとおりです。いつも本当にありがとうございます、私の本当のわがままに付き合ってくくれて」
アサシンと聖女が挨拶を交わしていると、突然部屋の扉が開かれた。そこから現れたのは煌びやかな装飾をつけた服を着ている中年の男性、王にもっとも近いとされるクランク公爵だった。
「姫よ目的は達成されたのだな、ならば今度は私の計画を手伝ってもらおうか」
「わかっていますよクランク公爵」
「ふむ・・ならば早急にその男を独房に入れ裁判の準備を進めようか」
「聞いていましたね、では初めて下さい」
「了解」
アサシンたちはレンを布で包み、部屋の外に運んでいく。どうやらレンを使って何かを始めるようだ。
このことが原因で遠くない未来、この王都が崩壊することとなるがそれはまた追々。
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ここは王城の地下の独房、そこの一室にアホ顔をして爆睡している女の顔した男がいた。その男女を観察している不審者二人組みがなにやら話し合っている。
「うーん、馬鹿を捕まえて何するんですかね?利用価値まるでないと思うんですけど・・・」
「レンは勇者パーティの一人ですから名前は売れている、つまりある程度有名であれば誰でもよかったのでしょう。まあ予想ですけど」
「それはいいですけどいつになったらおきるんですかねこの馬鹿は、もう三日経ってますよ」
やっぱり賢者とクラウスであった、どうやらレンが囚われの身になってから三日も経っているらしい。変に騒がれないように相当強力な薬を飲まされている様だが、このまま眠り続けると本当に死んでしまうが大丈夫なのだろうか?
「ん・・んぁ・・知らない天井だ・・・」
すまん普通に起きたわ。お約束の台詞を言い放ったところで独房の人が近づいてきた、長い金髪の髪を靡かせ満面の笑みのその人物はレンの前に現れた。
「レンさんあの相談以来ですね、お久しぶりです」
「え・・あ、はい。聖女様。それはいいんですけど、あのここどこですか?見たところ牢屋に見えるんですけど・・・」
「はい、牢屋ですよ」
ん・・・?というレンの気持ちは良くわかる。何せ眠りからさめて、いきなりお前のいるとこ牢屋だぜと言われれば誰でも状況が掴めないだろう
「えっと・・何故俺は牢屋で寝ていたんですか?」
「あなたは私に性的暴行を加えました・・・なのでその裁判をこれから行うのです」
・・・は?というレンの気持ちをわかってやってください。何せいきなりお前犯罪してつかまったからなんて、何かのドッキリかと思うでしょう。
レンはだんだん冷や汗をかき始めました、意識がはっきりとしていき状況が飲み込めてきたからです。
(あれ・・・?たしか聖女様の部屋に行って・・それでテリーについて相談を聞いて・・えっと、そこからの記憶が無い・・マジか!?マジなのか!?)
「それでは裁判所に行きますよ、つれてきなさい」
聖女様がそういうと直属のアサシンたちが現れ、牢屋の鍵を開けレンに手錠を掛ける。
「ちょっ!?何すんだよ!離せ!?」
「レンさん、抵抗しても無意味ですよ。おとなしくしていてください、こちらも手荒なまねはしたくはありませんから」
聖女のその言葉には圧があった、そして言い放ったその顔は笑顔であったが目が笑っていない。
「これからもっと素晴らしい事になりますよ、楽しみにしていて下さいね」
「裁判ですって賢者様、あのバカ死刑ですかね?」
「まあ、死刑でしたら私はここにいませんね・・・また死にたいですか?」
「い・・いやぁきっと無罪ですかね!アッハッハ!」
果たして、レンはこの窮地を脱し無事勇者となることことが出来るのだろうか。そして聖女と公爵の狙いとは一体何なのか。
次回に続きます
エボ○トォォォォォォ!!
ビルド終わっちまった(´;ω;`)
自分から約束破りまくりでマジすみませんでしたm(_ _)m
絶対にエタりません必ず完結させます(`・ω・´)