表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/23

義高様はお人形?[2]

その日の夕刻、侍女が呼びに来てくれた。

ついに、義高様と対面だ!

ドキドキがどんどん大きくなっていた。

それがいけなかったのかな?

夕方近くに、姫は熱を出して少し寝込んでしまっていた。

でも、ほてった体を引きずって歩く。

体は重くてだるかったけれど、心は弾んで軽かった。

だって、だって会える!会えるんだもの!

嬉しい!!

そうして、対面の居間へ続く廊下を、侍女に伴われて歩いていると、目の前をよぎるものがあった。

それは、白い雪のようにヒラリと舞って廊下に落ちた。

ひらひらと風に揺れる桜の花びら。

思わず足をとめて見上げると、庭にあった桜の木が満開に咲いていた。

「姫?」

侍女は不思議そうに顔を覗き込んで聞いてくる。

姫が急に立ち止まったから。

でも、姫はその桜があまりに綺麗なものだから。

なぜだか、ひどく魅せられたように見入っていた。

まるで祝福するように花開く桜たち。

そうだ。

義高様に、まずこの桜をお見せしよう。

そんな事をぼんやり考えていたら、

「大姫様? どうされました? もしや体調が…?」

侍女に心配させてしまって、姫は思いっきりブンブン首を振った。

だって、そんな事になったら、姫は床に逆戻り。

大切な義高様と対面できなくなってしまう。

そうだった。急がなくちゃ!

今から、その義高様にお会いするんだから。

姫は再びルンルンわくわくと、少し早足で歩み出す。

白い桜の花弁を一片、廊下に残して。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ