ありえたかもしれないもう一つの人生
2004年の4月僕、田中哲は高校に入学した。‹KBR›
正直僕は今までろくな目に合わなかった 僕が小学生の時に父が死んだり 中学ではいじめにあったり友達が起こした問題に巻き込まれたり・・・
しかし、今年の春僕は友達と別々の高校にはいることになり友達と離れることができた。
「まぁ・・・あんなやつら友達とは言えないけど」
僕はそう呟くと教室を見渡した。まわりにはろくでもなさそうな奴ばかりだ。
この学校はあまり頭がよい学校とは言えない
僕は頭もよくなければ顔もよくない女子からは嫌われて
いざ勇気をだしてクラスに交わろうとすると
「なにこいつ笑ってんぞウケる」「あいつ調子のってるよねー」
そういって頑張ってクラスの一員になろうとしてる僕を追い返す
家に帰ると母が「おかえり」と出迎えてくれる。
母は僕に聞く「学校はどうだった?」
意味のない質問だ僕は母に心配かけないために「楽しくない」なんて答えるわけない。
「普通だよ」
母にこんな態度をとったらダメなんだろうけど僕は人生をどうでもよく思っていた。
そしてその夜・・・
僕は疲れて眠りについた。意識が遠のくなか気づくと僕は中学の時の教室にいた。
「ここは・・・中学の時の教室?」
しかし、まわりに人はいない・・・いや、隅の方に一人いた。
「あれは・・・僕?」
するともう一人の僕がこっちを見ると笑顔を見せた
「ようこそ、夢の中へ」
もう一人の僕が喋りかけてきた。
「もしもし?聞いているかい?僕はこの夢の中での田中哲さ」
「正確に言えば君の心の中の僕かな?」
何を言っているんだこいつは・・・僕の心の中の僕?
「わかんないかな?じゃあ少し分かりやすく説明しよう。人は何かに迷ったりしたら自分の心に聞いてみたりする事があるだろう?」
「ここは夢の中、君があーしたいこーしたいと思っている心の中を再現したものなのさ」
何を言っているんだこいつは。僕は意識がもうろうとしている中そう思った。
もう一人の僕はお構いなしに喋り続ける
「もうすぐこの教室に人が来るよ。君はただ、流れに身を任せればいい」
僕は意識がもうろうとしている中ハッキリと聞こえた言葉があった・・・
「ここは、君の望んだ・・・そしてありえたかもしれない君のもう一つの人生を再現したものさ」
そう言い残すともう一人の僕は消えた・・・
しばらくすると当時のクラスメイトが現れた。見たくもない顔が並んでいる・・・
だがどうしたことか
「やぁ、おはよう」
僕の口は勝手に喋りだした。するとまわりの皆も
「おはよう」と返してくれた。
前はキモいとか言ってきたのにどういうことだ?
なにがなんだかわからない中クラスメイトが僕に楽しそうに話しかけてくれている。
「ふふ・・・ここは君の心が造り出したもう一つの世界さ。君はまだこの体・・・いや、この人生で幸せになりたがっている」
「しばらくここにいさせてあげるよ。君のもう一つのありえたかもしれない人生に」
僕はもう一人の僕の声が聞こえた気がした。
初投稿の小説となりますので暖かい目で見てくれたらと思います。