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漆黒平和団  作者: 霜降雨
1章 私たちは漆黒平和団
4/7

初めのチュートリアル

私は今自分の部屋で考えている、もちろんあの漆黒平和団のことだ。

だれも予想できなかった唐突な出来事、私たちしか知らないあのこと。

どうして私たちが世界なんか守るんだ?その思いはまだ続いていた。

私は時間をかけて気づいた、絶対夢の話だ、寝たらその話は消えていると、そう考えて私は寝る支度をし自分のベットに倒れた。

不思議なことにすぐ夢の中へ落ちてしまった。


わりとすぐに朝が来た、私は時間よりも少し早くベットから起きて行く準備とかをした、朝ごはんはお母さんが作ったトーストとサラダとスクランブルエッグ、それに牛乳、時間通りに食べると私は靴を履き、はねる様な足取りで学校へいった。

いつもの校舎が見えたけれど・・・いつもの建物なのに別次元の建物に見える・・・

いやいや気のせいだと私は自分を叱るように心の中で言い、教室に入っていた。

「おはよう!」

叶が教室に入った私を迎えるように言った。

「おはよー!」

私もそれに便乗するように挨拶を返し、叶の後ろの席、いわゆる自分の席へ座った。

私は叶にそっと訊いてみた。

「叶、夢かもしれないけど・・・昨日の漆黒平和団の」

「あー!今クラスはその話で持ち上がりだよー!」

私が言っている途中で叶が強く反応した、漆黒平和団はそこまで影響があるのか、私は辺りを見回し、漆黒平和団の話をしているグループとかを探した。

いや、探すまでもなかった、クラスのそこら中、いやクラス全体がその話だった、いつもはゲームばっかやってるグループも漆黒平和団の話だった。

「凄いなぁ・・・あそこまで影響があったのかぁ・・・」

私は呟くようにそう言うと叶は興味があるように身を乗り出して答えた。

「ね?ね?すごいよね!?」

私は少し焦ったけどこの状況を飲み込んで答えた。

「そうだね、なんかこのクラス、明るいよね」

・・・癖がまた出ちゃった。

私このクラス好きだから些細なことでクラスを褒めたりするんだよね、ずっとここにいたいし・・・クラス中毒って言ったらいいのかな?

「今日の昼休みか~楽しみだな~」

考えていたら叶が呟いていた、私も、それに向けて気持ちを切り替えなきゃ。


「よし、今日の授業はここまで!」

あっという間に昼休みだ。

先生が去った後の教室はかなり騒がしく、熱気が沸いている。

私はゆっくりとクソ不味い自作弁当を食べ始めた。

けれど周りは私の遅さを引き立てるように皆貪るように食べている、いつもは食堂行きの人も結構教室にいる、学食行きは2人ぐらい、そいつらももう戻っていた。

その姿を見ると私も勢いよく食べだした、あっという間に食べ終わった。

口に不快感があるまま時計を見ると授業が終了してからまだ10分しか経ってない、けれど、クラスの半数が弁当を食べ終わっている、食べ終わると引き込まれるように教室を出る、私もつられる。

勝手に体が理科室へ・・・故意的なんだけどね・・・

理科室へ行くまでの廊下で私は、闇を目にした。


「あら、望も早いわね・・・一番最後だけど」

サヤカがそう言った、一瞬誰のことか分からなくなったが、私のコードネームだと思い出し、はい、となぜか答えた、サヤカが一番最後というようにみんな集まっていた。

みんなは何に注目しているのだろうか、一点を見ている、騒いでいる、いろいろ言ってる。

私も早くそこに来ると、なんか白く細長い机の上に、帽子がある。

その前に6つの長いネームプレート、そこには・・・

「華班 メンバー 渡川 大鉄 招犬 優夏 若葉 望 計六名」

あれ?このメンバーは・・・つまり。

華班 メンバー 渡貝恒星、古里沢純、林颯太、有本比奈野、三野本叶、長谷川律華

間違いない・・・実際のところの・・・1班だ。

私たちの班1班は、平均身長がとても低いって言ったらいいのかな、私と純は背高いほうだけど。

あと、みんな元気ってとこが自慢かな。

そして現在の一班は・・・

「あー現実と班同じかよーくっそ恒星をいじり倒す」

「どうしてそうなった!」

恒星と颯太がいつもどおりの反応をしている、純は・・・またウォークマンを聞いてる

「大鉄ぃー?」

その所にサザンカが来た。

「はいっ!ぼっしゅー!」

「えっちょ待て!返せ」

「残念なことにここでは決められた電子器具以外は持ってきてはいけませーん!」

「そんなぁ~」

ウォークマンは純にとって必需品だし、私たちも違和感を発する、漆黒平和団は厳しいらしい、けれど、私は・・・。

「律華~!」

「叶ー!一緒だねー!」

叶もいるし、それなりに楽しい班!

「よかったね!私も一緒でよかったよ!」

比奈野が言う、比奈野も私たちと仲いいし、私は最高だと思う!3人でハイタッチをしながら喜んでいた。

他の班も見てこよう、その隣の2班、予想通りだった。

夢班 メンバー 風野 発緑 只発 物固 愛美 計5名・・・つまり2班。

夢班 メンバー 舞園いさま 森川峰狭 吉本竜生 山下香 多子元清子

2班かぁ・・・一言で言うと真面目かな、まあ、真面目が揃ってるだけなんだけどね、竜生以外は。

けれどこの班も楽しそう、隣だけど見て分かる、みんな笑顔で笑っているから・・・。

「峰狭~!同じだ~!まったく、どんなことになるのやら」

「うるさいなぁ・・・まあ・・・普通じゃない・・・?」

よく峰狭にちょっかいをかけている竜生が相変わらずだ、香と目を交換したら一種の夫婦に見えるかもしれない

「あー、あの二人相変わらずだねー」

け伸びをしながら清子が呟くとそれを聞いていた香がこう答えた。

「もう、あれが普通じゃない?」

意味深な言葉を言うと連鎖的にいさまがこういった。

「どこが?」

「やめろ」

なにかを察された香はすかさずその言葉を封じてしまった、私はときどきそれを見てると羨ましくなるんだよなぁ~。

そして、予想と同じようだけど3班も見てみる。

紅班 メンバー 一布 盲目 淀松 菜石 未来 計5名・・・これは。

紅班 メンバー 風水義和 山崎勇人 松本慶喜 木霊まつり 小波あらた

3班・・・これといって真面目とか面白いだとかそういうのは無い、だけれど、一つ上げるとすれば・・・個性的?現しにくい班・・・

「へー、私紅班なんだー」

それを見てるとまつりが現れた、天然なんだろうか。

「紅班ねぇ~あっ!あらたも一緒だ!」

彼女は未だに本当の班と連動していることを知らなかったのだ。

肝心のあらたはすごい遠くで夢班と紅班をあっちこっちきょろきょろと見ている。

その視線の先の紅班男子3人。

「言っとくけど何で同じなんだよ!」

「しらねーし!俺、メカニズムとかわかんねーよ!」

「わかんねーよ!」

「お前は黙ってろ!」

口論のような・・・いつもどおりの会話があった、余計なことを慶喜が言って二人にツッコマれるのも・・・。

何気に良くわからない班だな、と改めて実感するとすぐさま隣の班を見た。

雫班 メンバー 倉高 爆鬼 幽閉 小鳥 理香 計5名

伊沢弘文・・・神田きさき・・・高良しずく・・・今井天音・・・玉川たまき・・・。

だめだ、どう見ても4班だ、これはやばい。

4班は一言でいうとカオスの塊、授業中うっさい、主に天音とたまきのせい。

班長である弘文も仕事してない無法地帯の班、きさきとしずくがかわいそうに思える。

「天音といっしょかぁ・・・」

きさきが呟いた、友人であるしずくはそれに気づき。

「しょうがないよ・・・だってこれ班ごとでしょ?」

「ええーっ!たまきも!?」

きさきが不満を言った、言うのは当然だろうと思っている。

「がんばろうよ・・・みんな我慢してるんだから・・・」

そう呟くとしずくは周りを見回した、きさきもつられて見まわした。

「ね?」

そう一言しずくが呟くときさきは頷いた。

その一方で・・・。

「きさきと一緒とか無理すぎー!」

「落ち着け」

天音が地団駄踏んでいるのを優しく?フォローしていた。

弘文はそれを見て一息ため息かもしれないものを吐いていた。

ため息は空気に混じって消えていた。

幸班 メンバー 宇宙 森減 滴 咲夜 柚月  計5名

橘田大河 六崎哲 川谷遥 斉藤美月 古下広架 

うん・・・5班は大河を筆頭に変態ぞろい。

4班ほどではないが授業中うっさいし・・・前の席の2班が迷惑している。

「まだ他の班見てないの?」

美月が私に話しかけてきた、頷くと近くにいた遥が言った。

「サヤカさんかシオンさんか分からないけど、なんで皆の班まで知ってるんだろ」

確かに、と心の中で思ったが、名前を知ってるくらいだから班も知ってるかと感じた。

「ちょっとー!私は?」

サザンカが名前を呼ばれなかったことで怒っている。

「サザンカはちょっと頼りなさそうだし・・・」

広架が呟く。

「ねぇ・・・」

なぜか美月と遥も頷きながら言っていた、サザンカは激おこぷんぷん丸状態になっていた。

そのころ、大河は哲にひそひそ声で話しかけていた。

「サヤカさんさぁ、あそこ」

なにか準備をしているサヤカを指差した。

「あ…うん、凄いね」

答えずらい質問を吹っかけられて戸惑っているにもかかわらず大河はにやにやしていた。

「シオンとかとさぁ・・・」

そう言っている時、大河の頭に拳が降ってきた。

「おいっ!それやばいだろ!」

「叩くなよ!おい!」

方正がいつの間にか立っていた、止めにするのか、そう思っていると耳かしてと方正が小声でいい、大河の耳が方正へ向けられた。

「俺はサザンカの方がいいけど、悪いか?」

そう言われると、大河は小声で返した。

「サザンカ、お前の好みだったか」

「そうだろ、だってあの・・・」

離している間にサザンカが現れた。

「私はもう成人済み!変な妄想はお止め!」

衝撃の事実を突きつけられた方正はハッ!と息を切らした。

ロリコンが丸見えだなぁ。

「方正!方正星班だよ!」

由梨羅が方正に話しかける、残りの6班のメンバーだ。

つまり相沢方正 鈴木英二 山田秦田 有川由紀 甲斐田由梨羅が星班。

コードネームは・・・えっと・・・。

色旬・・・大回・・・業火・・・豊実・・・欺猫・・・らしい。

この班は見事にムードメーカーぞろい、面白い!一番楽しそう!。

班の話し合いとかも順調だし、発表もこの中の班の人はよくしてるし!

平均身長も・・・高いし。

「まあ・・・どんまい」

シオンが話しかけてきた、ドキッとしてシオンのほうを見た。

「しししシオンさん!ビックリした!」

今度は英二が私に何か話しかけてきた。

「シオンさんと世間話してたんだよ、面白くてなぁ!」

う・・・うんと心の中で私は答えた、シオンとか英二の私生活なんで気にならないし・・・。

秦田は香と話しているし、由紀は比奈野と話してる、バラバラだなぁ・・・。

シオンがまた話しかけてきた。

「そろそろ・・・時間・・・団長の話を聞いて」

そういうとすぐ去ってしまった。

私はわーわーがやがや騒いでいるこの場所で何かを考えていた、何だろう・・・。

性格や雰囲気がバラバラな班でやっていくのか・・・。


凄い楽しみだな!


「今日の任務をはじめる!班ごとに並ぶように!」

スピーカーからサヤカさんの声が鳴ると一部の人が自分の班ごとに一列に並んだ。

私も急いで華班のところへ並んだ。

比奈野と叶が並んでいる、わたしもすぐその後ろに並んだ。

すると純が並んできた、ウォークマン取られたので半泣きになっていた。

「ほら!宇宙!招犬!渡川!小鳥!並びなさい!」

後ろを見てみると男子三人が喋っていて並んでなかった、天音はうろうろしていた。

気付くのが遅かったのか、それを聞いたあとすぐ自分の班に並んでいた。

全員並んだのを確認するとサヤカが前に出てきた。

「みんな!おはよう!」

元気よさげな顔で話しかけていた、時間的におはようじゃないけれど・・・。

「おはよう!」「はよーす!」「おっはよー!」

ところどころから挨拶が聞こえていた。

「よし、早速今日の内容を発表していくわよ!」

私はサヤカさんの話を一生懸命聞いていた。

「今日は、班ごとに使用する武器を軽く使ってみること!あと、服装の説明をするわ!」

目をそらすといつの間にかダンボールが一箱あったシオンがひょいひょいと軽く二箱目を持ってきている。

「武器の説明は班ごとにするから、服装の着付け方を教えるわ!あ、シオン、箱の中から一つ持ってきて」

シオンは段ボール箱を開けて一つの茶色い布を持ってきた。

「これと・・・これね」

それと、真ん中に赤く「団」と書かれた帽子を持った。

「まずこの布をこう羽織って・・・端と端を合わせるだけ!」

サヤカは手を離した、すると布がそこにとまったまま、落ちなかった。

「あなたたちもやってみて!」

そういうとシオンとサザンカが一枚ずつ布を渡した。

触ってみると柔らかい感じの・・・薄い布。

しかもテープなどなかった、仕方なくサヤカの言われた通りにやった、端と端をくっつけるとこの目で不思議な光景が見えた。

テープもボタンも差込口もないのに、スーッと布が薄くなっていき、くっついた。

「えっ!?」

私は思わず声をあげた、ひらひらした布は何も乗っていないかのように軽かった。

「は!?」「まじ!?」

いろいろな所から声を上げている、不思議な布は凄い・・・。

「はい!これが望の帽子!」

サザンカが布を羽織れたことを確認すると帽子を渡してきた。

縁がねずみいろで茶色い、中心に白い丸の中に「華」の黒いプリントがされていた、かぶるとこれもまた軽かった。

隣にいた峰狭は「夢」と書かれていた、なるほど、班の名前か。

「全員着れたわね?そしたら、班ごとに練習部屋があるから、そこで武器の説明をするわ!華班から行くから、待ってて」

ああ、もう始まるのか、そう思うと今起きていることが現実なのだと実感した。

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