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漆黒平和団  作者: 霜降雨
序章 第○○期 漆黒平和団結成
3/7

私たちは団員になった

「・・・は?」

私たちは口をそろえてこう言った。

次の授業のために理科室へ行ったはずが、変な空間にたくさんのモニター、電子器具、机、そしてなぞの人物、これはおかしい。

「いきなりでごめん、でもこれしか方法が無いのよ」

3人の中のお姉さんっぽい人が言った、美しい体系で魅かれそうになった。

「とりあえず自己紹介しましょう、私の名前はサヤカ、漆黒平和団の団長よ」

サヤカが胸に手をあてて言った、恐らくこの手紙を送りつけた人物だと思う。

「・・・俺の名前はシオン、副団長だ」

口数が少ない男はシオンというようだ、サヤカより地味な服を着ている。

「あー!もー!私もー!私の名前はサザンカ!漆黒平和団の指揮長でーす!」

顔にピースサインをした小さい子の名前はサザンカ、険悪とした空気の漆黒平和団に元気をもたらしたのだろうか。

いや、そうじゃない、私たちはまだこの状況が分かっていない、どうしてここにいるのか、どうして漆黒平和団に入団することになったのか知りたい、納得がいかない。

「俺たちは何のためにここに来たんだ?」

英二が訊くとサヤカはすかさず言った。

「世界を守るためよ」

その言葉はこの場の私たちを凍らせた、みんなが口を開けて「は?」とだけ言った。

世界を守るということが私たちに出来るのか?いや、どうして世界を守るということになるんだ?

いろんな疑問が皆の頭の中でぐるぐるぐるぐる回る、しばらく呆然とする。

「いきなりですまない・・・そもそもここがどこかとかいろいろ言わなければな」

シオンがこの状況を見かねて言った、私たちの疑問の一つがさらに膨れ上がる。

「世界が崩壊状態とかいうのは知ってるよね」

私はサヤカの言葉に反応した、いや皆がだ、あの絶望的な事件が。

「ああ、確か世界の人口が半分・・・消えたんだっけか」

「半分どころじゃないって、日本以外の人が死んだか消えたかでしょ」

方正とたまきが話してる、嘘だと思うかもしれない話、でも全て本当の話、いろいろな国の国民が幻覚や幻聴を見て行方不明になったり犯罪を起こしたり・・・自殺をしてしまったり、国民全員が幻聴や幻覚にかかり世界の国が1つ、2つと減っていく・・・そして現在普通の国として正常になっているのは私たちがいる国だけ、しかし・・・この国も終わりそうだ。

まさかと思った、世界を守る仕事という責任が強すぎる仕事を私たちに任せられるのか・・・

「・・・日本以外?」

着物を着た霊媒師の娘、木霊まつりがぼそっと呟いた。

「そんなことない!」

そして強く言った、なにに気づいたのか?一体なにがあったのか?

「お母さんが言ってたけど最近お払いをしてほしいって人が増えたらしいの!でも霊なんて取り付いてないって・・・」

熱く語りだした、誰にも止められない。

「くそ・・・まさかか」

この話を聞いて何かを察したシオンが頭を抱え込んだ、嫌な予感がする・・・

「・・・あなたたちも、幻覚に飲み込まれる日が近いわよ」

サヤカが真剣な顔で言った。

この言い方は圧迫した感じだ、それくらい深刻なことなのか・・・深刻なことだ

そういえば最近のニュースはその話題で持ちきり、人類滅亡のカウントダウンといわれた、たった幻覚や幻聴というだけで人が死ぬ、どうしてなのだろう。

でも、なんで漆黒平和団がそのことと関係あるんだろう、私はこの漆黒平和団をまだ信じていなかった。

「・・・で、どうすればいいんだ?」

「私たちに出来ることならするけど」

大河、美月が言うと、次々にいろいろな人が世界を守るような発言をしていた

「日本が・・・いや世界がこんなことになるなら・・・無茶振りでもやるよ」

「私だって消えたくないもん!」

みたいな声がいろいろな所から、私の周りで聞こえていた。

「ふふ、わかったわ」

サヤカはさっきの緊迫した顔とは違う笑顔でそう言った、わたしは戸惑っていた・・・でも・・・

みんながやるから、私もやらなきゃ。

「漆黒平和団の仕事は明日から、絶対全員来てねー!!!!」

サザンカが元気よく言った、みんなもそれに合わせてはい!と言っていた

私もとりあえず言った。

けれど・・・私はまだ信じられなった、漆黒平和団が

今見ているサヤカたちは何かの幻覚なんじゃあないか?クラスのみんなはそれに洗脳されてるのでは?

幻覚や幻聴のことだって何かの病気じゃないか?漆黒平和団はただの夢なんじゃないか?

もしかして・・・私たちが幻覚とか見てるんじゃない?

そう考えていると不意に意識が遠のいた、吸い込まれるときと同じような、くらくらした感じの景色。

けれど・・・なんか気持ちよかった。


「・・・ら、・・・えら、お前ら!」

暗い景色から目を覚ますと私たちは座ったまま放心状態になっていたらしい、そこに立ってるのはただの先生だ。

「びっくりしたぞ、呼んでも呼んでも座ったままだったから」

先生はそう言った、皆は「は?」と言う顔で先生を見上げた、もちろん私も。

「まあよかった、授業するぞ」

私達は先生の後に続いて理科室に入り、椅子に座った。

私たちは他の人から見たら何事も無いように授業を受けたけれど、実際は・・・

ものすごいことを任されているんです。


「・・・楽しみだね」

空気ともいえる空間から誰かの声が聞こえている、それに対してサザンカはこう言った。

「確か・・・今年で死ぬんだっけ?速球にやるつもりだからね!」

彼女らしい元気な声でその暗い空へ話した。

「・・・好きにしろ」

空気の所からこう聞こえると風の音しか聞こえなくなった、そしてサザンカは笑顔で一人、そうこなくっちゃ!と拳を握って言っていた。

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