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魔女  作者: 織座 せりか
3/9

処刑の時間が来た。


僕は鎖を引かれて歩く。十字架に縛られて焼かれるそうだ。


まだ僕は歌っている。

君は、群衆の中にはいなさそうだ。

僕が歌っているのを見て気味悪そうにする人なら、いるけど。


君に、こんな姿を見られなくてよかった。


僕を縛った十字架が立てられる。


僕は歌を始めから歌う。


火が点火された。


熱い。熱いけど、僕は歌う。


火がついに僕の足を包み込む。


痛みが増すごとに僕の声も大きくなる。


霞む視界。煙が酷く、歌えなくなってきた。


それでも僕は声を上げる。


痛みは鋭く、僕の身体を支配する。


最後。

僕が目を閉じる前に見えたのは




僕が好きだった、君だった。





僕を包み込んで燃え上がる炎の中、僕は微笑んだ。


『カミサマ。

もし…僕が魔女ならば。どうか…。どうか、一度だけ。

僕を生まれ変わらせて、あの子に会わせてください。


それができないのなら…あの子に、幸せを。』

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