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誰がいつ死んでもおかしくないセカイ。荒廃し、枯れはてたセカイ。
そんなセカイが存在するのは、未来。
君たちがそう呼ぶ場所。君たちが見ることのない場所。
そんなセカイを、変えようと努力する人がいた。
人を疑うことに疲れた者。
大切な人を亡くした者。
何かを探して参加した者。
それに、弾丸に怯える日々に飽きた僕。
僕らは、「革命の灯火」であるリーダーを中心に活動してきた。
…一年前に、裏切られるまで。
各地に存在する僕らの協力者。その一人が、裏切ったのだ。
結果、僕らは全員逮捕。
「革命の灯火」は処刑。他の皆も極秘に処理されたとか。
捕まってから、一年だ。
予測でしかない…が。
きっと、奴らは唯一若くて顔がキレイな僕を魔女として処刑するつもりなのだろう。
僕に、もし。
心残りがあるとすればそれは、あの子だ。
僕の1つ下で…好きだった君。革命軍の、一員だった君。
捕まる前に、僕が逃がした君。
革命軍のことも、僕のことも。全て、忘れているだろう。
君が幸せなら、それでいい。だから…