表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
関取くん物語  作者: 洞爺
1/2

人気者だね 関取くん!


「あははっ、面白いな~関取くんは」

「本当だよ、お前ほど面白いやつなんていないぜ」

とある中学校の教室。今は休み時間、生徒達は大笑いしながら話をしていた。教室の中の生徒達の笑い声が廊下まで聞こえるほど大きかった。笑いの中心になっているのが少し太っている

少年、関取くんだ。彼は優しく誰からも信頼されている。

「なあ、関取。今日遊びに行かね?」

ある生徒が関取くんに話かけた。彼はこの学校でNO1を誇るイケメン、加藤悟。関取くんの親友だ。関取くんは加藤の誘いに対し本当に申し訳無さそうに

「今日は相撲部の稽古があるでごわす。本当にすまないでごわす」

関取くんは少し中学生とは思えない口調で断った。関取くんも加藤と遊びたかったが、もうすぐ大会だから相撲の稽古をしなければいけない。放課後4時間相撲部の相撲部屋でみっちりと。この稽古に耐えれず辞めていった部員もいるが関取くんにとってはまったく苦ではない、むしろ楽しんでいる。

「関取は相撲大好きだもんな。ちょっと残念だけど気にすんなよ、頑張れよな!」

加藤は少し落ち込んだ顔になったがすぐに、いつもの微笑んでる顔に戻り関取くんを応援した。加藤は関取くんの親友、つまり一番関取くんのことを分かってる人物だ。関取くんがどれだけ相撲が好きか、どれだけ練習を頑張っているか分かっている。それなのに簡単に「え~、サボっちまおうぜ」なんて簡単に言えるはずがない。

本当は加藤はそう言いたいが関取は大会に向けて頑張ってるんだ俺なんかが邪魔しちゃいけない。そう言い聞かせ我慢していた。

だが、加藤は今度の大会が終わったら無理矢理でも遊びに連れ出す気でいるのだ。意外とちゃっかりしている加藤であった。

「ありがとうでごわす。今度の大会頑張るでごわす! どすこい!」

関取くんは満面の笑みで言った。関取くんは加藤から言われた応援の言葉が心底嬉しかったのだ、親友から応援してもらえる、これほどの喜びは中々ないだろう。関取くんはその喜びを噛み締める様に感じだ。その後、何人からも「頑張って」と言われた。が、やはり加藤から言われたの言葉が一番嬉しく思えた。やはり自分が信頼してる人から言われる言葉は一味違うのだろう。


ここで休み時間終了のチャイムが鳴る。生徒達は残念そうな顔をし

渋々と席についていった。数学の先生が来ると授業が始まった。

関取くんは授業が始まりといつもけわしい顔をする。勉強が苦手なのだ。というか相撲と家事以外、殆どが苦手なのだ。なのでいつも当てられないかどうかドキドキして授業を受けている、緊張しないで受けれる授業なんて総合や道徳くらいだ。

「はい、じゃあ関取くんこの問題解いてみて」

関取くんは最悪だと言いたいばかりの顔をし立ち上がった。

問題は普通の足し算に-1の様な数字が入っただけなのだが関取くんにはどういうことか難しい。一応答えは出たのだがあってるかどうかは分からない、不安な気持ちを胸に一杯にしながら答えた。

「……-2……でごわすか?」

関取くんの顔から冷や汗があふれ出す。

「ん? どういう計算したらそうなったのかな?」

「……すいません。おいどん、どうも数学は苦手で……分からないでごわす」

もういいよと先生が言った後、関取くんは真っ赤な顔で照れながら座った。それと同時にどっと笑いがおこった。関取くんではなかったらバカにされてたり悪い意味で笑われたりしただろう、しかし関取くんの場合は自然と笑いが起こった。こんな状況でさえ、笑いを生み出してしまう人気者の関取くんであった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ