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第13話
その後、ほどなくして老王はその生涯に幕を下ろした。齢を重ねること、60にわずかに届かないほどの歳となっていた。この時期においてはかなりの長生きといえよう。さらにいえば、この老王は子を作ることもかなり遅かった。これらが特筆されると、後の歴史書は語る。
ただ、グランド王国というのは、よくよく組織をされた特別な国であったとされる。現在でもグランド王国というのは存続をしており、国王あるいは女王を中心とし、一族である公あるいはその代表者である1人あるいは2人程度の大公、伯爵以下の貴族、さらに準貴族位などが多層的に整備されている。
歴代の君主が眠るのは、王都にある大聖堂で、グランド大聖堂という。そこで眠る歴代の君主のなかでも群を抜いて巨大で、壮麗で、比肩しうるものがないと評される墓石がある。それがこのグランド王国初代の老王の墓石である。
崩御の際の葬儀には世界の全員が集まったと言われるほどの参列者が来たとされる。彼らはみな、この老王が偉大であり、当時に生きたことを、この老王を直接知って共に生活をしていたことを喜んだという。墓石にはこう刻まれている。
『当代の最も偉大なる王、他に知ることもなく、いかなる者も叶わぬ王。アテル・グランド、ここに眠る』




