表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/13

第12話

「……ここまで話して、いろいろと思うことがあるだろう。それはわかっている。だが、最後まで聞いてくれ。お前が思っているよりも終わりというのは必ず早く訪れるものだ。もう目の前に死神が鎌を振りかぶっているのが見える。だからお前には一つ頼みがある。

 どうか、余がいなくなったあと、息子らの手助けをしてやってほしいのだ。お前は余の命を狙っていたが、今となれば余の命を助ける役目になっている。それと同じように、息子らがどんなことを言ったとしても、この国をより繁栄させ、どこよりも長く生き永らえさせるために。これは余の命令であり、余の頼みでもある。

 答えは言わんでいい。最後は頼み、だと言っただろう。余は答えを求めてはおらん。お前が好きなようにしたらいい。だが余の思いは伝えた。余としてはそれで満足だ」

老人が大きく頭を下げて何かを言おうとしているのを、老王が制止する。

それだけで、何を言いたいかを老王が理解をしているということだろう。

「……さて、今日も遅くなってしまったな。余もそろそろ床に就くこととしよう。お前も下がるんだ。また明日、忙しい日々を送ることとなるのだからな」

「御意……」

深々と、改めて頭を下げる老人が、ゆっくりと老王に頭を向けたままで部屋から退室していく。

ここでようやく緊張も解けたようで、老王はゆるやかに壁を下から上へと視線を向ける。

ふぅ、とため息を一つ。

空気はいまだに冷えない、ただ熱を帯び、それは人生の暖かさにも思えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ