第一章 3話 物の価値
目覚めてから数時間ほどの時間が過ぎました。恩人ーオーバーロードさんー「私のことはオーバーロードと呼んでくれ。敬称は必要ない」・・・オーバーロードとオーバーロードの仲間達ー『ムーン・ナイト』という冒険者パーティに助けられた
魔物の中でも強い部類に入る竜ー竜族下位竜との戦闘で勝利した後に気絶。その後に何者かによって、僕の"左目"を奪われて、オーバーロード達が無くなった"左目"に義眼を埋め込んでくれた
助けてくれた『ムーン・ナイト』の方々にお礼を言う為に今日は冒険者パーティ『ムーン・ナイト』が所持している建物に泊まることになった。正確にいうと御礼を言う為ではなく、"義眼"を埋め込んだことによる後遺症が起きていないのか数日ほど様子を見ることになったのが理由
流石にそれはできないと最初は断ってましたが何度も話し合ったことで僕は折れて素直に泊まることになった
「君は料理できるんだね・・・やれやれ、君は私の予想を上回る」
無償に泊まることになったのでオーバーロードに料理を作ることにした。これが僕からの御礼だけどこれじゃ、物足りないかな?作った料理はカレーとサラダの2品。少ないと思ったらまだ作る予定
「ハム・・・上手い・・・今日はバナナだけにしようと思っていたが・・・」
どうしてバナナだけで食事を済ますのだろうかこの人
聞いた話では料理できるとこと。なら、料理をして栄養バランスを取ろうとはしないだろうか?どうしてなのか聞いて見たら料理はできるがやりたくないらしい・・・ん?
話を聞くと料理をするのが面倒という理由でやりたくないのではなく、『ムーン・ナイト』のメンバーに"大食い"の方がいて、材料費がとんでもないとか。料理を出来ても量の多い献立を考えたり、作るのは時間がかかるので嫌らしい。なので、バナナで済まそうとしているとこと。いや、バナナは関係無いのでは?食費については一ヶ月の食費が金貨10枚から50枚・・・それ以上に消費するとか
これには驚いた。僕の食費は月銀貨300枚ほど。その何十倍・・・数百倍かな?
《金貨一枚の価値は分かりやすく言うと日本円で20万円ほどです
『ムーン・ナイト』の食費は月200万円から1000万円ほどとなります
シオンの食費は月3万円ほど
この世界のお金は
銅貨・・・1枚の価値は日本円で1円
銀貨・・・1枚の価値は日本円で100円、銅貨100枚相当の価値がある
金貨・・・1枚の価値は日本円で1万円、銀貨100枚、銅貨1万枚相当の価値がある
白銀金貨・・・普段の市場では出回らない金貨。1枚の価値は日本円で1億円、銅貨1億枚、銀貨100万枚、金貨1万枚相当の価値がある
商品の価値は基本的に日本と変わらない
例外なのは武器や防具、魔法呪具などだ
消費税はありません》
「料理というのは楽しいが生憎、うちのパーティには"大食い"がいるから私だけでは料理の量をカバー出来ない。私以外にも料理できる人もいる。料理人はいるが"彼女"に普段任せている。本職は魔法使いであるが料理人でもあるからね。それは今関係ないか・・・」
凄いな・・・と感想がある。一般人の月給は最低金貨20枚。最低賃金を儲けている王都リューンは月給は最低金貨30枚ほど。最低賃金を支払っていない団体は罰金を課せられる。労働者を守る法律があるこの国は比較的、安心。冒険者は倒した魔物によって稼げるお金が変わる。あまり魔物を倒せない冒険者は最低賃金に届かない。この場合、国から最低賃金に届くように冒険者にお金を渡すことがある。ただし、これは国に申請の手続きをした人しか当てられないので本人が申請しないと意味がない
国は労働者を守るために色々と対策をしているということ。ちなみに僕の月給は金貨60枚だ。ランク1の冒険者の平均月給は国からの補助金を除いて22枚ほど。これを知ったのは最近である。聞いた時は嘘だと思ったけど冒険者組合の人からの話だから本当なんだ。
僕は冒険者ランク1の中でトップ・・・トップクラスなのかと言われると怪しいけど上位2%以下まで稼いでいると聞いた。そのお金で何をしているかと言われるとあんまり使っていない。物の価値はそこまで・・・王都の物の価値は田舎や大きな町と比べて高い。
例えば、トマトがあるとしよう。ある町のトマトの値段は銀貨1枚と銅貨40枚。王都は銀貨2枚と銅貨60枚ほどの差がある。ランク1の冒険者にとっては痛手である
あっ!ちなみにバナナ一つの値段は王都では銀貨5枚だよ。バナナは他の食材と比べると異常に高い。野菜一個に対しての平均価格は銀貨1枚銅貨50枚から銀貨5枚ほど。それぞれ違いがあるものの高い部類に入る。僕が部屋に入った時は大量のバナナがあった。合計・・・金貨何枚だろうか?
オーバーロードがバナナだけで済まそうとしているけど普通の人達からしたら想像つかない生活だ。栄養偏る、体が資本である冒険者は栄養バランスを考えないといけないのにこの人は何をやっているのやら・・・
「君の料理はうまいな・・・(しかし、この料理・・・どこかの地域の郷土料理か?王都で食べたカレーとは違う味がある。どこかで食べたことがあるのだが・・・どこだったか?まあ、美味しければそれでいいか)」
投稿2日目
どうもルセイです。第3話を投稿しました。面白かったですか?面白くなかったという人には興味を持って読んでくれましてありがとうございます
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次回もお楽しみに〜