第一章 第11話 ランク8の冒険者 ヘル
レイさんとシルファと別れて、『ムーン・ナイト』が所有している家に向かっている。ダンジョンから数分くらいの距離のある場所なのでそこまで時間はかからない。このまま、帰ろうと考えていると腹の音が鳴る
そういえばもう、6時なのか。夕ご飯を食べる時間になっているとは気づかなかった。うむ・・・早く帰ってご飯を作るか飯屋に言って何か食べるか・・・どうしようかな。どこかに近くに飯屋はあるかな?
僕は歩いていると飯屋に着く。近くにある飯屋であるがどんな店なのかは分からない。あっ!看板がある。何々・・・定食屋なんだ。書いてあるのは10種類のメニュー。どれにしようか迷うがまずは値段だ。メニュー表を見ると1番低い値段の定食で銀貨7枚ほど、1番高い物で銀貨12枚ほどのメニューの値段が書いてあった。別に安い物を頼もうとは考えていないので好きなものでも頼もうかと考える。どれにしようかは迷うがカレー以外にしよう。昨日と今日の朝はカレーだったからね。カレーは2人分だけだからすぐに無くなったけど今日の夕ご飯がカレーじゃないといけないわけではないので別の物にしようと考える。誰にしようか本当に迷うが・・・これにしよう
僕が選んだのは唐揚げ定食だ。値段は銀貨8枚で他の定食と比べると安いほうだ。ここの唐揚げを食べたことはないし、入ったことはないが楽しみとして入ってみよう
「いらっしゃい!一名入りました!店長!」
と女性の声が聞こえた。この店の店員を見ると全員女性だ。それと、僕と同じ客のほとんどが男性ーではなく、女性客だった。女性に人気な店なんだろうか?勿論、男性客もいるもいるのでそこまで考えることはない
「ここにしよう」
僕は椅子に座る。目の前にメニュー表があるけど決めているので店員に言う
「すみません。注文したいです」
ある程度の声を出すと近くの店員さんが反応して、僕の近くに来る
「唐揚げ定食一つ」
「分かりました。他にはありますか?」
「いえ、唐揚げ定食だけです」
「分かりました」
これで注文した。あとは定食が来るだけ。少しくらいの時間はかかると思うけど長い時間かかるようなことはない。待っている間に何をしようかと考えていると隣に男性が座る
「おや、初めて見たな・・・新人かな?」
防具を着ている赤髪の男性。僕と同じく冒険者なのは見た目でわかる
「ん?はい、そうですが・・・貴方は?」
見た目だけ判断はいけないけどこの人は高ランクの冒険者と僕は思う
「俺?ああ、俺はヘルだ。よろしくな」
男ーヘルさんは僕に名前を教えてくれた
「僕はシオンです」
「シオンね。了解した、すまないね。突然、声をかけて」
「いえ、大丈夫です」
いい人。僕でも仲良くなれる
「ヘルさんは高ランクの冒険者の方ですか?周りにいる冒険者達とは格が違うように感じます」
思ったことを言うとびっくりした顔をするヘルさん。そんなに驚くことなのかな
「おっおう・・・よく俺が高ランクの冒険者と分かったな・・・(そんなにすごい人と見えているのかこの若者・・・)間違ってはいないな。ランクは8。最上位クラスの冒険者だ」
ランク8!?今日は高ランクの冒険者に遭遇するのが多いような・・・というより、この人、なんで僕を気になっているの?僕はランク1だから普通なら興味ない対象だと思うんだけど・・・
「え!?凄いですね!なら、なんで僕のことを見ていたんですか?ここの常連客で初めて見た客に興味があったからとか?」
ヘルさんは首を傾ける。アレ?違ったの?
「?違うよ。君の顔があの人に似ているから・・・ほら、『太陽の女神』のところの団長さん。あの人に似ているから気になったんだ」
母さんを見たことがあるんだこの人・・・失礼なことを考えてしまったけど高ランクの冒険者が母さんのことを知っていてもおかしくないか。母さんのランク9だからね
「母のことですか?」
また、びっくりする顔をするヘルさん
「母・・・え?(あの人に子供がいるとは知っていたが・・・似ているとは思っていたがまさか、あの人の子供!?おいおい・・・そりゃ、竜殺しの称号を持つ新人が生まれるわけだ)・・・ああ、だから似ているのか。親族かと思っていたよ・・・(確かにこの新人は普通の冒険者ではないな。あの称号を獲得できるような環境で生まれたのなら納得だ)あの人に子供がいるとは聞いていたけどまさか・・・君だとはね・・・やれやれ、世界は広いようだ」
世界が広い?なんの話をしているのだろう?何か1人で納得しているけど僕は理解できていない。でも、僕が『太陽の女神』の団長フレイヤの息子なのは事実だし、突然の話に受け入れているこの人はすごい
「母とは知り合いなんですか?」
「ん?ああ・・・知り合いだよ。ランク8以上の冒険者が集まる会議みたいなものがあって、そこで会っているんだ。最後に会ったのは・・・・・・1ヶ月前か・・・まあ、君の母親とは深い関係とか特にないし、知り合い関係みたいなもんだからね・・・」
何やら母さんについて詳しい様子。母さんとは知り合いみたいだし、信じてもいいかも
「俺は何か食べようか・・・店長!カレー定食一つ頼む!」
「はいはい、分かったわよ。ヘルちゃん」
「ヘルちゃんは辞めてくれよ・・・俺は28なんだぜ?ちゃん付けは辞めてくれや」
「私から見たら子供みたいなものよ」
と店長とヘルさんの会話が聞こえる
「そっそれより、ちゃんと注文したカレー定食頼むぜ。店長」
「誰に言っているんだい?私を舐めないでほしいわね。ノンちゃん。カレー定食一つよ!」
「はい!店長!」
厨房にいる料理人に話す店長。僕は唐揚げ定食が来るまでヘルさんと話すことになった
次回もお楽しみに〜




