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青春の始まり

 先生に連れられ体育館に入るとおそらく部長だと思わしき人が先生に気づき合図をかけた。


「集合!」


 その一言で今まで練習していた部員とマネージャーが先生の前に瞬時に並んだ。


「練習を中断させてしまって済まないね。今日からまた新しく部員が増えます」


 先生がそう言うとみんなの視線が俺の方へと向き、俺は緊張しながら一歩前へ行く。


「今日からバスケ部に加入する山下  純平(やました じゅんぺい)です。よろしくお願いします!」と簡単な自己紹介をし部員の方々を見渡すと何名か知っている顔があった。



 少し間が空き、俺の自己紹介が終わったのを確認すると先ほど集合の合図をかけた方が自己紹介を始めた。


「山下君バスケ部へようこそ!俺の名前は山崎 慎太郎(やまさき しんたろう)、バスケ部で部長をしてます。これからよろしくね。でこっちのは副部長の......」


「副部長の佐々木 翔太(ささき しょうた)です。久しぶりやねじゅんじゅん」


「はい!お久しぶりです翔太先輩!」俺は腰を九十度に曲げ深々とお辞儀をした。俺が頭を上げるとその流れで次々に先輩方が自己紹介をしてくれた。


 そして最後の方に自己紹介をしてくれた3名俺と同じ一年のバスケ部員だった。


「一年の朽木 瑠唯(くちき るい)です。学科が違うから初めましてだよね?これからよろしく」と言いその次に続いたのは同じクラスのやつらだった。



「部長!俺と優斗は純平とは同じクラスなんですけど自己紹介する必要ありますか?」


「同じクラスでも形だけでもやっとけ!」と山崎先輩がいうと簡単な自己紹介をしてくれた。


「改めてにはなるけど田中 優斗(たなか ゆうと)です。よろしく」


宮崎 渉(みやざき あゆむ)です。よろしくな純平」


「みんなの挨拶も終わったことだし練習再開するぞ」と山崎先輩が手をたたきながらコートへと向かっていく。それに続いて先輩たちもコートに行き中断していた練習を始めていった。


「あの、先生...... 俺は何をしたらいいんでしょうか」


「そうだね、ドリブル練習でもしようか」といい先生はかごからボールを取り出し4種類のドリブルを混ぜたセットメニューを見せてくれた。


「山下君にはさっき見せたメニューを一時間ほどやってもらおうかな」


 俺はうなずきコートの端で言われた通りのメニューを黙々とやり続けた。そして1時間が経過したとき一年メンバーに集合の合図がかかった。


「山下君以外はわかってると思うが今日の体育館での練習は終わるから片づけをしてくれ」


「山下君は三人に聞けば教えてくれるから片づけのこと教えてもらって」


「「「「はい!」」」」俺らが返事をすると先輩はタオルとドリンクを持って部室に向かっていった。


 それにしても部活開始の時刻からまだ二時間もたってないのに体育館での練習が終わってしまった。なんというか物足りなさを感じてしまった。

 そんなことを考えてると瑠唯から呼ばれ一緒にモップ掛けをすることになった。


「瑠唯君さ質問なんだけど今日の練習って終わり?」


「そうだね、これから女バスの人たちがこのコート使うから体育館での練習は終わりだね」


 瑠唯君がそう言い俺はすべてを理解した。現在体育館では3つの部活が行われている。コートの横半分をバドミントン部がそして残りの半分をバレー部とバスケ部で分けている。

 そしてバスケ部にはどうやら女子のバスケ部があるらしい。だから二時間もたたずに練習が終わったのだと。


「これから外に出て走り込みがあるから完全に練習が終わっりて訳じゃないから急いで終わらせようか」そう言って瑠唯は急いでモップがけを終わらせた。


 ☆


 それから時がたち俺がバスケ部に入部して二ヵ月が過ぎようとしていた。そして今の俺はコートに立ち公式試合に出てるのである。


「優斗、パスくれ!」俺がそう叫ぶと優斗が俺にパスをする。そして俺はそれを受け取りゴールに向かってシュートした。俺の放った3Pシュートはきれいな弧を描きゴールに突き刺さる。


「ナイス!シュート!」俺は優斗とハイタッチをしようとしたがバスケではそんな時間はあまりなくすぐにディフェンスの準備をしに下がらなければならない。



 相手のポイントガードがボールを持ちこちらへと攻めてくる。俺は必死にディフェンスをするが俺のディフェンスは簡単に交わされシュートを打たれてしまったが、渉がカバーに入ってくれたおかげでゴールに決まる事は無くボールは宙へと跳ね上がった。


光輝(こうき)、リバウンド!」渉が叫び光輝が飛び上がる。荒井 光輝(あらい こうき)は身長180を超える巨漢で今このコートに立っている選手の中では一番大きい。本人は運動は得意じゃないと言っていたがそのその背丈があれば負けるはずがなかった。

 光輝は軽く飛び上がり腕を伸ばすと簡単にボールをつかみ取り瑠唯にパスをすると瑠唯は即座に前へ走っていた(りょう)へとボールを投げつけ、それを涼が受け取りシュートを決めた瞬間、第3Qが終わった。


「チャゲ、ナイスシュート!」瑠唯は涼に駆け寄りハイタッチしていた。

 チャゲこと永井 涼(ながい りょう)。瑠唯と同じクラスの子で光輝と同じく高校からバスケを始めた初心者だ。チャゲと呼ばれてる由来は髪の毛が茶髪だからだとか。そんなことはどうでもいい、今の俺たちは文字通り疲労困憊、絶対誰もが休みたいと思ている。

 話を戻すが、今俺たちが参加している大会は新入生用の大会だ。つまり先輩たちは参加することが出来ない。そして俺たちバスケ部の新入生はぴったり五人。つまり交代ができないのである。


 俺たちはドリンクを飲み「点差はこっちが三点リード。このままいけば勝てる」そう励ますことで空元気をだし第4Qへ向かっていった。そして3分ほどが経過したとき事件は起こった。いつものように光輝が飛び上がりボールをつかみ取り着地したとき光輝がよろめき倒れボールはコート外に転がっていった。

 光輝は着地の際に足をひねって捻挫をしてしまった。もちろんこのまま試合に出ることはできず交代メンバーもいないため4VS5のバスケットボールが始まった。そこからの試合展開は酷かった。

 今までリバウンドのかなめだった光輝がいなくなったことでリバウンドの取得率が下がり、さらに人数差を生かされこちらが防戦一方な展開が続き精神的にも肉体的にも終わっていた。


 そして間もなくすると試合終了のホイッスルが鳴り俺たちの初めての公式戦は幕を閉じた。


 それから数日後光輝はバスケ部を去ってしまった。


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