転29 〈邪神〉だけど、絶対に許さないので凹凹にする!
日間ランキング・ローファンタジー部門85位……!(≧∀≦)
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感謝……( ˘ω˘ )人
手始めに、念動ビームを宮内へと砲撃する。
今度は、最初っから、最大出力照射だ。
同時に、別の〈邪神〉パワーを開放。
念動ビームを撃ち続けながら、仕掛けるタイミングを測る。
「馬鹿な小娘がっ! 我が〈神〉の護りを破れぬことは、
わかりきったろうにっ!」
宮内が、得意げに、そうほざき叫んだ。
確かに、念動ビームは、〈旧神の印章〉によって強化された、
〈障壁〉魔法で、完全に防がれている。
半球状の、淡紫色に光る障壁は、小揺るぎもしていない。
このまま念動ビームを撃ち続けても、宮内の障壁を
破壊することは、できないだろう。
その結果、さきほどの再現になってしまうのは、明白だった。
けれど、さっき、宮内と問答している間に、心の中で、ジョー●ター卿こと
ジョー●・ジョー●ターが、優しく語りかけてくれたのである。
『あゆら、それは無理矢理破ろうとするからだよ。逆に考えるんだ、
“障壁なんて破れなくてもいいさ”と考えるんだ』
そう────障壁を破れないのなら、別の角度から、
攻めればいい……!!!
並の魔導師や異能使いなら、手詰まりの局面なのかもだが。
この身は〈旧支配者〉、〈水〉の〈神〉、
クトゥルフの分け御霊、その転生体。
……………ちゃちなペテン師に無礼られたとあっちゃあ、
〈本体〉に顔向けできないんだよっっっ!!!
「っちぇすとぉぉぉぉぉぉぉぁぁぁぁぁぁぁ────────っっっっっ!!!!!!!!!!!」
機は熟し、気を発して、一気呵成に、
〈邪神〉パワーをかなぐり振るう。
〈邪神〉パワーで、宮内の真上に発生させていた、巨大な水球が、
マッハで降下した。
「んなっ!?」
宮内が気づいたようだが、遅い! 遅い! 遅いっっっ!!!
囮の念動ビームを防ぐのに気を取られ、頭上の発生した魔力の塊に
気づかないとは!!! やはりヤツは凡庸!!!
時☆既に、王手詰み!!!
念動ビーム照射をやめ、即座に、巨大水球の操作に切り替える。
巨大水球は、宮内を中心とした、半径10メートル範囲の空間を
押し潰すように、落下した。
が、無論、水球が、宮内を護り包む、〈旧神の印章〉の半球障壁を
破ることはできない。
でも、それでいい。
“自分の障壁は破られない”
───その油断が、命取り……!!!
「ふぅうううううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっっっ!!!」
巨大水球を瞬時に氷結化させ、宮内を、〈旧神の印章〉の障壁ごと、
閉じこめる。
そして、宮内の立つ地面の下まで、丸ごと氷を行き渡らせ、
氷塊の檻を完成させた。
宮内がなにか行動するより早く、私は、氷塊の檻を、
宙に浮かび上がらせる。
形が不格好なままでは盛り上がりに欠けるので、
氷をさらに増加・補填。
“塊”としか形容できなかった檻の形を、
立方体の形状に整えた。
それから、アイス・キューブとなった檻を、空中で、
縦方向に高速回転させる。
次に、高速横回転、斜め回転、再び縦回転。
こんなことをしても、強固な〈旧神の印章〉の障壁は、
破壊できない。
けれど、いかに障壁が硬かろうが、その内側、
宮内の肉体は、重力と慣性の法則から逃れることは、不可能だ。
さあさあさあ、どれだけ、重力の衝撃に、
耐えられるかなあ~?(悪役台詞)
今のヤツは、振り回される虫籠に入れられた虫も同然。
天地の定まらぬ状況下で、自分が展開している障壁に、
四方八方、体を叩きつけられていることだろう。
運が悪ければ、首の骨など折って、即死しているかもだ。
一流の魔導師ならば、そんな極限の中でも、脱出の手段を
取れるかもしれない。
しかし、宮内は、〈旧神の印章〉という、
チート・アイテムだよりの三流。
ま、死んだら死んだで、あとはエストさんが
なんとかしてくれるだろ。(適当)
─────人の命を奪ってしまうかもしれない、という状況に、
恐ろしいまでに冷静、というか、投げやり、というか。
さして、動じていない自分に気づく。
相手が悪党ということもあるけれど、〈邪神〉覚醒してることで、
人間の生死を、俯瞰して眺めてる部分があるかも……?
などと、余計なことを考えられるくらい、余裕を持って
アイス・キューブの回転を操作していると。
キューブ中心に点っていた、淡い紫色の光が、消えた。
それは、障壁の消失を意味する。
なので、今度は、アイス・キューブをすべて、瞬時に水へと戻し、
水の立方体に変化させた。
超視覚、〈邪神〉アイで、その内部の状況を確認してみる。
……宮内は、なす術なく、溺れていた。
ブザマにもがく宮内の手には、既に、〈旧神の印章〉はない。
目を───〈邪神〉アイを凝らし、水の立方体の中をあちこち探すと、
すぐさま、神秘的な光を放つ護符を発見する。
〈旧神の印章〉は、〈救世主〉を騙る所有者を
見限ったかのように、宮内の手の届かぬ場所で、漂い浮かんでいた。
「あゆちゃん、凄い……」
「ふぁ……」
ヒメカとゆりちゃんが、一連の事象に感嘆の声をもらすのを
耳にしながら、私は、念動力で、〈旧神の印章〉を捉える。
そのまま、一気に水の立方体から引き抜いて、
後ろにいるヒメカの手元へと、送り渡した。
「ヒメカ、印章、持っといてくれる? 私が触ると、たぶん、
火傷しちゃうからさ」
これは冗談ごとではなく、マジバナシである。
〈邪神〉の転生体な私が、〈旧神〉の〈力〉が宿る代物なんぞに
触れたら、ダメージを喰らうのは間違いない。
吸血鬼が、銀製の十字架を手に取るようなもんだ。
「うん、任せて」
私の正体を知っているヒメカは、印章との因果関係を察して、
言葉短くうなずき、印章を手に取ってくれる。
「それと……あのオッサンを、ちょぉ~っとだけ、わからせてくるから。
ゆりちゃんのお耳をふさいで、こっちを見ないようにしておいてね」
「────今更だけど、殺しちゃ、駄目だよ。戦闘不能に
できたなら、エストに引き渡して、相応の罰を与えないと」
私の発言に、困ったように笑い、釘を刺してくるヒメカ。
〈旧神の印章〉のない宮内など、脅威ではないと理解し、
もうなんの心配もしていない様子だ。
心配しているとするなら、これから私が宮内に行う“わからせ”を、
やりすぎやしないか、という点だろうか。
「ダイジョブ、ダイジョブ、あんなチンピラ殺しても、
ウンザリするだけだから。殺しとか、ないない……じゃ、ちょっと、ね」
ニッコリとヒメカに笑ってみせて、宙に飛ぶ。
うん、嘘は言わないよ~、殺しはしないもの。
……………ヒメカを侮辱したんだ、楽に殺したりするものか。
ゆりちゃんを悲しませたぶんも合わせて、死んだほうがマシ、
と思うくらいには、報いを受けてもらおうか──────!!!
空中に浮かばせたままの、水の立方体に近づく。
その中の宮内は、体をばたつかせ、水面に浮かび上がろうと、
もがいているようだった。
ヨシ☆ 手伝ってあげなきゃ♪
念動力で宮内の体を、水の立方体からぶっこ抜く。
水の立方体は、もう、用済みなので、空中で全部蒸発させ、
消しておくことにした。
宙で逆さ吊りにした宮内は、飲んでいた水を吐き出して、
ゲホゴホガハと、耳障りなほど咳き込んでいる。
トレードマークっぽかった黒縁眼鏡は、とっくに
はずれてしまったようだった。
さあて────お仕置きの時間だよ、ベイビー。
私は、逆さ吊りになってる宮内の背後に回りこみ、できるだけ、
冷酷そうな声で語りかける。
「さて……どんな気分かなあ───? 圧倒的立ち位置で勝ち誇ってたら、
一瞬で、ボロ負けした気分は……?」
う~ん、こっちの気分としましては、
DI●に逆転した承●郎の気分でございますとも。
ちなみに、宮内の体は、念動力で全身ギチギチに拘束していた。
身じろぎひとつも、できないようにしている。
「女子高生が運転する車に、ラン●ボで峠勝負挑んだら、
相手の乗ってた車が未知のエンジン積んだハチ●ク
だった───ってのはどうかな……?」
我ながら、マニアックなたとえを口走ってるなあ、と思った。
宮内にも、話は通じてないに違いない。
でも、いいのだ、ただの脅し文句だし。
せいぜい、恐怖に怯えてもらうことにしよう。
「だけど───おまえのことは、かわいそうだとは、全然思わん」
承●郎ムーヴで、冷酷に宣告。
念動力を使い、宮内の右脚をボキッとな。
「うぎゃぁあああああああぁぁぁぁぁぁぁ────────────っっっっっっ!?」
うっわ、うるせえぇぇぇぇぇーっ!
宮内の絶叫に、思わず顔をしかめてしまう。
宮内は、悲鳴をあげたあと、身動きできない逆さ吊りの状態のせいか、
必死に口を動かしてきた。
「や、やめろぉっ! いえ、やめて!? やめてくださいっ!
わっ、私は〈聖導庁〉の司教ですよ!? こ、こんな無法っ!
非人道的な拷問は、許されないっっっ!」
………コイツ、今まで自分がさんざん非人道的な真似を
してきただろうに、いざ自分の番になったら、
立場を持ち出して被害者ヅラかよ。
『撃っていいのは、撃たれる覚悟がある奴だけだ!』って、
ル●ーシュも言ってんだろがっっっ!!!
と、ゆーわけで、宮内の正面に回りこんで、
勢いよく腹パン。(精神コマンド“てかげん”使用)
「ぐぼぇぁぁぐぅぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっ!!!」
逆さ吊りで空中に貼り付けられたまま、胃液やらなんやら吐き出し、
悶絶する宮内。
─────痛みを感じられる、って幸せなことだねぇ~
……“生きてる”って、実感できるだろぉ~?(悪役台詞PARTⅡ)
それじゃ次は、とばかりに、念動力で、宮内の体を、
地面に軽く叩きつける。
地上に降り立った私は、激痛にのたうち回る宮内を、
再び念動力を使い、無理矢理引き立たせた。
続けて、念動力により、宮内の口を、大きく開けさせる。
そこへ、小さな水球に生成した霊薬水を、放り込んだ。
「むぐぉっ!? ぐっ……! む……?」
霊薬水を飲みこんだ宮内は、一瞬、
苦しみ悶えるような声を出す。
が、すぐに、自身の体に起こった状態に、当惑したようだった。
霊薬水の効果で、私の与えたダメージが、
綺麗サッパリに消えたからであろう。
「体の痛み、なくなったよな? じゃあ、正々堂々、勝負といこうぜ」
本音を言えば、チートな〈邪神〉パワーで拷問しまくり、
『殺してください』と、宮内が哀願するまで痛めつけたいところだけども。
ヒメカが見てるからね、そういう残虐必殺技判定が
つきそうなのは、やめておく。
「ハンデをやるよ。私は、念動力とか、異能の〈力〉は
いっさい使わない。そっちは、〈身体強化〉の魔法でも
なんでも使って、かかってきな」
イキイキにイキってる私は、どこまでも承●郎ムーヴしちゃうのであった。
イキりをかけられた宮内のほうは、当初、話の流れを
掴めていなかったモヨウ。
が、だんだんと、私に『手加減してやるから、勝負しろ』と
言われていることを理解したようで、その顔を、怒りに歪ませていった。
「つまり西部劇のガンマン風に言うと─────
“ぬきな! どっちが素早いか試してみようぜ”ってやつだぜ」
承●郎第三部最終決戦時とは、ちょっと状況が違うけれど、
最後まで、承●郎の台詞をイタダキで使わせてもらう私。
「……っ! 舐めおって! 小娘がぁぁぁぁぁっっっっっっ!!!」
激昂した宮内は、おそらく、〈身体強化〉の魔法を使ったようだった。
身体能力を底上げして、私と格闘戦やるつもりなんだろうね。
でも、遅いんだよなあ。
─────私は、念動力や、〈水〉関係の異能の〈力〉は、
いっさい使わない、と言った。
けど、〈邪神〉ボディに備わった超身体能力とか、
怪力とかは、思う存分使うよ?
だって、聞かれなかったし?
当方、〈邪神〉ボディなかったら、か弱き十代女子ですし?
まさか、卑怯とは言うまいね。(悪役台詞PARTⅢ)
と、いうわけで、音速めいたスピードを出して、身をかがめ、
宮内の右脇をすり抜ける。
私の動きを、目で捉えることのできていない、宮内の右足首を、
片手で引っ掴み、そのまま、掬い上げた。
で、人形を振り回すかのようにして、宮内の体を、
ビッターン!と、地面に叩きつける。
「ぐえっ!?」
宮内は、そんな強い呻き声を吐き出した。
血反吐とかは、吐かなかったか。
〈身体強化〉の魔法で、耐久力も上がってるんだろう。
……………じゃ、もうちょっとだけ、強めに“わからせ”、
いっとくか!
〈邪神〉ボディの怪力で、再び、宮内の体を、足首から振り上げる。
「ひっ……!? や、やめ……!」
なんか聞こえたけど、無視してハイ、地面にビッターン!
「ぐげぇっ!」
ハイハイハイ、どんどんいくよー! 続けていくよー!
ビッタン! ビッタン! 本気ビッタン!
「ごっ! ぐぉっ! げぇっ! がっ! ぎっ! がぁっ! ぐべぇっ!」
地面に叩きつけるたびに、宮内の口から、苦しげな呻き声が上がった。
それでも、さっき言ったように、私は、この男をかわいそうだとは、
全然思わない。
この男は、こんなもんじゃ、全然許されないことを、
実際にしているのだから。
ゆりちゃんの〈力〉で、人が既に、何人も死んでいる。
今朝方のニュースで流れた飛行機墜落事故の死亡者は、
確か、百人を越えていた。
宮内の研究施設での、ゆりちゃんへの〈実験〉で、
他に死傷者の出る〈夢〉を無理矢理〈視〉させられていない、
なんてこと、期待するだけ無駄だろう。
今はまだ、ゆりちゃんに、多くの人の命を奪ったという自覚はない。
けれど、成長するにつれ、自分の〈力〉がもたらした結果、
その罪深さに気づいてしまうのは、自明の理。
子供に、重すぎる十字架背負わせやがって……!
絶対に、許さない……っっっ!!!
もし、〈神〉が許したとしても、〈邪神〉が許さない、
っつ~のっっっ!!!
ズドンッ!
おっと、いけない、即死しないように、手加減して地面に
打ち下ろしてたけど、怒りのあまり、若干、力入れすぎちゃった。
だけど、見たところ、宮内の肉体は、まだ原型とどめてるし、
問題ないよね☆
「………………………………………………………………………」
宮内の口からは、もはや呻き声すら出ず、命からがらといった、
呼気がもれるばかりの様子である。
よぉ~し、じゃ、もう一回、霊薬水を無理矢理飲ませて、
最初からスタート♪しなきゃだね!
そう発憤して、霊薬水を作り出そうとした時だった。
この場に、ふたりの人間が闖入してきたことを、
私の〈邪神〉イヤーで知覚する。
空を飛んでやってきたので、“関係者”であることは間違いなく、
私は警戒して、そちらにすぐさま目を向けた。
ひとりは、エストさんだったので、その姿に、やっと来てくれたか、
という思いになったけれど。
もうひとりの姿を見て、驚きひっくり返りそうになる。
「えっ。あン時の、おじいちゃん──────────っっっ!?!?!?」
そう、エストさんと共に、降り立ってきた人物は、昨夜、暴走族に
轢かれそうになっていた、あのおじいちゃんだったのだ………!
「やぁ~、どーも、どーも、昨日ぶりだね、お嬢ちゃん」
驚きすぎて、二の句の継げない私に向かって、おじいちゃんは、
なんてことない感じで、ニコニコと手を振ってくる。
そして、同じく、笑顔で、気軽にサラッと、のたまってきた。
「いやぁ~、昨日は自己紹介もできんかったからね、すまんかったね。
わしゃ、〈聖導庁〉ってトコで〈総統司教〉やっとる、
トマス・コンスタティンという者だよぉ~! よろしく~!」
………………………えええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ────────────────っっっ!?!?!?
【Tips!】“転21”でエストさんが言ってた『急に来日したお偉いさん』は、おじいちゃんのことですゾ!




