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邪神転生ガール  作者: megajoy
25/32

転25 〈邪神〉だけど、待ち伏せ闇討ちを返り討ち。

「あゆらちゃんと日明香ちゃんをもっとイチャ♡イチャ♡させるぞい☆」と言ったな。あれは、“嘘”だ。……いや、嘘、ってゆーか、しばらくシリアス(?)戦闘になります(^ω^;)

ヒメカと心のエネルギーをガッツリ満タンにした(意味深)あと、

ゆりちゃんと戯れながら、予定の時間を待った。


私たちがくつろいでいるホテルのある、九頭竜市中心部から、

港湾商業区画までは、飛行して行けば、十分とかからないだろう。

けれど、念のための五分前行動ならぬ、三十分前行動で、

現地に到着しておくことにした。


飛行編成は、ヒメカが〈魔法少女〉モードで先行し、そのあとを、

私がゆりちゃんをお姫様抱っこして付いていく形に。

もちろん、他人から目撃されぬよう、〈不可視〉の魔法を使っての飛行だ。


私たちが付いているとはいえ、高所の飛行は、ゆりちゃんを

怖がらせるか、と危惧していたけれど。

なんか、街の夜景を眼下に飛行するのを、ゆりちゃんは、

たいそうはしゃいで、笑い声などあげていた。


相当に、肝の据わった幼女である。

まあ、泣いて騒がれたら、こちらも困っただろうから、

非常に助かった。


……それはそれとして、ヒメカとの、街の上空初飛行が、ただの移動に

なってしまったことに、途中で気づき、密かに落胆しちゃう私。

どうせならね、デートの一部で、遊覧飛行的な感じで、一緒に

飛び回りたかったなあ~、って思っちゃうわけですよ。


それが、任務的なフライト! くそが!

〈聖導庁〉過激派の連中、絶対に許さねえ……!(八つ当たり思考)


そんな考えをしていたせいか、あっという間に目的地に到達する。

大型のコンテナが、整然と積み立てられ、並べられている区画だ。


他人の目には、私たちの姿は見えていないとはいえ、いきなり、

船が接舷している岸側に降り立つのはまずかろう。

離陸前に、そうヒメカと話し合っていたから、コンテナ群の、

適当な隙間のある場所に、着陸した。


地上に降りたって見渡すと、さながら、無数の鉄の箱で仕切られた、

迷路のようである。

外灯は点在しているけれど、それらの光が隅々まで行き渡るわけはなく、

逆に、ホラー映画めいた風景に見えるのだった。


さて、そんな景色に、怖がってもいられない。

ここからが本番だ。


目を閉じて、超聴覚で、周囲を立体視して、索敵する。


─────────おっとっとぉ~い……!

立体視でえた、この区画一帯の状況に、一気に

警戒感を引き上げざるをえなかった。


これは、用心で索敵して、正解だったわ。


「……ヒメカ、確認なんだけど、〈聖導庁〉のひとたち、

何人来る予定なの?」


「え───? エストからは、三人、って聞いてるけど……」


「顔と名前は、知らされてる?」


「うん。データで確認してるわ」


「……そのひとたちの中に、過激派の人間がいたみたい」


「えっ!?」


「このあたり一帯、囲まれてる。昼間、ホテルで襲ってきたヤツラ

みたいな、格好してるね。それに───銃で武装してる。

自動小銃ってやつかな。人数は、四十人ってところ」


目を閉じたまま、立体視を続けて、ヒメカに現状を告げる。

上空からでは、夜ということもあり、コンテナの陰に隠れていて、

目視では、見つけきれなかったのだ。


しかし、よくもまあ、うじゃうじゃと待ち伏せされたものである。


……エストさんの部下にも、過激派のスパイが紛れ込んでいた、ってわけだ。

私とヒメカが、本物のゆりちゃんを連れてここにやってきているのは、

もうバレバレなのだろう。


エストさんには、あとで文句をいっぱい言わなきゃな。


けどまあ、まずは現状を打破することが第一である。

事、ここに及んでも、私は余裕のよっちゃんであった。


私の〈邪神〉パワーがあれば、ハッキリ言って、過激派の有象無象うぞうむぞう

何人増えようと、敵ではない。

──────あれ? この思考、なんかラスボスそのもの?


こっちが正義の味方のはずなのに、なんかキマリ悪いなあ……。


「魔力で〈結界〉を張ってるとか、なにか、感じる?」


「……ううん。〈結界〉で、このあたりを封鎖してるとかは、

感じな────」


ヒメカが私に返答し掛けたところ、途中で口をつぐんだ。


「────今、〈結界〉が張られたみたい。わたしたちが

飛んできたのを、察知したんだわ」


「ちなみに、その〈結界〉、〈人()け〉の効果だけ?」


「たぶん、〈人()け〉と、〈静音〉───音を、外部に

もらさないようにする〈結界〉だと思う」


「そっか、じゃあ────」


気兼ねなしで、向こうを皆殺しにしても、構わないってわけだ。

って、ナチュラルに〈邪神ラスボス〉発言しそうに

なってしまった自分に、ちょっと驚く。


違う違う、そうじゃない。

そんなこと口にしたら、ヒメカから、嫌われちゃうからね。


「……手加減の必要は、ないってことだね」


邪神ラスボス〉な台詞を、よりソフトな言い方にして、

ヒメカに、ニヤリと笑ってみせた。

ヒメカは、そんな私を、硬い声と表情で、たしなめてくる。


「昼間の襲撃を失敗してるから、向こうも、全力で応戦してくると思う。

あゆちゃんの〈力〉が凄いのはわかってるけど、油断しないで」


「大丈夫、油断なんかしないよ。私も、最初っから、全力で、向こうを

全員、戦闘不能リタイアさせにいくから」


ヒメカを安心させるように言ったつもりだったけれど、台詞の内容が、

自信過剰に聞こえちゃったか?

困ったように、私へ、思案顔を向けてくるヒメカ。


「……船での脱出は一旦諦めて、この場は、飛んでホテルに引き返す、

っていう選択肢もあるんだけど───」


「こちらの動きがスパイに漏れてるなら、ホテルに戻っても、過激派が

待ち伏せしてると思う。表向きはまだ、ゆりちゃんは〈聖導庁〉が

保護してる、っていうていのままだから、本物のゆりちゃんを

また拉致っても、どこからも文句はつけられない───向こうからすれば、

私たちを闇討ちして口封じするには、絶好の機会だし。……私たちが

仕組んだ状況、逆に利用されちゃったね」


スパイ映画とかだと、主人公側の作戦が筒抜けだった場合、大抵、

退路は断たれているものである。


「それじゃあ、わたしの屋敷に、一度、避難する?」


「───ヒメカの屋敷には行ってみたいけど。それはまた、別の日に。

……向こうがその気なら、こっちも、今の状況を、利用しちゃおうよ」


「え?」


「さっきも言ったでしょ? 手加減の必要はない、って。

ココに来てるヤツラ、全員を叩き潰して、闇討ちし返しても、

なんの問題もないから。だって、表向き、ココには〈聖導庁〉の

人間なんて、ひとりも来てるはずないんだもん。いないはずの

人間について、どうこう言えないのは、向こうも一緒、ってこと」


違う?、と、ヒメカに向かって、いたずらっぽく笑ってみせる。


「で、全部片付けたあとで、エストさん本人を呼んで、ゆりちゃんの

避難を直接請け負ってもらったほうが、過激派が手出ししてくるリスクは、

減るんじゃないかな?」


「────そうね。あゆちゃんの言うとおりだわ。あゆちゃんの

方針のほうが、ずっと確実だと思う」


私の意見を、わずかに吟味したあと、ヒメカは、納得したように

うなずいてくれた。


あまりの納得ぶりに、なんだか申し訳なくなってしまう私。

なぜなら、言ったことの半分は本当だけど、もう半分は、

ただ、私が、ゆりちゃんを拉致ろうとしてる連中を、物理的に

わからせてやりたいだけだったりするからである。


しかし、今更そんなふざけたことは、口に出せなさそうな雰囲気。

なので、真面目な表情を作って、ヒメカにうなずき返しておくのだった。


「……あゆらおねえちゃん、ほんとうにだいじょうぶなの?」


ゆりちゃんが、心配そうに、たずねてきた。

私とヒメカのやりとりを聞いていて、事態が、良い方向に

進んでいないことを、察したのであろう。


「大丈夫だよ~。お姉ちゃんには、秘密の作戦があるからね~」


安心させるように、そう笑ってみせ、その頬をつんつんと軽くつつく。


我に秘策アリ!

いや、たった今、思いついたんだけどね!


「あゆちゃん、作戦って、どんな?」


私の口からでまかせを、律儀に確認してくるヒメカ。


「あー、まあ、やること自体は、朝からやってるのと、

全然変わらないかな」


苦笑してから、お姫様だっこしていたゆりちゃんを、地面に下ろす。

それから、ゆりちゃんを、ヒメカに預けた。


「ちょっと、集中作業に入るから、ゆりちゃんをお願いね」


「うん、わかった」


そううなずくヒメカに、笑って見せたあと、ふう、とひとつ深呼吸。

……よっしゃ、さあ~、いっちょうやったるか────────!


気合いを入れて、〈邪神〉パワーを発動……!


目の前に、大型の水球を発生させ、それに手足を形づくる。

出来上がったのは、〈水幻影身アクア・ミラージュ〉、透明状態の妖怪ぬり●べバージョン。


それを、立体視で確認した敵の数に足りるだけ、

どんどん精製していく。


この様子を見て、ヒメカが、心配そうに声を掛けてきた。


「あ、あゆちゃん、こんなに魔法人像ゴーレム作って、魔力は、大丈夫なの……?」


「うん? 全然平気だけど?」


あれ? 私またなんかやっちゃ(テンプレ以下略)

チートキャラ台詞はさておき、私の体感的に、魔力が減った感覚は、

まったくなかった。


当方、〈邪神〉ですしね! このくらい、よゆ~よゆ~!


なんて、ちょっと調子にノリすぎかな?

油断して、失敗しないようにしなきゃだね。


「よし、それじゃあ……作戦、スタート!」


そう宣言して、〈水幻影身アクア・ミラージュ〉の一体目と、五感を同期リンクする。

視界が切り替わるやいなや、私は、〈水幻影身アクア・ミラージュ〉の巨体をダッシュさせた。


同時に、立体視で、敵の位置を確認。

手近な敵へ向けて、〈水幻影身アクア・ミラージュ〉を猛スピードで接近させる。


コンテナとコンテナの間に潜んでいた、二人組の男たちは、

突如肉迫してきたこちらの存在に、気づきはしたようだった。

けれど、もう遅い。


一気呵成の勢いで、〈水幻影身アクア・ミラージュ〉を突進させ、

男ふたりを、水の体に呑みこませる。


そのまま、〈水幻影身アクア・ミラージュ〉を氷結化。

過激派ふたりの氷漬け、一丁上がり! 次!


氷像と化した〈水幻影身アクア・ミラージュ〉との同期リンクを切り、

続けざま、待機させている別の個体と同期リンクさせる。

今度は大ジャンプを繰り返し、コンテナからコンテナへ跳び移り、

捕捉している標的、別の二人組に接近。


すると、向こうも気配を察して、〈水幻影身アクア・ミラージュ〉の姿を確認したのか、

銃口を向けてくる。

だが、二人組は呆然と硬直して、すぐに発砲はしてこなかった。


透明ぬり●べな、こちらの正体が、把握できなかったからだろう。

なにせ水そのものの巨像が動いてて、一見では“透明で大きななにか”としか、

わからないのだから。


気分は、古典エイリアン襲われ映画、『プ●デター』で、

プ●デターに遭遇した兵士だろうな。


あのプ●デターも、チートな科学技術で、初見殺し的に兵士を

襲っていくんだよなあ……。

────まあ、私も、チート〈邪神〉パワーで、容赦なく襲うんですけどね。


二人組が我に返って、なんらかの行動を取るよりも早く、私は、

水幻影身アクア・ミラージュ〉を跳躍させた。

二人組は逃げだそうとしたようだったが、残念! 逃がさないぜぇ~?


おっと、こんな台詞思い浮かべてたら、どっちが悪党かわかんなくなるな。

ふひっ!


油断するまいと自戒しつつも、ノリノリで〈水幻影身アクア・ミラージュ〉の巨体を、

二人組めがけて、上から飛びかからせる。

気分は『デッド・●イ・デ●ライト』のキラーだ。


二人組の発砲を許す間もなく襲いかかり、〈水幻影身アクア・ミラージュ〉の体内に、

ふたりまとめて取り込む。

で、冷凍、カッキーン! ハイ、次行ってみよう!


同期リンクを切って、次の個体に切り替える……のだけど、

この切り替える時の目眩めまいは、やっぱキツい。

私の〈邪神〉ボディなら、連続する目眩めまいのせいで昏倒してしまう、

なんて恐れはないが、気分悪くなるものは、なるのだ。


同期リンク切り替えの回数を減らせないものか、と一考。

……あっ、そうか、動かすユニットと、

攻撃効果範囲を大きくすればいいんだ。


魔力消費量を気にしなくていいからこそ、やりたい放題の

アイデアを思いついてしまう。

向こうが、〈人()け〉と、〈静音〉の〈結界〉を張ってくれているので、

一般人の目を気にする必要もない。


思いついたら、即・実行!

やってやるZE……!


再び〈邪神〉パワーを使い、待機させていた〈水幻影身アクア・ミラージュ〉群を、動かしていく。

別個だった群体を、ひとかたまりの、巨大な存在へと、

融合合体させていった。


ついでに、追加でいくつもの水球を発生させて、それらも投入し、

さらに巨大化を図る。


「すっごーい! とうめいな、きょうりゅうさんだ~っ♪」


融合合体を果たして、新たな姿を形づくった巨大〈水幻影身アクア・ミラージュ〉を目にし、

ゆりちゃんは、そう声を弾ませた。


うん、龍です。

日本の伝承に出てくるタイプの、蛇型ドラゴン。


体長は、40メートルくらいかな。


「あ、あゆちゃん……? 今度は、なにをする気なの……?」


私が巨大な水の龍を作り出したのは、さすがに想定外だったのだろう。

困惑と驚愕の入り交じった声で、ヒメカが私に確認してきた。


相談ナシだったから、うん、マジでごめんです。


「ちょっと敵の数が多いからさ、まとめて薙ぎ払っちゃうカンジの

攻撃方法がいいかな、って思って。あ、やることは、やっぱ変わんないよ?

氷漬けにして、戦闘不能リタイアしてもらうだけだから」


そう言ってしまって、あれコレ、やっぱ悪役の台詞っぽい?、

なんて思ってしまった。


そんな私に、ヒメカは、呆れたような、困ったような顔をして、苦笑する。


「────まあ、向こうも、重火器で武装してるみたいだから、仕方ないか。

……でも、やりすぎないでね、あゆちゃん」


「オッケー。あゆら、いきまーす!」


ヒメカのGOサインも出たことだし、水ドラゴンとの同期リンクを開始。


怪獣同然の巨躯を、動かし始める。

立体視で、敵の動きを確認しながら、コンテナの列を悠々と飛び越え、

水ドラゴンを接近させていった。


巨大サイズだから、移動スピードが遅いかといえば、さにあらず。

そこは私の〈邪神〉パワー魔力ブースト、めっちゃ速い。


水だから、透明ではあるけど、空間の揺らぎで、水ドラゴンの

巨大な輪郭は、視認できてしまう。

積み上げられたコンテナよりも、全然全高があるため、夜闇の中とはいえ、

その存在は、一目瞭然であった。


私の〈邪神〉イヤーに、敵さんの通信会話が飛びこんでくる。


『なっ、なんだアレはっ!?』


『隊長っ! 透明で識別不明の、巨大な、巨大な…不明存在アンノウン発見!

目標の魔法少女が召喚した、使い魔の可能性あり!』


『なんだあの動きは!?』


『はっ、速いっ! 速すぎるぞっ!? こっちに来るっ!』


は~い♪ 来てま~す♪

とりあえず、SHIんでもらえるかな☆


いや、違う違う、そうじゃない、そうじゃないのよ。

コロコロしちゃったら、イカンのだった。


まずは、射程距離に入った標的ターゲット・ロック・オン!

Swallow(こいつを) THIS(喰らえ)!!!


気合いの念と共に、水ドラゴンの口から、水の巨塊……

水重塊弾アクア・ロック・シェル〉(リアルタイム命名)を発射!

そして、〈水重塊弾アクア・ロック・シェル〉命中と同時に、氷結!


───よし、一発につき、三人は仕留められるね!

氷像と化した三体を見下ろして、私は、むっふ~、と、

結果に満足だ。


このぶんなら、〈水重塊弾アクア・ロック・シェル〉連発するだけでイケるっしょ!


そう考えている間にも、敵兵五名発見。

攻撃する隙すら与えず、すぐさま水ドラゴンに、〈水重塊弾アクア・ロック・シェル〉を連発させる。


じゃんじゃん行こう、ガンガン行こう!

水ドラゴンを暴れ回らせて、さんざんに〈水重塊弾アクア・ロック・シェル〉を撃ちまくり、

凍らせまくった。


……ノリが、『プ●デター』から、『ジュ●シック・ワー●ド』みたいな

モンスターパニックものに変わっちゃったな~。

まあ、T-REX(ティラノサウルス)は、氷結化水塊は吐かないけどね!

ふははっ!


かくて、出来上がる、この世の氷結地獄コキュートス

ここら一帯に潜んでいた武装兵士を、ひとり残らず氷像に変えて、


鎮圧したのであった、マル──────と。


「ひめかおねえちゃん、なんだかきゅうに、さむくなったね」


「………そうだね。ゆりちゃん、大丈夫? 体、ゾクゾクしてない?」


「だいじょうぶ~!」


水ドラゴンと同期リンクして操る私のそばで、

そんなふたりのやりとりがあった。

んん~……ちょぉ~っとだけ、やりすぎちゃったかしら~……?


いや、でも、武装兵士たちは全員、生きてるしィ~、

コンテナ群にも氷が張りついちゃってるけど、

そんなに壊れてないと思うから、被害は出してないはずだしィ~。(たぶん)


この惨状の後かたづけは、〈聖導庁〉過激派のみなさんがやってくれるだろう。


秘密の業界の、さらに公にできない、後ろ暗い任務の後始末だ。

しかも結果は大失敗ときているから、極秘中の極秘裏に、宮内司教らは

“なにもなかった”ことにしなければならない。


ざまあみろ!(『冒●王』版の伝説的タイトル主人公風に)


あまりの完璧な勝利フローレス・ヴィクトリィに、思わず、

内心でそう口汚くなっちゃう私だった。

──────そんな慢心が、いけなかったか。


水ドラゴンとの同期リンクを切って、戦闘状態を解こうか、

とした、その時。


ズッパァァァァァァァァァン!!!


「いづっ!?」


「あゆちゃんっ!?」


水ドラゴンの頭部に激しい衝撃を覚え、同期リンクが、唐突に途切れてしまった。


突然の事態に驚愕し、なにが起こったのかを察すると、

戦慄してしまう。

同期リンクしていた水ドラゴン、〈水幻影身アクア・ミラージュ〉の頭部が、

何者かの攻撃を受けて、損失してしまったのだ。


しかも、一撃で。


物理的な攻撃で、〈水幻影身アクア・ミラージュ〉の素体である

〈水〉を破壊、消滅させるのは、不可能だ。

間違いなく、超常的な〈力〉による攻撃である。


私の、〈邪神〉パワーを上回る、なにか………?


魔力を感知することができない私だけれど、今回の黒幕らしい、

あの宮内司教が、そんな〈力〉を持っているとは思えなかった。

また別の〈能力者〉がいるとか、か─────?


さっきまで〈邪神〉パワーで、『私TUEEEEEEEEE!』して、

余裕ブッこいてた自分を、殴ってやりたい。

………………そう思ってしまうほどに、なにか、猛烈に嫌な予感がした。

な、なにー無敵のあゆらちゃんがピンチなのかー(棒)

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