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邪神転生ガール  作者: megajoy
18/32

転18 〈邪神〉だけど、ランチタイムと決意。

【本編と関係ない設定】〈魔法少女〉は、大正時代から活動が確認されてるゾ!(「鬼●の刃」っぽく)

で、その後。

私が氷漬けにした男たちは、今現在、ヒメカの出動要請によって、

公園にやってきた警察の下で、拘束されていっている。


拘束、というか、氷像状態の男たちを、ブルーシートに包んで運搬している、

と言ったほうが正しいか。

なんにせよ、行き先は、警察の拘置所とかだろうけれど。


警察、そう、警察だ。


衝撃の事実。

〈魔法少女〉は、警察、というか、日本政府、

国家権力と連携しているのだ……! ビックリだね!


訊けば、ずいぶん昔から、〈禍威魔ダーム〉との戦いを筆頭に、

超常的な事象に関する事件では、協力しているのだとか。

オタクな私は、アニメや漫画の〈魔法少女〉とは、違うんだな……と、

しみじみ思ってしまう次第。


とは言っても、事情を知る警察官たちは、限られた人間らしい。

警察の中でも、ごく一部である、秘密の特殊捜査課。


─────いいねいいね~!

中二病患者の私としては、そういうの、大好物~!


私的には、秘密の警察官チームに興味津々だったが、

出しゃばってアレコレと質問して回るわけにもいかない。

〈聖導庁〉の連中の氷は、一時間程度で溶けることだけを

ヒメカに告げて、あとは傍観モード。


ゆりちゃんの手を握り、ヒメカの背の後ろへ、

隠れることに徹するのだった。


ヒメカは、私のことを、警察の方々には、〈魔法少女〉見習いだ、

と説明している。

すると、現場指揮官らしい、私服姿の女性警察官から、

敬礼などされてしまった。


「広域特殊捜査一課、課長の草薙くさなぎ敦子(あつこ)です。

苑草のお嬢様には、大変お世話になっております。

どうぞよろしくお願いします」


「は、はひっ。あっ、わ、私は、潮あゆらと言います。

こちらこそよろしくお願いしましゅ!」


お返事は、カミカミになっちゃいましたとさ。


だって~、〈邪神〉覚醒しても~、根は陰キャオタク女子なんだから~。

平時にいきなり、知らん大人、しかも女性警察官との会話で、

テンパるな、っちゅーのは、無理な話よ。


自分から個人情報晒すのは、ちょっとためらわれたけれど、

普通に自己紹介しておいた。

ヒメカは本名を名乗ってるみたいだし、ヒメカも特に何も言わなかったので、

まあ、大丈夫だろう。


そんな中、男たちを運搬していく警察のひとたちから、

やたらチラチラと見られている気がした。

────なんやねんおう、陰キャの〈魔法少女〉見習いが、

珍しいんかい!?


ソワソワまぎれに、内心、そうイキっちゃったけれど、

ふと、思い出す。

そういや今の私、〈認識阻害〉の魔法が切れて、めっちゃ美少女に

見えるようになったんだった。


ヤダ私ったら、注目の的!? 盗撮されて、SNSに画像アップされて、

バズっちゃったらどうしよう!

……なんて、ポジティヴな感じで、自意識過剰になれたらいいのだけれども。


うへえ、ものスッゴい、落ち着かない………。


『あ~、美少女な悪役令嬢に異世界転生して、ヒロインムーヴやって、

有象無象からチヤホヤされてーなあ~』


などと、常日頃、ふざけたラノベ妄想をしてたけれど。

多数の知らん人間から、好奇の目で見られるのが、

こんなに居心地悪いとは……!


ヒメカってば、昔から美少女で、周囲から、無遠慮な視線を向けられ

続けてきたんだろうな───────。


ってか、初対面のくせに『てんしさまですか?』とか、無遠慮に

ヒメカの顔をジロジロ見たの、私じゃん!

ぐぐわ~! 幼かったとはいえ、有罪ギルティ

ごめん、ヒメカ! 今頃になって、モーレツに反省~……!


「それじゃ、行こうか────あゆちゃん? どうかしたの?」


幼き日の、おのれの蛮行に、ひとりさいなまれていると、

草薙さんとの話を終えたヒメカが、私の顔を覗きこんできた。


「あ、いや……ヒメカって、凄いな、って思って────。

普通に学校に行ってるのに、プライベートじゃ、警察のひとたちと

お仕事してるんだなあ、って」


口にしたのは別のことであったが、そう思っていたのは、

本当のことである。


一年生の時の、年度末試験の成績、ヒメカは学年第三位であった。

禍威魔ダーム〉とかいうのと、夜に戦ったりして、警察とも

仕事して……どこの完璧超人なのよ、私の婚約者は。


そんな感心も含めた私の言葉に、ヒメカは照れたような笑みを浮かべる。


「わたしひとりの力じゃないよ。家の者も、手伝ってくれてるから」


……謙虚! かわいい! 抱きしめたい!(欲望)

情熱の赴くまま、本当にヒメカを抱きしめたかったけれど、

ゆりちゃんという幼女のいる手前、自重する。


いや、幼女のいる手前、ってゆーか、他にも警察の皆様も

いらっしゃいますけども。 

うん、さすがに、公衆の面前では、過度なスキンシップ(意味深)は

できないよね。


それで、というわけでもないけれど、私たちは、ゆりちゃんを連れて、

タクシーで、レストランへ移動することになった。


「おなかすいた!」


と、ゆりちゃんが、激しく主張しだしたからである。

んっふ、お姉ちゃん、かわいい女の子のおねだりには、かなわないなあ~!


それに、〈聖導庁〉の連中のことを、ゆりちゃんから聴き出すのは、

落ち着いた場所のほうがよかろう、と判断したのもあった。


そうしてやってきたのは、駅前の、高級ホテル。

その施設内三十二階で営業している、これまた、お高そうな

レストランの門前であった。


先導者は、もちろん、ヒメカ。


────レストランで食べよう、とヒメカが提案したものだから、

私は、素直に賛同。

てっきり、昨夜、電話にて話題に上った、ファミレスに行くのもの、

と思っていた。


それがどっこい、ブルジョワ(死語)なホテルとお店で、驚きと、

未知への恐怖で震えてしまう。


お店の看板には、英字筆記体っぽい字で〈セレスティアル・ガーデン〉と

書かれていた。

〈天空の苑〉、ってことかしら。


もう、看板の時点で『庶民の方、お断り』って雰囲気感じるんだけど、

気のせいかな?


いやいやいや、気のせいじゃないのは、確定的に明らか!


お値段もまだ確かめてないけど、ココ、一食で、私の一ヶ月のお小遣い、

絶対消し飛んじゃうでしょ!?

しかも、お支払いはカードしか受け付けておりません、的なトコでしょ!?


……………お水だけ、いただいとこうかな~。

レストランの入り口をくぐる前から、そう密かにブルっていると、

ヒメカが、私を安心させるように、微笑んでくる。


「支払いとかは、大丈夫だよ。このホテル、わたしの家のグループが

経営してるから」


「えっ」


“わたしの・家の・グループ”

言葉の意味は理解できても、現実の把握が追いつかず、一瞬、

思考停止状態に陥ってしまった。


やっぱ、ひょっとしなくても、ヒメカのおうち、超☆上流階級?

ものすごいお金持ち?(語彙貧弱)


そう思ったけれど、なんとなく、そのあたりの話題を今、

掘り下げるのは、いけないような気がした。

だから、疑問も驚きも、無理くり心の脇へ追いやって、

ヒメカに笑ってみせる。


「そ、それじゃ、おごちそうになっちゃおうかな……?」


「はい、ごちそうさせていただきます♪────ゆりちゃんも、

いっぱい美味しいご飯、食べようね?」


「うん!」


ヒメカの聖母スマイルに、ゆりちゃんは、無邪気に笑ってうなずいた。


うん、幼女にはわかんないよね、お店から感じられる、

この高級感プレッシャーは。

私も幼児になって、なにも考えずに、お料理を美味しくいただきたいよ、

ホント。


ってゆーか、こういうお貴族様向けのお店ってば、

ドレスコードとかあったりしない?

私、半袖パーカーにハーフパンツ、っていう、思いっ切り、

下町キッズスタイルなんだけど?


そんな不安と心配も、ヒメカの姿を認めた、受付嬢の反応を

見るまでであった。


「いらっしゃいま……お、お嬢様……っ!」


レストランの受付嬢の表情が、営業用の笑顔から、一瞬で、

驚愕一色に染まる。

それはもう、劇的な変化と言ってよかった。


ヒメカは、緊張で固まりかけてる受付嬢に、にこりと笑いかける。


「こんにちわ。今から三名で、ランチをお願いしたいの。

奥の部屋、空いてるかしら」


「は、はい! 空いております! しょ、少々お待ちくださいませ……!」


半ば浮き足立った様子で、受付嬢が、店内へとすっ飛んでいった。

……………うん、服装、問題なかったわ。


私は、入り口から、レストランの中を眺める。


レストラン内の床は、お金のかかっていそうな黒光りする石材で、

フロアのテーブルも、お洒落で高級感にあふれていた。

どこかに傷でも付けようものなら、弁償代金、二桁万円は裕に行きそう。


うわー、やだな~、なんか背中に、ヘンな汗かきだしたんだけど。

先ほど公園で、〈聖導庁〉のいかつい男たちを前にした時よりも、

断然ビビッてるわ。


引き続き、店の高級感におののいていると、受付嬢が戻ってきて、

こちらに笑顔を見せてくる。


「お待たせ致しました。ご案内させていただきます。どうぞこちらへ」


そう言って先導する受付嬢に、私たちは、ヒメカを先頭にして、

付いていった。


そして通された部屋は、『え? 億ション(死語)のリビング?』と

見紛みまがうほどの、貴族的住居性を感じる個室。


広さは、学校の教室くらいだろうか。

部屋の中央に、ほどよい大きさの四人卓があり、右手の壁には暖炉、

左手壁際には大きなソファと壁掛けの大きなモニターが設置されている。


正面は、一面ガラス張りで、高層ビルだからこそのスカイビュー。

昨夜、〈邪神〉パワーで空を飛んで眺めた感じとはまた違う、

街の景色を見渡せた。


────きっとこの部屋、セレブが、身内だけのパーティとかで

使うトコなのでは。

JKふたりと幼女が、気軽に昼食キメていい場所じゃなくない?


そんな風に腰が引けちゃってる私とは対照的に、ゆりちゃんの

テンションは、爆上がりであった。

ガラス張りの壁面へと、一直線に駆け寄って、楽しげに声を上げる。


「うわーっ! すごいよおねえちゃん! すっごくたかいよ!

みてみて! ひとがゴミみたい!」


………うーん、ム●カかな?

この幼女、こちらが油断すると、口が悪くなる気がする。


「こら~、ダメだよ? また言葉遣い、悪くなってるよー。

人を『ゴミみたい』とか、言っちゃいけません」


「えー? じゃあ、むしけらみたい?」


「なんで悪口ばっかりになるの────。そして、どこで覚えてくるの、

そんなたとえ方……」


心配! この子の将来が、心配です!

親御さんの心労たるや、いかばかりか。


と、そこでやっと、今更ながら、ゆりちゃんのご両親は、

どうなってるのか、気になった。

ゆりちゃんが、〈聖導庁〉の連中に誘拐されていたのなら、

当然、両親は、警察に通報しているはずだけれど────。


それとも、両親とも、〈聖導庁〉に捕まってるとか……?


「ゆりちゃん、まずは座って? わたしたちの注文を聞けないと、

このお姉さんが、困っちゃうから」


ゆりちゃんの両親の安否について、思案しだしたところ、

ヒメカから、そんな声がかけられた。

うん、ひとまず、腹ごしらえをしてから、ゆりちゃんに事情を

くことにしよう。


ゆりちゃんの手を引いて、テーブルの席に座らせたあと、

私もその右隣に着席。

ヒメカは、私の対面に座った。


ゆりちゃんの椅子は、子供用の脚長のやつである。

受付嬢が、さっき、いったん奥に引っ込んだのは、

先にこれを用意したりしてたのかしらん。


ぼんやりとそんなことを考えているうちに、受付嬢は、

私たちの前に置かれたグラスに水を注いでいく。


「ゆりちゃんは、なにを食べたい?」


ヒメカは、にこやかな笑顔で、ゆりちゃんに問いかけた。


「オムライス! オムライスたべたい!」


「オムライスね。甘いほうがいい?」


「うん! あまいの、だいすき!」


嬉々として、うなずいてみせるゆりちゃん。

これには私もヒメカも、受付嬢のおねーさんもニッコリだ。


「うん、じゃあ、甘めの味付けしてもらおうね。あゆちゃんは、

鶏肉のお料理がいいでしょ?」


「あ、うん」


婚約者とはいえ、ご馳走してもらう立場なので、否やはないですとも。

ってゆーか、昨夜の電話の話題を、早速、尊重してくれているので

嬉しすぎMAX!


「揚げ物にする? ステーキにする?」


「んっ……と、揚げ物でいこうかな」


「揚げ物ね────こちらには、ケ●タッキー風の味付けで、

フライド・チキンをお願い。わたしは、いつものセットで」


私に確認を取ると、ヒメカは、受付嬢にそうオーダーする。


────ケ●タッキー風の味付けとか、そういう注文の仕方、アリなの!?

いや、ヒメカは〈グループ〉のお嬢様だから、許されるのか……!


私の婚約者って、スゴい。

私は改めて、そう思った。


その後、受付嬢はソフトドリンクと食後のデザートの注文を

確認したあと、退出していく。

受付嬢が部屋から出て、扉が閉められてから、私は、口を開いた。


「ゆりちゃん、オムライスが好きなんだ?」


「すき! だいすき!」


即答である。

うんうん、シンプル・イズ・ベスト、子供に大人気の

メニューのひとつだよね。


「おねえちゃん、オムライス、きらいなのー?」


「うーん? 私もそこそこ好きだよー?」


「“そこそこすき”、ってどれくらい? パーセンテージでいって?」


「……難しい言葉知ってるね、ゆりちゃん────そうだね~、

63%くらいかなー」


「あんまりたかくないね! すきどが!」


私の答えに、ゆりちゃんは、キャッキャッ、と楽しそうに笑い声を上げる。


「うん、お姉ちゃんの好き度100%のおかずは、鶏肉のお料理だからね」


「ええー? オムライス、おいしいよ? トマトケチャップとね、

たまごと、ごはんが、おくちのなかで、しあわせなメロディをかなでるの」


グルメ漫画ばりの表現に、私とヒメカは、同時に噴き出してしまった。

かわいいなあ、この子は!


「そっか、じゃあ、お姉ちゃんにも少し食べさせて?

お姉ちゃんの鶏のお肉も、少しあげるから。味の比べっこしよう?」


「しょーがないなあ~。いいよー、くらべっこしてあげる♪」


ニコニコと、ゆりちゃんは、おませに応じてみせる。


守りたい、この笑顔。

いや、思わずネットミームで願っちゃったけれども、守らなきゃ。


〈予知夢〉が見れるから、なんだ、っつーんだよ。

あんな胡散臭い連中に、こんな小さな子が、いいように

扱われていいわけない……!


〈邪神〉クトゥルフの本体……ママは、私に備わった〈力〉は、

私が思うように、好きに使っていい、と言った。


なら、私は、手始めに、この子を守ることにしよう。

公園でやってきたようなレベルの人間ばかりなら、きっと、できるはずだ。


いよいよ、ただの陰キャオタク女子だった昨日までとは、

違う日々が始まってしまう───────。

そんな、漠然とした予感を覚えながら、

私は、ヒメカと、ゆりちゃんに、笑顔を見せるのだった。

評価ポイントと「いいね」ありがとうございます♡めっちゃ嬉しいです~♪(≧∀≦)

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