転14 〈邪神〉だけど、浮かれてたら急転直下。
生やせるようになっても、“ガール”です///
──────────気がつくと、自分の部屋の天井、毎日見慣れた
光景が、ぼんやりと目に入ってきた。
……………はへっ!?
ガバッ、と起き上がり、我が身を確かめると、パジャマ姿で、
ベッドの上。
時計を見たら、早朝、五時すぎ。
………え? 夢オチ?
そう思いかけたところに、部屋の中央に、ありえないものが
浮かんでいるのに気づく。
それは、なんと言っていいやら、宙に投影された、青い電光による
メッセージ・ウィンドウだった。
【愛しの娘、あゆらちゃんゑ】
【おはよう~♪ 昨夜は、娘のかわいい姿を見れて、ママは、】
【超~☆嬉しかったです☆ママとのスキンシップ(意味深)の】
【あと、あゆらちゃんは気絶してしまったので、転移魔法で、】
【あゆらちゃんをお部屋に送らせてもらいました。 】
【あゆらちゃんの体は洗浄&美肌マッサージ済みです。 】
【スク水は洗濯して、ベッド脇に置いておきます。 】
【あゆらちゃんが身代わりに作っていた〈水幻影身〉(笑)は】
【消しておきました。ママ、デキる女でしょう?w このあと】
【ママはまた、しばらくの間お休みさせてもらいます。 】
【ってゆーか、寝ますので。あゆらちゃんには、緊急時でない】
【かぎり、直での交信は、控えてもらうと助かります。 】
【ぶっちゃけ、マジで起こさないでね? 】
【その代わりママの眷属に、あゆらちゃんをサポートするよう】
【命じておきました。そのうちあゆらちゃんの下に馳せ参じて】
【来ると思うので、煮るなり焼くなり、好きにしてください。】
【あゆらちゃん好みの金髪美女が来ると思うので、ハーレムを】
【作ってもいいですよ?(笑) 】
【あゆらちゃんの健闘を祈ってます♪ 頑張ってね☆ 】
【ルルイエのママより】
う~ん、夢じゃなかった……!
青く発光する文字群を読み終わった私は、昨夜のことを思い出して
赤面するやら、悶えるやら。
───────お尻を、その……されてしまったし、ママと、
してしまったし………。
浮気じゃない、ってママから言われたけど、完全に浮気じゃないコレ?
いや確かに、存在的には、自分の本体だから、高度なセルフ発散と
言えなくもない────。
……かな? OUT気味のセーフ? ギリギリOUT?
なんにせよ、婚約者と再会してキスした初日の夜に、
絶対に言えないJOE-Gをかましてしまった……!
ごめん、ヒメカ! 許して……!
そう心の中で懺悔していると、宙のメッセージ・ウィンドウが、
切り替わる。
【追伸】
【ママが教えて生やすことの出来た男のアレは、ちゃんと 】
【子作り可能になってます。でも、安心してOK。そこは 】
【〈神〉パワーで避妊のON・OFFができますので。 】
【やり方(意味深②)は精神にインストールしておいたので 】
【勘でわかると思います。好きなだけ、ヒメカちゃんと 】
【イチャ☆イチャ☆LOVE♪しても一向に構わんっ! 】
【孫の顔を見せる時は、交信で叩き起こして無問題。その日を】
【楽しみにしています♡ 】
mjd!?
え~っ!? そ、そっか~……できるんだ、子供───────。
〈神〉パワー、なんでもアリだな……………。
そう軽く感嘆していると、光のメッセージ・ウィンドウは
スウ、とかき消えていった。
どういう魔法の仕組みか、私が読み終わると、消えるように
なっていたのだろう。
……昨夜、ルルイエにて、ママと話した内容を、
確認しておくと──────。
①私は、人類存続の判定のために転生した。
②私には、〈認識阻害〉の魔法が掛かっていた。
③その魔法で自分自身でも認識できていなかったけど、
実は私、美少女だった。(照)
④私に備わった魔力と〈力〉は、地上最強クラスであるらしい。
⑤私には、それら魔力と〈力〉を隠すため、強力な〈魔力隠蔽〉の魔法が
掛かっている。
⑥判定の目的は終わったので、私は今後、自由に生きてよい。
⑦けど、地球を狙う〈敵〉がいるので、そいつらと
戦わなければならないかも?
最後の⑦が、大問題……!
ヤダなー、痛いのも怖いのも、絶対ゴメンなんだけど~?
超常異能バトルとかは、ゲーム・漫画・アニメ・映画で、
当方、充分間に合ってるんです────!
そう軽く抗議の声を上げたくなるも、その矛先であるママは今頃、
メッセージにあったとおり、おやすみモードだ。
真剣に、交信にて文句を届けようものなら、〈邪神〉激おこモードに
移行して、今度こそ本当に滅せられるかもしれない。
────まあ、今はそのへんを悩んでも、仕方ないか。
それより………………今、ママのメッセージ追伸で知った、
アレの機能が気になる。
チラッ、と、また時計に目をやり、現在時刻を確認。
まだ、朝の身支度、って時間じゃないし~………。
………………いいよね?
ベッドの上から、念動力により、部屋のドアを、静かに施錠。
下のパジャマを、もぞりと脱いで、下着も下ろして───────────────────────────。
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………………………………………………………………………ふゥ。
………エロゲとか、ネット知識で知ってるのを、実践してみたけど。
正直、ママとの、昨夜の営みと比べると……うん、違うわ………。
ってゆーか、ヒメカを思い浮かべて、そのー………しちゃったけど、
罪悪感、パない───────!
いや、イメージ・トレーニング! ヒメカとする時のための、
イメトレだから! セーフ!
脳内で誰に言い訳してるのか、といえば、ママに対してだろうか。
次に交信した時、この記憶も、ママのコピー&チェック
入るんだよなあ………。
─────それはそれで興奮するかも。
って、思っちゃったこのHENTAI的思考も、ママに知れちゃうじゃん!
ひあー!? もー! いいよ! どうせヒメカとする時の記憶も
記録取られちゃうんだし!
ガンッガン!に、ピンク色エロ道を進んでやるわー!
……なんて、意味不明な決意をしていると、時刻は六時半近く。
いつもの土曜日なら、まだまだグータラに寝ている時間である。
けれど、いろんな意味で目が覚めてしまったので、リビングで
テレビでも見ちゃうか。
股間のアレやらナニやらを処理したあと、階段を下りて、
洗面所に向かう。
顔を洗ってから訪れたリビングに、お母さんとまゆちゃんの姿はない。
まだ寝ているのだろう。
はふー、とソファに腰を下ろして、一息。
テレビをつければ、ニュース番組が流れていた。
それで、昨夜、海に行く前にボコボコにした暴走族のことを思い出す。
アイツらあのあと、どうなったかな~?
ウヒヒ、と、ちょっぴり性格悪く、件の話題が出るのを、
待ち望んじゃう私。
しかし、しばらく待っても、暴走族のことが、事件としてニュースに
取り上げられることはなかった。
画面の中では、どこだかの、米国からテロ支援国家指定されてる国で、
飛行機の墜落事故があった件ばかり、大きく取り沙汰されている。
なんでも、その国の軍部の最高指導者と有力者たちが、飛行機に
乗っていたとかで、全員死亡とか、なんとか。
地元ローカルテレビ局のニュース番組を見ても、結果は同じ。
暴走族の“ぼ”の字も出なければ、大事故の見出しすらなし。
う~ん? ただの事故、ってことで、警察とか報道陣的には、
スルーされちゃったかしらん?
ちぇっ、つまんないの。
一向に目当てのニュースが流れないことにがっかりし、土曜朝の
アニメ番組をチェックすることにした。
いつもは予約録画して見てるけど、リアタイ視聴は久々である。
魔法少女アイドルアニメという、いわゆる女児向け作品のようなのだが、
さにあらず。
スタッフが、幼児やその親御さんにはわからないと思って、
オタク向けのネタを豊富に、こっそり仕込んでいる隠し球作品なのだ。
この作品を見たあとの、ファンの感想や視聴実況跡をチェックするのも、
また楽しかったりする。
……私もネット実況、参加してみようかな~と思ったけれど、
携帯は二階の自室に置いてきてしまっていた。
わざわざ取りに行って、アニメ本編をわずかでも見逃すのも、
もったいない。
なので、そのまま、普通にアニメ鑑賞することにした。
アニメの前半Aパートが終わり、CMに入ったところで、
まゆちゃんがリビングにやってくる。
まゆちゃんは、土曜の朝でも、卓球部の練習があるので、
平日どおりの起床なのだ。
「お姉ちゃん、おはよう────────ぅ?」
「おはよう、まゆちゃん……え、なに。どうしたの?」
朝の挨拶のあと、まじまじと顔を覗きこんでくるまゆちゃんに、
ちょっと引き気味にそう尋ねた。
「お姉ちゃん……昨日、寝る前、疲れてる、って言って、
お風呂も入らずに寝ちゃったよね?」
「あ、う、うん、そう、疲れてたもん」
若干慌てて、まゆちゃんにうなずいてみせる。
そういや、そんな適当なこと言って、自室に籠もったんだった。
「でもなんか今、お姉ちゃん、すっごい肌ツヤ良く見えるんだけど……。
なんか、いい匂いもするし───顔洗う時、なにか塗ったの?」
「い、いや、塗ってないけど────美顔マッサージ的なことはした、かな?」
正確には、寝る……っていうか、気を失う前にママから
“マッサージ的な”ことをされた、ってところだけど。
「ふうん………」
なにやら納得しかねる様子で、こちらを見つめてくるまゆちゃん。
なんだろう、昨夜、ママと夜の営みをしたせいか、後ろめたい気持ちに
なってきてしまう。
「まあいいや。────でもお姉ちゃん、今日は土曜なのに、
いつもより早く起きてるね?」
「あ、うん、早く寝すぎたせいかな? なんか目が覚めちゃったんだよね」
ホントは深夜に、太平洋の海の底、超古代都市の神殿で、金髪美女と
秘め事しちゃったんだけども。
無論そんなこと言えるわけないので、またまた適当ブッこくしかない私だ。
そんな私の言葉に、まゆちゃんはニッコリと笑顔を向けてくる。
「じゃあ今日は、まゆがお姉ちゃんのぶんも、朝ごはん作ってあげるね♪」
「え、いいの? 部活の時間、大丈夫?」
「一緒に作っちゃえば、時間はおんなじだよ~」
「じゃあ、お願いしちゃおっかな」
「はーい♪ まゆにお任せ~♪」
なんだか急にご機嫌になったまゆちゃんは、ルンルンと台所に向かった。
姉として、妹に朝食用意させるのはどうよ、と思わないでもないけど、
正直、まゆちゃんのほうが、料理上手なのだ。
ここはまゆちゃんの好意に甘えて、アニメ鑑賞を続けさせてもらおう。
……そんな感じで、なんかダメダメな姉であるのを若干自覚しつつ、
朝アニメを堪能終了。
それから、まゆちゃんの作ってくれた朝食を、おいしくいただくのだった。
「お姉ちゃん、卵焼きの味付け、どう?」
「ん、おいしいよ~。まゆちゃんは本当、お料理上手だね」
私の素直な感想に、嬉しそうに笑うまゆちゃん。
「いずれは毎朝、お姉ちゃんにおいしいごはん出せるようになりたいから。
まゆは、料理研究に余念がないのです」
「ありがとう~♪ まゆちゃんは、良いお嫁さんになるね!」
まるでプロポーズのようなまゆちゃんの言葉に、私はちょっぴり感動して、
そう言った。
「本当? お姉ちゃん、本当にそう思う?」
「思うよ~。むしろ、まゆちゃんが良いお嫁さんになれないなら、
誰がなれるの?、って感じだよ~」
ここまで褒めると、親バカならぬ、姉バカだろうか。
まあよいのだ。
私の妹が良いお嫁さんになれないわけがない。
いや、当の姉である私は、陰キャぼっちのオタクで、
説得力はないですけども!
とにかく、まゆちゃんはかわいくて、お料理も上手なので、
絶対良いお嫁さんになる。
間違いない。
私の姉バカ発言に、照れてしまったのか、えへへ、と顔を赤くするまゆちゃん。
「じゃあ、お姉ちゃんにもっとそう思ってもらうように、
まゆ、お料理がんばるね」
「今でも充分スゴいんだから。あんまり根詰めないようにね?」
「ううん、お姉ちゃんの胃袋を、誰にも掴まれないようにしなきゃだから」
「え?」
「あっ。お姉ちゃんに一番、『おいしい』って思ってもらいたいから、
がんばるの全然平気、って言いたかったの」
もー! まゆちゃんったら、嬉しいこと言ってくれるなあ~!
こんなけなげな妹、他におる? どこにも嫁に出したくないんですけど!
またまた姉バカモードに入りつつ、まゆちゃんの作ってくれた
朝ごはんを完食。
せめて食器の後片付けくらいは請け負い、まゆちゃんを部活へと
送り出す私だった。
食器を洗い終えたあと、起きてきたお母さんとリビングで入れ違いに、
二階へ上がる。
自室に入ると、机に置きっぱにしておいた携帯のランプが、
点滅しているではないか。
ひょっとして、ヒメカから、モーニング・コールがあったかな?
そう思って、ウキウキと携帯を手に取り、着信履歴をチェック。
[不在・8:18・ヒメカ]
[不在・8:15・ヒメカ]
[不在・8:12・ヒメカ]
[不在・8:09・ヒメカ]
[不在・8:06・ヒメカ]
[不在・8:03・ヒメカ]
[不在・8:00・ヒメカ]
[不在・7:57・ヒメカ]
[不在・7:54・ヒメカ]
[不在・7:51・ヒメカ]
[不在・7:48・ヒメカ]
[不在・7:45・ヒメカ]
[不在・7:42・ヒメカ]
[不在・7:39・ヒメカ]
[不在・7:36・ヒメカ]
[不在・7:33・ヒメカ]
[不在・7:30・ヒメカ]
[不在・7:27・ヒメカ]
[不在・7:24・ヒメカ]
[不在・7:21・ヒメカ]
[不在・7:18・ヒメカ]
[不在・7:15・ヒメカ]
[不在・7:12・ヒメカ]
[不在・7:09・ヒメカ]
[不在・7:06・ヒメカ]
[不在・7:03・ヒメカ]
[不在・7:00・ヒメカ]
ヒエッ……。
さ、三分おき鬼電────────────!?
慌てて、メッセージチャット・アプリのほうも確認してみる。
[朝早くにごめんなさい。話したいことがあります。・7:01]
[あゆちゃん、できれば折り返し電話お願いします。・7:04]
[寝る時は、電源落としたままにしてるの?・7:07]
[まだ寝てるのかな?起きたら、電話してね?・7:10]
[急かすようでごめんなさい。電話、待ってます・7:13]
[既読もつかないのは、まだ寝てるの?・7:16]
[わたしが夜に電話したせいで、眠れてないの?・7:19]
[電源切ってたら、ごめんなさい。急ぎの電話です。・7:22]
[あゆちゃん、着信音小さくしてる?・7:25]
[着信は、マナーモードにしてるの?・7:28]
[電話のコール音聞こえてないのかな?・7:31]
[携帯、近くに置いてないの?・7:34]
[自宅の電話番号にかけたほうがいいのかな?・7:37]
[ひょっとして、もう外出してますか?・7:40]
[携帯の回線トラブルとかで、電話できないの?・7:43]
[ずっと電話してるけど、応答ありません。大丈夫?・7:46]
[電源切ったままにしてましたか?・7:49]
[携帯全然見てないのかな?もう少し待ってみるね。・7:52]
[携帯自体が壊れてたら、ごめんなさい。・7:55]
[ひょっとして、携帯充電中なの?・7:58]
[既読つかないね。やっぱり充電中?・8:01]
[土曜の朝は遅起きなの、あゆちゃん?・8:04]
[メッセージ見たら、電話してね。・8:07]
[急いで話したいことがあります。・8:10]
[ごめんね。すぐに連絡をください。・8:13]
[あゆちゃん、まだ寝てるの?・8:16]
[お願い、電話に出て。・8:19]
ヒエッ……。(二度目)
【もしかして:ヤンデレ】
思わず、脳内に、嫌なサジェスト画面が映しだされちゃった私だ。
………オーケー、まだ慌てるような時間じゃない。
ヒメカは、きっとアレだ。
朝一番に、私の声を聞きたかったんだな~、愛いヤツよのぉ~。
──────────────違うかな。
話したいことがある、って書いてるし。
……まさか!? 別れ話!?
『懐かしい思い出とノリでキスしちゃって、盛り上がっちゃったけど、
やっぱナシで』、とか!?
『陰キャぼっちと結婚とか、普通にないでしょ』、とか冷静に
再考されちゃった!?
泣いちゃいそうな想像をしてしまった私は、焦燥感に駆られて、
ヒメカに電話を掛ける。
ワンコール音、鳴るか鳴らないかの一瞬のうちに、反応があった。
『もしもし? あゆちゃん?』
「あっ、お、おはよう、ヒメカ! 電話、遅れてごめん! その、
朝ごはん食べてて、部屋に携帯置きっぱなしにしてたから……!」
『ううん、わたしのほうこそ、ごめんなさい、朝早くから電話して。
─────でも、わたし、あゆちゃんと、早く話さなきゃいけない
ことがあるの』
「え、な、なに?」
ヒメカの声のトーンが、若干低めに聞こえて、私の焦りと
不安が加速する。
『……直接会って、話がしたいんだけど、あゆちゃん、
今から時間、あるかな?』
「う、うん、大丈夫……!」
『ありがとう……それじゃあ、公園の、わたしたちが〈約束〉した木の下で、
待ち合わせにしていい?』
「わかった、今すぐ、出かけるから────!」
『うん、わたしも、今から家を出るね』
「うん。じゃ、じゃあ、あとでね、ヒメカ」
『────うん、あとでね、あゆちゃん』
通信終了。
と、同時に、私は、ワチャワチャと急いで着替えだした。
直接会って話さなきゃいけない、とか、マジ別れ話の気配しかしないんだけど……!
ヤバい、そう思ったら、本気で泣いてしまいそう───────!
動きやすいフード付き半袖パーカーと、ハーフパンツ。
私の好きな、緑色系のコーデで、鏡の前に立った。
………ヒメカと出会った頃みたいに、ポニテにしておこうか。
懐かしさを演出し、ちょっとでも別れ話を切り出しにくくできないかしら。
そんな小賢しいことまで、必死に考えてしまう。
本当に髪をポニーテールにしたあと、リビングのお母さんの下へ。
「お母さん、私、出かけてくる。友達と一緒に食べるかもしれないから、
お昼ごはん、要らないよ」
そうお母さんに告げて、家を飛び出した。
─────もし、本当にヒメカから別れ話をされたら、ひとり、
どこかでヤケ食いしよう。
そう心に決めて、電車に乗るため、駅へと走りだした。
昨夜みたいに、ステルス飛行で直行しようかとも考えたけれど、
ヒメカの前では、私はまだ、普通でいたい。
ただ、ヒメカのことが大好きな、普通の女子でいたいのだ。
電車に乗り込み、目的地の駅まで、ガタゴトと揺られながら。
私は、不安と焦燥の中、
そんな祈るような気持ちになるのだった………………………………。
日明香ちゃんは、ちょっと独占欲が強いのかな?(震え)




