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【アガット暦130年 6月18日】
例の『マスク姿の男』……彼の素性が少し見えてきた。
ミャルギー共和国から流れてきたと考えられる。
その根拠だが、『彼』の右腕にある羽の紋と言うものだ。
(大半は半袖の部分で隠れているが、羽の下部分が少し見える。独特の色をしている為、取材経路で分かった事だ。)
ミャルギー共和国では、偵察部隊と呼ばれる国の極秘の部隊がある。
その部隊の隊員は、右腕に小さな羽の模様を入れる儀式があるのだ。
儀式の理由だが、仲間内の確認に使うと聞いている。
何故ここで、ミャルギー共和国の件が舞い込んできたのか。
それはまだ分からない。
単純に、元偵察部隊の可能性もある。
羽の紋の除去は、各自に任せているとも聞いている。
もし、現役の輩だった場合……
これはとんでもない事になるだろう。
まだ、国の連中には話さないでおこう。
もう少し裏付けをしてからだ。