第8話 ガイの過去1
俺には、十代くらいの時に幼馴染で親友のリナとリンドウ居た。リナは、金髪で綺麗なロングヘアーで目は、透き通っている赤い瞳で、元気で活発で結構可愛い子だった。リンドウは、銀髪で髪は、肩くらいまであっていつも、後ろに結んでいた。瞳は、碧い瞳で、何処か人を引き付ける何かがあった。そして、中々のイケメンだった。
いつも俺とリナとリンドウは、一緒に色んな所に探検に行くのが日課になっていた。山に行ったり川に行ったり、海に行ったりと様々な所に行っては、探検した所について三人で感想を書いたり、どんな遊びをしたかをノートにまとめていた。
「ガイ、リンドウ今日も探検に行こうよ」
「リナ良いよ、最近は、山は、行ってなかったから山かな?」
しばらく山にも行ってなかったので、山に行くことを俺は、提案した。
「俺も良いと思う、山も久しぶりだな」
そして、三人で山にいくことになった。 山に着いてから何をして遊ぶかを相談して、かくれんぼをすることに決まって、少しかくれんぼの相談をしていた。
「じゃあ、かくれんぼしない?」
「山でかくれんぼだと見つけられなくない?」
山だと探す範囲が広くなるので見つけられないと思ったのと危険だと俺は、少し思った。
「俺は、しても良いと思う。隠れる範囲は、決めてやったら良いと思う」
確かに隠れる範囲を決めれば、絶対に見つからないということは、リンドウの意見に俺とリナは、賛成してかくれんぼをすることになった。
じゃんけんに負けた俺は、鬼になったので目を閉じて声に出しながら六十秒を数えている間にリナとリンドウが隠れる事になり、山でする、かくれんぼは、少し気が乗らなかったけれど…まぁ大丈夫だと自分に言い聞かせて鬼をすることにした。
「ガイ絶対に六十秒を数えている間に目を開けてみたら駄目だからね」
リナは、俺に釘を刺すように言ってきていた。
「そんなズルをする訳が無いだろ」
「それなら良いんだけど…」
「そうそう、ガイは、そんなことしないから安心しなよ」
リンドウは、何だかんだ言って俺の味方をしてくれるのでありがたかった。
それから、俺は、六十秒を数えた後、二人を探すことにした。
二人を探し始めて十分くらい経ったくらいで、リンドウを見つける事が出来た。
「リンドウやっと見つけたぞ…やっぱり山でかくれんぼは、難易度が高いと思うんだけど…」
「かなり待ったわ…確かに山でやるべきじゃないかもな…あとは、リナを探さないとな俺も手伝うよ」
リンドウを探すのに十分くらいかかったので、次は、絶対に山でかくれんぼは、しないと心に誓いつつ、リナを探すことに集中しないといけないと思っていた。
「リンドウありがたいよ。一人で探すとどれくらい時間が、かかるか分からないからね」
「まあ、任せときな」
それから、俺とリンドウは、二人でリナを一時間くらいずっと探していたけど…全然見つける事が出来なかった。そこで少し嫌な予感がしたので、リンドウを連れて山の下の方に下りるために回り道をして下りてみると、横になって倒れているリナの姿があったので…急いで二人で近づいてみると。
「リナ大丈夫か…」
声を掛けてけれど意識は、無くて見た感じ足を強く打ったみたいだった。
「ガイ、変に動かすとリナの身体が危ないかもしれないから医者の人を帰って呼びに行こう…俺が呼んで来るからガイは、リナの隣にいてくれ」
そう言ってリンドウは、大急ぎで街に医者を呼びに山を下りて行った。町までは、十五分ほどで行けるのが幸い良かったのかもと思うしかなかった。
リンドウが医者の人を呼びに行っている間に俺は、リナの様子を見つつ、後悔をしていた。
「俺が山に遊びに行こうって言わなければ…リナがケガをする事も無かったのに…本当にごめんな…」
「もっと色々と起こる危険を考えてから…遊びに誘えれば良かったのに…そんな所までも考えて無かった…いつも何事も無く三人で家に帰れてたから、何処かで、きっと大丈夫って思ってたんだ…」
「もう…この事が済んだら俺は、大人しくしようと思う…」
気を失っている。リナには、きっと聞こえないけれど、言わないよりは、言った方が自分の心が落ち着くと思うので、ひたすらにリナに謝っていると、リナは、少し目を開けて口を開いていた。
「ガ…イ…そん……な事…言わ………ないで…」
「わた………しも…悪い………から…そんな………に…つら…そう……な……顔を……しないで」
リナは、俺を少しでも安心させる為だったのか…そう言ってから、また気を失っていた。
「リナありがとう…でも、俺は、リナとは、もう一緒に居られなくなると思う…」
気を失っているリナに一言を言った後に、リンドウが医者の人を連れて来て、リナは、街の病院に運ばれて行くのを無力な俺は、ただ棒立ちをして…見ているだけだった。
リナの命には、別状は、無かったけれど…山から落ちた時に脚を思いっきりぶつけた事により後遺症があり、杖が無いのと歩くのが少し、しんどい状態になってしまったのもあり、リナの親御さんからも怒られてから顔も一発殴られて、二度とリナに近付く事は、許さないと言われて、俺は、リナにちゃんと謝る機会を俺は、失ってしまった。リナが山から落ちたのは、全部俺が悪いことにして貰い…リンドウだけは、リナの傍に居れるように出来たのは、幸い良かったのだと思うことにした。
リナは、入院中も退院してから俺に会いたいと親御さんにずっと言ってくれているみたいだった。リンドウからその話を聞いたけれど結局、自分には、何も出来ないので何処かモヤモヤした気持ちがあった。
いつもリンドウは、俺に会いに来ては、リナの事を色々報告してくれる事が励みになっていた。その分、もうリナに会えなくなってしまった事を考えると辛いれけど…前を向いて行くしかないと感じていた。
それから…数か月して俺は一人で、散歩をしようと思い街を歩いていると、前から荷馬車が走ってくるのが見えて、道の脇に寄っていると、俺の前を歩いている四十代くらいのおじさんが馬車の方に飛び出して、もう少しで馬車に轢かれる寸前の所で馬車が止まり、事無きを得たと思っていると、そのおじさんが俺の方を見て、指を指して『あいつに押された』と言い始めて、俺は、やってもいないのに大騒ぎになり始めていた。
「俺は…やっ……」
俺は、すぐに否定しようと思っていたけれど、周りに居た人たちが勝手にヒートアップしていき、完全に話を聞いて貰える状態じゃない感じになってしまっていた。
「まあ、あの子は、リナちゃんの足を駄目にしてしまった子だから、馬車に向けて押したとしても可笑しくは、無いわよね…」
近くに居たおばさんが一言が引き金になり余計と周りは、よりヒートアップしていき、周りに人たちから投げれそうな物を片っ端から俺に向けて投げつけていた。俺は、それに黙って耐えるしかなかった。石や瓶などを投げられて、体の至る所から血が流れていた。投げられていたのは、ほんの数分のことだったけれど、投げられている本人の俺には、一時間くらいの長さに感じた。
ある程度で気が済んだのか、俺に投げ物をした人たちが居なくなって、馬車の方にわざと倒れたおじさんが俺に向けて一言行って立ち去って行った。
「リナちゃんの分にしては、少ないけど少しは、苦しめたか……これからもっと苦しめばいいのにな」
リナは、こんなにも色々人に思われているのに、俺は、何て取り返しのつかない事をやってしまったのだと、その場で後悔していた。
そうして、しばらくしてから、俺は、立ち上がり血まみれの状態で家に帰ろうとしていると、両親が俺の前に現れていた。
「お前は、色々な人に不幸を与える悪魔の子だから、二度と家には、帰って来なくて良い…家の子では、無いから、好きな所に行け」
「貴方のせいで私たちが苦しむのは、嫌だから、二度と帰って来ないで頂戴…顔もみたくないわ」
多分、何処かで、こんな風になるのは、分かっていたような気がしていたので、不思議と驚きは、無くて素直に受け入れている自分がいた。今まで育ててくれたお礼くらいは、言おうかと思っていたけれど、そんな状況では、無いので、俺は、後ろを振り返り街から出る方向にゆっくりと歩いていった。
街の出口付近で、リンドウとリナとばったり会ってしまった。今の状況で一番会いたくない二人に会うとは、思っていなくて少し驚いていた。
「ガイ血塗れじゃない…街の人に酷い事されたのね」
「リナ事に比べたら大した事じゃないよ…」
「街の人から話は、俺たち聞いたけど、絶対ガイは、やってない」
ガイとリナが信用してくれるだけで、今は、十分気持ちは、救われていた。
「やってないなら否定しないと駄目でしょ!ガイ」
リナは、俺を凄く怒った表情で睨んでいた。
「一応否定は、しようとしたんだけど……でも、あの状況で否定しても勝ち目が無いと思ったんだ…」
「どういう事だよ?ガイ」
「じゃあ、リンドウとリナは、悪い方と良い方のどちらに味方したいと思う?」
簡潔に説明するために俺は、たとえ話をした。
「それは、良い方に味方するよね。普通に」
「俺も良い方に味方する」
「つまり、そういうことだ。客観に的に見て馬車に轢かれかけたおじさんが良い方に見えて、俺が悪い方に見えたって事。リナの足を駄目にしたことを街のみんなは、知ってるから余計を俺の事なんか信じてくれる訳ないしな……」
二人は、少しポカンっとしているようだったけど、何となくは、理解してくれたらしい。俺は、急いで街を出たかったので、話を切り上げた。
「それじゃあね」
「また会えるよね?」
リナは、街から去る俺の背中を見て、そう言っていた。
俺は、何も言わず、前を向いたまま、手を上げて横に振っていた。そして街から三十分ほど離れた所で自分が思ってるより、出血が酷いせいでその場で倒れてしまった。
これで死ぬなら死ぬで仕方が無いと思えた。俺がやってしまったことは、決して許される事では、無いので…そんな事をボーっと考えてる間に気付くとそのまま気を失っていた。
俺が目を覚めると、見知らぬ天井がそこにあり、俺の近くには、俺を助けてくれたと思われる二十代前半くらいの黒髪ロングで茶色の瞳の綺麗な女の人は、白衣を来たまま机の上で座ったまま寝ていた。
俺が起きた事に気付いたのか、黒髪ロングで茶色の瞳の綺麗な女の人は、目を覚ましていた。
「君、やっと目が覚めたね…五日ほど、ずっと眠ったままだったよ」
女の人は、ずっと俺の看病をしてくれていたのか少し眠そうな感じがした。
「あの…助けてくださって、ありがとうございます。どうして助けてくれたのですか?」
「うーーーーん、何て言うんだろう…私にも良くわからないけど、君は、私と似ている気がしたから、だから君は、特別に助けたかな…」
多分、この人の言い方だと他の人なら助けてないという意味であっているのだろうか…
「じゃあ、他の人なら助けてないということですか?」
「ううん、助けて無いことは、無いけど、少なくとも私の研究所で治療することは、無かったかな…」
色々、この人にも考えがあっての事なのだと納得することにした。助けて貰えただけで感謝しないといけないと思った。
命を助けて貰ったのに名前を知らないのは、失礼だと思ったので聞くことにした。
「あの…お名前を教えて貰って良いですか?」
少し恥ずかしかったので俯きながら名前を聞いていた。
「私の名前は、ツバキ・シトリンだ。宜しくな」
ツバキさんの話し方は、カッコいい女性っていう話し方だと思った。
「俺の名前は、ガイです。」
「ガイか良い名前だ。まだしばらく安静にしてないといけないから、ゆっくりすると良いよ」
ツバキさんの言葉に甘えさせて貰ってしばらくゆっくりさせてもらうことにした。
それから数日が経って、激しい運動をしなければ、動いて良いとツバキさんに許可を貰ったので、ツバキさんに一緒に付いて歩くことにした。
「ガイ、私に付いて来ても面白い事なんて一つも無いぞ…」
そう言いつつも一緒に付いて来てくれるのが嬉しいのか、機嫌が良さそうだった。
「それでも、良いです…今は、ツバキさんについて知りたいと思ったので…」
「まあ、ガイの好きにすると良いさ…」
研究所に向かっているツバキさんの後ろに付いて行っていた。ツバキさんは、アンドロイドの研究をしているみたいで、人に近いアンドロイドを造る研究をしていると言っていた。研究所は、資料で溢れていて、至る所に研究資料が散乱していた。
「あ…悪い…見苦しい所を見せたかな…どうも片付けが苦手でね…」
「いえ、別に大丈夫ですよ…良かったら俺が片付けても良いですか?」
反対されると思ったけれど、片付けれるのであれば、片付けたいと思ったので駄目元で言ってみた。
「良いのかい!まあ、何となくで良いけど、資料をまとめて片付けて貰えると助かる」
自分が思ってたよりツバキさんの反応が違ったので、少しびっくりしてしまったけれど、自分なりに資料を片付ける事にした。資料を片付けている途中で少し気になる資料があった。
それは、アンドロイドに感情を持たせるという資料だった。その資料を手に取り読んでいると、ツバキさんが俺に声を掛けてきていた。
「あ…その資料か…アンドロイドに人間と同じ感情を持たせるという実験は、あまり上手くいってないんだ…結局、人の感情は、人によって十人十色だから、アンドロイドにどこまでの匙加減で感情を加えれば良いのか…何処まで、すれば正解なのか…分かってないんだ…まあ、正解なんて絶対にないんだと思うけど」
だから、私は、アンドロイドに加える感情の調整は、難しくて中々進んでいない…
「もし仮に感情が目に見えているとアンドロイドに加える感情の調整は、しやすいかもしれないって少し思いましたけど…日常的にもし、人の感情が目に見えていたとしたら、人と人が気を遣いすぎて。逆に生活が困りそうですよね」
「まあ、そうだろうね…感情にしても世の中の事にしても…見えすぎる事で、知れる事もあるかもしれないけれど、逆に知れてしまう事で、目を伏せたくなるような事も、きっとある…それで、心が耐えきれないような負担が生まれるかもしれないって思うと。感情は、見えないからこそ…通じ合えた時は、倍で嬉しい思うし。だから不便だと思う事からも、見つけられる事もあると思うから、ガイは、生活をする時に少しだけ周りを気にしながら大切に生活すると面白いかもしれないよ」
ツバキさんの言葉が心に残っていた。