第3話 突然の研究所への訪問者
ガイ博士の付き添いの元で私が初めての外に出てから、一週間が経っていた…ガイ博士にプレゼントで
貰った青い蝶々と黒い蝶々のヘアピンをちゃんと毎日つけていた。
ガイ博士は、ヘアピンをつけなくなるのかなと思っていたけれど…毎日ちゃんとつけてくれていて、嬉しかった。
ガイ博士の研究所に遠い別の研究所から五十代くらいの小太りのおじさんのスノードロップ博士が突然訪ねてきて、すぐに私にガイ博士は、スノードロップ博士が研究所に入って来る前に私に「スノードロップ博士が帰るまでは、リナリアは、絶対に部屋から出るな」と言われていた。
そして、スノードロップ博士がガイ博士の研究所に入っても良いという許可なく研究所に勝手に入って来ていた。ガイ博士のアンドロイドの技術は、他の研究者より遥かに上をいっていたので度々こうやって急に許可なく訪ねて来ることがあるらしい。
「スノードロップ博士、あの…いつも言ってますよね…研究所に入って良いと何て一言も言ってないんですが」
私は、自分の部屋の扉に耳を当てて研究所から微かに聞こえてくる声に耳を傾けていた。
するとガイ博士の声色は、私と話している時とは、真逆の声で鋭く冷たい物だった。
「別にそんな些細な事は、良いじゃないですか…私とガイ博士は、同じ研究者仲間なんですから…情報の共有くらいは、してくださいよ」
「スノードロップ博士に共有する情報何て一つも無いし、あんたと同じ研究者扱いは、しないで欲しいですけどね」
「それは、そうとガイ博士、アンドロイドの研究は、どうですか?本当は、もう完成しているのでは無いですか?噂では、もう完成してると聞いてますが」
「スノードロップ博士と話す事なんて何も無いから…とっとと帰ってくれ…邪魔だ…」
ガイ博士は、私が今まで聞いた事の無い声で怒っていたので慌ててガイ博士のいる研究所の扉を開けてしまった。
「ガイ博士、大丈夫?何かあったの」
「リナリア、私が良いと言うまで、部屋から出るなと入ったはずだろ…」
ガイ博士は、私を少し怒った表情で見ていた。
「あ…ごめんなさい……ガイ博士が、今まで聞いた事の無い声で怒ってたから心配になって……」
すると、私にスノードロップ先生が近づいて来て、私の体を上から下まで舐めるようにじっと見ていた。
「ガイ博士の事は、色々と調べてから来ていますけど…妹は、いないですよね…それと、ガイ博士は、極端に人との関わりを避ける事は、分かっているので……私の言ってる意味は、分かりますよね」
ガイ博士は、その言葉を聞いて何とも言えないような表情をしていた。
「まあ、今日の所は、帰りますけど、次に会う時が楽しみですね…ガイ博士」
不適の笑みを浮かべてスノードロップ博士は、帰っていた…
スノードロップ博士が帰った後に、ガイ博士は、頭を抱えていた…
「リナリア…俺たちは、もう平和には、暮らせなくなるかもしれない…スノードロップ博士は、手段を選ばない人だから…これから何があるか分からない…」
私が自分の部屋を飛び出して、研究所に入らなければ…こんな事には、ならなかったのかもしれない…ガイ博士との約束を守れない自分が許せなかった…
「ガイ博士………ごめんなさい約束破って………」
「別にリナリアは、悪くないよ…俺を心配してくれたんだから…でも、これからの事をちゃんと考えないとな…」