第2話 外の世界
外に出るのが楽しみで私は、夜は、あまり眠れなかった…本当は、アンドロイドの私に睡眠や食事は、特に必要は、無いけれど…ガイ博士は、なるべく、リナリアは、人と同じように一緒に生活をして欲しいという事だった。私は、歳をとらないこと以外は、人の感じる感覚のすべては、私は、感じる事を出来るようにしたらしい…良い事か悪い事なのかは、私には、分からないけど…
ガイ博士は、いつも朝がとても弱いので、私が無理矢理に毎日起こすのが日課になっていて、いつものようのにガイ博士を起こしに行くと。
「おはよう、リナリア今日の朝ご飯は、何?」
いつもは、私が起こしに行くまでは、絶対に起きてないはずなのに、ガイ博士が起きていたので、私は、びっくりしてしまった。
「ガイ博士が私が起こしに行く前に起きてるなんて・・・夢でも見てる見たい」
「俺がいつもリナリアに起こされるまで、起きないだらしない奴みたいじゃないか…」
ガイ博士は、私にブツブツと物を言いながら笑顔で服を着替えていた。
「ガイ博士は、毎日ちゃんと起きれてないし…それと朝ご飯は、ガイ博士の好きなフレンチトーストにしましたよ。」
「フレンチトーストは、最高だよ。毎日でも食べたい」
「ガイ博士、朝ご飯何が食べたい?って聞いても、フレンチトーストしか言わないから聞くの辞めました。私が飽きるから」
「俺は、毎日でも良いんだけどね…」
「それと、フレンチトースト冷めるから早く食べないと」
私は、ガイ博士に出来たてのフレンチトーストが冷めるのが勿体無いので、早く食べるように言っていた。
私とガイ博士は、食事を済ませてから、出かける準備をしていた。外は、夏に近い気温とガイ博士が言っていたので私は、水色のワンピースと動きやすいようにスニーカーと髪の毛は、腰まであるので髪を結んで少しでも涼しくなるようにポニーテールにしていた。
「リナリア凄く可愛いし綺麗だぞ、コバルトグリーンの髪と瞳ってやっぱり綺麗だよな……」
私は、ガイ博士を元に作られているので、ガイ博士と一緒のコバルトグリーンの髪と瞳で、私は、この色を凄く気に入っている。
「あの…ガイ博士…いつもの白衣で出かけるの?」
何となくガイ博士が白衣で出掛けようとするのは、予想出来ていたけど…私が言っても着替えたりは、しないと思ったので、諦めつつある私だった。
「これが俺の正装なんだぞ、俺の服装は、気にするな…リナリアが可愛いから俺は、それで満足だよ」
何かそれっぽく良い事を言って着替えなくても良いようにしてるガイ博士だった。
結局、ガイ博士は、着替えずに白衣のままだった…
外の世界は、どんなのだろう…私の頭の中に入っている。印象深い街並みは、ヴェネツィアみたいに水に囲まれていてのどかで綺麗なイメージだけど…実際どうなのかなと期待に胸を膨らませて、研究所の玄関の前に私とガイ博士は、立った。
「リナリアに昨日も言った、自分がアンドロイドだって事は、絶対に言わないで欲しい。言わなければきっと大丈夫だと思うから。もし何か聞かれる事があれば、ガイ博士の妹って言うんだぞ」
ガイ博士は、私にまつわる話をする時は、とても真剣で…やっぱり私を大切にしてくれているんだと思えることが幸せだと思った…でも素直にお礼を言うと恥ずかしいので心の中でお礼を言っていた。
「分かった。ガイ博士が言ったことは、ちゃんと守るから」
「絶対だぞ…」
そして、私とガイ博士は、深呼吸をしてから玄関から外に出た。すると外は、私の思っていた、ヴェネツィアみたいな水に囲まれては、居ないけど…雰囲気は、似ていたので良しとしようと勝手に思っていた。
「外に出た感想は、どうリナリア?」
「私の思ってた感じと少し似てるかなって思った」
「まあ、何でも良いや、取り敢えずブルーベルの町を散歩していたら、見える景色も変わるかもしれないからね。リナリア」
ガイ博士は、私の手を握って優しくエスコートをしてくれていた。最初にガイ博士が連れていってくれた所は、イカ焼きの屋台だった。
ブルーベルの町は、一年中屋台が出ているらしいので、他の町だとお祭りのなどの行事で無いと屋台が無くて、このブルーベルの町は、比較的に他の町より人口が多いので、一年中屋台を開いていてもお客さんが来るので安定して来てくれるらしいので、屋台でもある程度の稼ぎあるみたいだとガイ博士が言っていた。
「リナリアは、イカ焼きは、初めて食べるだろ…これ凄い旨いからな…タレがいっぱいかかってるのがまた贅沢で旨いんだよな」
ガイ博士は、イカ焼きについて、私に熱く語りながら、イカ焼きを二つ買って、私たちは、近くにあったベンチに向かっていた。
「別に立ったまんま食べても良いけど、何となく行儀が悪いからな…やっぱり座らないとな」
「そうだね。案外そういう所は、ガイ博士は、何か真面目だよね…」
いつもは、だらしないガイ博士だけど…こういうちょっとした真面目な所もガイ博士の良いところだと思ってる。
「ちょっとした事だけど、大事なことなんだぞ…立ったまま食べて人に当たったりすると危ないしな」
二人でベンチに座りイカ焼きを食べようとしていた。
「食べる時にイカ焼きのタレが垂れてワンピース汚さないように出来るだけ気を付けて食べるんだぞ…」
「大丈夫だよ…ガイ博士、気を付けて食べるから」
私は、イカ焼きのタレが垂れないように最初は、慎重に食べていたけど、途中から食べるのに夢中で気付いたらワンピースの太ももの近くに茶色シミが出来ていた。
「あ…ガイ博士…タレがワンピースに落ちてた」
「あ…言ったのに…急いで拭いてもシミは、残るかもしれないけど、取り敢えずハンカチあるから」
ガイ博士は、私の太もも近くについたワンピースのタレを濡らしたハンカチでトントンして汚れを取っていた。
「何で俺がワンピースの汚れ取ってる間にリナリアは、イカ焼きをずっと食べてるの…別に俺は、好きでやってるから良いんだけど」
私は、ワンピースにイカ焼きのタレを落としてしまってたけど、まだイカ焼きを食べきれて無かったので、ワンピースの汚れを取るよりも先にイカ焼きをずっと夢中で食べていた。
「ガイ博士、イカ焼き美味しいね…病みつきになりそう」
「研究所に居る時と立場が逆になってるな…」
(外だと気は、抜けないのとしっかりしないと駄目だと思う所もあるから余計とか…)
「私も初めて経験する事には、わくわくするもん…まだ知らない事の方が多いから」
「そうだよな…リナリアは、生まれてからずっと研究所の中だったもんな…俺が悪いんだけど」
「別にガイ博士は、悪くないよ…私の心配をしてから…外に出したくなかっただけだもの」
実際にガイ博士は、悪くない私の見た目がいくら人間なアンドロイドだからと言って絶対にバレないという保証は、どこにもないので…ある意味、外に出ずに一か月間研究所に居て、色々と勉強出来てから外に出たのは、正解だったかもと思えた。
イカ焼きを食べた後は、ガイ博士と一緒に雑貨屋に向かっていた。
「ガイ博士、色々な商品が置いてるねー」
雑貨屋さんには、色々な商品が置いてあるので、私は、目をキラキラと光らしながら商品を見ていた。
「色々商品が多いから…あれも…これも欲しいってなったりするんだぞ」
ガイ博士は、私が色々商品を見ている所を後ろから見守っていた。
私は、商品を見ていると、ふと目に止まった青い蝶のヘアピンが気になって手に取ってじっくりと見て、ガイ博士にも青い蝶々のヘアピンを見せていた。
「ガイ博士、このヘアピン見て凄く可愛いね…」
「それは、可愛いな…リナリアに良く似合うと思うから、ちょっと俺にその青い蝶々のヘアピンを渡してくれる?」」
そう言われて青い蝶々のヘアピンをガイ博士に渡した後に、黒い蝶々のヘアピンもガイ博士は、手に取って私とガイ博士は、レジの方に向かっていた。
「ガイ博士もヘアピンするの?」
ガイ博士も青い蝶々のヘアピンと黒い蝶々のヘアピンを二つずつ取っていたので、思わず聞いてしまっていた。
「俺のじゃないよ…リナリアにプレゼントだよ…日頃のお礼も兼ねて」
「ガイ博士ありがとう。凄く嬉しい…ずっと大事にするね。」
私は、青い蝶々のヘアピン二つと黒い蝶々のヘアピン二つをプレゼントされたけど、私は、どうしてもガイ博士にヘアピンをつけて欲しかったので、黒い蝶々のヘアピンと青い蝶々のヘアピンを一つずつ渡すことにした。
「ガイ博士も青い蝶々のヘアピンと黒い蝶々のヘアピンをつけて欲しい…私とお揃いが良いから……駄目かな……?」
「もう…リナリナ本当に可愛いな…俺も髪が長いからヘアピンあると便利だし、お揃いも悪くないと思うし、ありがたく使わせて貰うかな」
ガイ博士の事なので、きっぱり断られると思ったけれど、素直に受け取ってくれてお揃いで使ってくれるとは、思っていなかったので、私は、ジャンプをしながら喜んでいた。
「嬉しいのは、分かるけど…お店だからあんまりはしゃぐと怒られるぞ…」
「あ…ごめんなさい」
ガイ博士と私は、お店から外に出てからヘアピンを付けることにした。ガイ博士は、少し恥ずかしそうだったけど、ヘアピンをつけてくれていた。
「どうかな…私にヘアピン似合ってるかな……ガイ博士……」
「とてもリナリアに似合ってるよ…青と黒で違うのも悪くないな」
ガイ博士は、私のヘアピンをつけた姿に何か満足そうな顔をしていた。
「ガイ博士も凄く可愛いし…似合ってる」
ガイ博士も顔が整っているのでヘアピンをつけてると少し女の子っぽく見えた。
「お…おう…可愛いか…複雑な気持ちだけど、ありがとうな」
「えへへ…ガイ博士とお揃いだ」
「リナリアが喜んでくれたなら俺は、満足だ」
今日のガイ博士と私のお出かけは、イカ焼きを食べたのと雑貨屋さんに行っただけだけど、私が満足したので今日の所は、帰ることになった…短いけれど凄く濃厚な時間が過ごせたと思った。