自画像
少し変わった趣味だとよく言われる。
それは、自分の誕生日のときに、必ず自画像を描くというものだ。
自画像、と一言でいっても、時と場合によって変わっていくだろうだろうから一つルールを決めている。
それは同じ画材、同じ日に描くということだ。
画材は油絵、ドイツのメーカーにある同じ色のものを使い続けるということにしている。
老舗メーカーのものだからきっと販売終了とか、倒産とかなることはないだろうということで考えていた。
描き始めたのは美大にいた20歳のころ。
成人式を迎えて、何か新しいことをしたいと考えていたころにはじめたのが、今も続いている。
もう20枚以上描いていると、その時々に思うものがあるのに気づく。
絵のタッチも、どんどんと変化していて、成長の度合いというべきか、あるいは展開の方式が違うということに気づく。
どれが上手い、下手、ということはない。
ただ、これからもずっとしようとするのがもう当たり前なんだと思う。
ただただ、自分がここまで生きたという証を残すために。