出会いと始まり
この世界には未知なものがたくさんある
未知な大陸、未知な食べ物、未知な景色、未知な体験…
しかし未知なものを得るには同時に強さを強いられる
世界には未知と強さを求めた奴らがいる
それを人々は冒険者と言う
とある南の島
「村長さん、雪おばさん、それに村のみんな!」
「俺行ってくるね!」
「気おつけてくるんじゃよー」
「気おつけなさいよー」
「自信持って行ってこい!!」
俺は千石優利、12歳
今日は俺の中学受験日と言ってもただの受験ではない
遠く離れた五大都市の1つの月籠学院都市の月籠学院に受験しに行くのだ
これには深い理由がある…
―7年前―
俺は雪おばさんと喧嘩をし、山で遊んでいた時の事だった。シャドウベアーと言う熊の魔物が突如現れ襲いかかってきた
「誰か助けて……」
ズバァ
一瞬の事だった。一人の男がシャドウベアーを真二つに刀で切り裂いた。
「怪我は無いですか」
その男は灰色の女性みたいに長い髪に狐目で背も高かった
「な、何で殺しちゃったの?」
今覚えばこの質問はとてもおかしかったと分かるが、その時はそう聞いていた
「人間を襲ってしまえば魔物は、もう人ではなくなるからです」
男の回答は意味がわからなかった
「意味が分からないよ……大切な命なんだよ」
「あなたもいづれ全てを知る時が来れば分かるかもしれませんね」
「世界の全て?」
「世界には未知なものが沢山あります。例えば暗黒大陸とかですかね。それよりもこの魔物を埋めてあげましょう」
「分かった。魔物を埋め終わったら、もっとその話聞かせてよ!」
「いいですよ。しかし、私が話すのは今一般の人が知ってることと私の冒険譚だけですよ」
それから僕はその男の話を沢山聞いた。魔物の話、砂の国の話、氷の国の話、能力の話、美味しい食べ物の話、仲直りの仕方…そしてその男の名前が、月称蒼寿郎だということも
そして彼は2ヶ月間だけ俺の先生になってくれた
そして最終日の日彼は手紙だけ残して去っていった
"冒険者を目指したいならば、まずは私を見つけなさい。隠れんぼですね。12歳になり月籠学院に来ればきっとヒントを得られるはずです。私はいつでも待ってます。叶うことなら、共に冒険者として冒険しましょう。PS私は全力で隠れるので見つからないと思います”
俺はこの2ヶ月で冒険者というものを知り、自分の目で未知の大陸を見たくなった。
そして七年後に月籠に行くことを決意した。先生を見つけるために!