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転生(?)したら、大真面目なのに不思議ちゃん扱いされた。解せぬ。

作者: 古野 海

 あー、明日からテストかー。早く寝よう。


 明日から、高校最後のテスト週間が始まる。

 今までは割と頑張って勉強してきたけれど、その甲斐あって第一志望の大学にも合格できた。内申点ももう関係ないし、あとは三年連続皆勤賞ぐらいだろうか。連続皆勤賞狙える子は、学年で五人しかいない。

 うんうん、勉強よりも睡眠だね、遅刻するわけにはいかないね、と一人自分を納得させて、テディベアのポウちゃんを抱えてベッドに入る。

 で。

 気付いたら、知らない場所で寝てた。


 あれ私、旅行来てたっけ?

 いやいや行ってない、……え、てか全然知らないところなんだけど!どこここ!?

 誘拐!?こんな何もない女子を!??

 いやいやいやでも拘束とかされてないし。寧ろなんかスイートルームみたいな部屋だし。

 ……若ければ誰でもいい富豪とかに買われちゃったのかな……お父さんもお母さんも、そんなに家計が大変だったなら言ってくれればバイトぐらいしたのに……!


 ……でも、なんか誰もいないね?

 夢かも?

 あ、それだわ。

 テストの日に変な夢見たとか言って、遅刻しちゃ大変だ。起きるために、寝ておこう。


 夢だからなのか、いつもよりもふかふかなお布団をかぶって目を閉じる。次に目を開けたら、当然夢から覚めていると確信して。




 ……やっぱり知らないところなんだけどおおおおおおおお!

 どういうこと!?ほんとに売られたの!??

 いやいやいやいや日本だよ!?人身売買禁止だよ!??

 ……やっぱり夢でしょう。


 そこでふと、怖い夢を見たときに自分の叫び声で起きたことを思い出した。


 ……あ、大声出したら起きるかも。


「きゃああああああああああああああああああああああああ!」

「В чем дело!!???」


 そこで、私の微かな希望は潰えた。だって、入ってきたのは外国人。しかもたくさん。何を言っているのかわからないけれど、すごい剣幕で怒鳴られた。しかもたくさん。


 あ、なるほど……日本じゃないなら、日本の法律なんて意味ないよ、ね……。


 目の前が真っ暗になって、頭が急激に重さを増した気がする。重力に逆らわず、そのままさっきまで眠っていたベッドに倒れていく。


 ……次こそ、夢が覚めていますように。




 現実とは小説よりも奇なり。斯くも奇妙な現象が起きようとは、一体誰が想像しようか。


「これ、夢だよね?」

「...Извините, я не понимаю, что вы сказали.」


 現実逃避をしていても、どうにもならない。さっきまでは誘拐かもしれない、と思っていたけれど、どうやら違うようだ。周りにいる人たちは危害を加える様子はないし、バトラーとかメイドさんみたいな服を着ている人ばかり。しかも本気で心配している様子が伺える。

 必死に頭を回転させて、コミュニケーションを試みる。


「あー……Can you speak English?」

「Принцесса говорит странные слова...」


 英語が通じないなんて……!もしかして発音悪すぎた?一か月の海外留学では普通に通じたのに……!あ、それとも向こうが訛った英語を話す人?

 ……だとしても、ハローぐらいだったら通じるでしょう。


「Hello?」

「...」


 なんだかとんでもない衝撃を受けたような顔で、私をまじまじと見つめてくる。


 やめてそんなイケメンな顔近づけないで!恥ずかしい!


 白い肌に金髪碧眼、服装少し派手目。絵に描いたような王子様な人が、十センチも離れていないところで私の顔を見つめている。少しずつ顔が紅潮していくのがわかる。


 ……というか、ハローも通じてない?


「...ボンジュール?グーテンモーゲン?チャオ?……ジャンボ?……ニイハオ?アンニョンハセヨ!?」

「??」


 ……うそでしょ!?


「なんで通じないのー!!!!!?」

「Принцесса сумасшедшая!」


 思わず両手で顔を覆い、再び叫ぶ。すると、下を向いた拍子にさらりと長い髪が肩を滑ってきた。


 ……銀髪?


 そっと毛先を手に取り、引っ張ってみる。痛い。私の髪の毛だ。

 というか、その手にも違和感がある。自分の前に両手を伸ばし、まじまじと手の平を、指を、腕を確認していく。こんなに柔らかそうだっただろうか。こんなに細かっただろうか。こんなに白かっただろうか。こんなに、小さかっただろうか。

 伸ばした手の下に、自分が今着ている服が目に入る。今まで着たことがないような、ひらひらのネグリジェのようなワンピースのようなものを着ている。私では絶対に選ばないような、お姫様みたいな服だ。


 そして再び、視界がブラックアウトしていく。


 ああ、気付かなかったけど……私いつの間にか死んだのかも。

 ……走馬燈かな。私にお姫様願望があったとは知らなかったけど。あれ、走馬燈って今までの人生振り返るやつだっけ?

 まあ死んだことある人なんていないから、わからないよねえ。

 実際は、死ぬ間際に良い夢を見せてくれるものだったのかも。……いや良い夢とは思えないんだけどさ。そもそも死にたくないし。

 ……このまま寝たら死ぬのかな?それはそれで怖いけど……ああ、でも知らない言葉を話す人たちに囲まれてるのも、ちょっと……





 夢を見た。王女様として生まれる夢。


 その王女様は、とても幸せそうだった。

 傾国の美女と言われたお母様にそっくりな王女様。

 早くに死んだお母様の代わりに、お父様にたっくさん甘やかされて育った王女様。

 欲しいものはすぐ手に入るし、いつでも楽しい王女様。

 なのに、いつもどこか虚しい王女様。


 正妻は虫けらを見るかのような目で見てくるし、正妻の息子はなんか気持ち悪い目で見てくる。

 使用人は言われるがまま、はい、王女殿下、しか言わない。

 私は何のためにここにいるんだろう?どうして王女なんだろう?

 どうして、生まれてきてしまったんだろう……。


 夢の中で自問自答を繰り返していたら、目が覚めた。起きたら頬が濡れていて、泣いていたのだと自覚する。


 あー……夢のはずなのに、すごくリアル。


 ぐいっと手の甲で涙を拭い、シーツでごしごし目を擦る。


「あのー……誰か、いますか?」


 普通に話したはずだが、口から出てきた言葉は知らない言葉。自分でどうやって話しているのかもわからず、思わず首に手を当てる。

 すぐに壁の一部が開き、メイド服を着た女性が入ってきた。


「何か御用でしょうか?」


 どこか怯えた様子の彼女の言葉を聞いて、目を見張る。言葉が、理解できる。


「……もう一度、話してくれる?」


 意識したわけでもなく、するりと言葉から敬語が外れる。


「……御用件はなんでしょうか?」


 また涙があふれてくる。そして、理解した。あの夢の中の王女様は、私だ。この身体は、七歳の王女殿下のものだ。

 自分であふれる涙を拭う。


 この人はメイドではなく、”わたし”が赤ちゃんの頃から世話をしてくれているナニー。徐々に癇癪が酷くなっていく”わたし”に、一番激しく当たられていた。


「ねえ……ここは、夢じゃないのよね?」

「……はい」


 静かに答え、頭を下げる。きっと今までの”わたし”だったら、気に食わないことがあれば当たり散らしていただろう。けれど今の私は、”わたし”ではない。


「……そう。今まで、ごめんなさい」

「っ!?……目を覚まされましたら、お医者様を呼ぶように言われております。お呼びしてもよろしいでしょうか?」


 ナニーは頭をあげて目を見開き、私をまじまじと見たけれど、数秒目線を合わせると、ハッとしたように視線を逸らした。


「……わかったわ」


 ナニーは深く頭を下げると、そのまま部屋を出ていった。泣きそうな顔をしていたのは、見間違いではなかったと思う。

 どういう経緯かは一切理解できないけれど、なぜだか私は王女殿下の身体に入ってしまったらしい。わたしの身体はどこも悪くなんてないけれど、夢だと思っていた時の行動を考えれば断れない。


 そう待たずして、白っぽい服を着たおじいさんが入ってきた。日本とそう変わらない方法で診察を終え、問題なさそうだと言って部屋を出ていった。

 残されたのはナニーと私だけ。


「……ご入浴されますか?」

「……ええ、お願い」


 なぜだかビクッとされ、浴室へと案内される。さあ入ろうと服を脱ごうとすると、なぜかナニーが服に手を掛ける。びっくりした直後、そういえば”わたし”は脱がせてもらっていたと思い出す。


「……自分でできるわ」

「……いえ、これも仕事ですので」


 驚いたような顔を向けられ、どこかバツの悪い気持ちになるけれど、人に脱がせてもらうなんて恥ずかしい。何度かやりとりをしたけれど、王女殿下が自分で服を脱ぐなどしてはなりません、と強く言われ、諦めた。


 ……まあ私の身体じゃないし、七歳だし、いっか。


 寝汗を相当かいていたらしい。浴室まで入ってきたナニーに、溜め湯を掬い取ってかけてもらうと、とても気持ちがよかった。


「わたしは……どれぐらい寝ていたのかしら?」

「一週間ほど高熱でうなされておりました」


 一週間も高熱で寝ていたとなれば、それは心配をかけてしまっただろう。無意識に私の記憶で考え、そして問いかけた。

 ……誰に?

 その後尿意を伝えたが、トイレも一人では行かせてもらえず、羞恥にまみれながら排泄を終える。


「夢だったら、よかったのに……」


 ああ、日本に戻りたい。


 色んな意味で心底そう思う。そしてふと気が付いた。

 どうしてだか、ついさっきまで覚えていた日本のいろいろが思い出せなくなりつつある。学校の先生、先輩後輩、同級生、クラスメイト、友達、幼馴染、お父さん、お母さん、それから私。

 既に名前がわからない。

 このままぽろぽろと、なくなっていってしまうのだろうか。


 私は、日本人の…………なのに。


 一人考え込んでいたら、慌ただしく寝室の扉が開いた。


「イーリフィッサ!言葉が戻ったって本当か!?」


 ”お父様”が駆け込んできた。その後ろには、焦げ茶色のくるくるした髪を持つ少年……”お義兄様”だ……が続き、更にその斜め後ろには金髪碧眼のイケメン……”わたしのお気に入りの近衛騎士”だ……が付いてきていた。

 ざっと今まで”わたし”がしてきたことが頭を過り、恥ずかしさと申し訳なさとで、顔が熱くなったり冷えきったり忙しなく変化した。


「……お父様、ご心配おかけしました」


「イーリフィッサ……っ」


 お父様がらしくなくボロボロと涙をこぼし、私が腰かけるベッドへとよろよろと近寄ってくる。そのままベッド脇に膝をつくと、シーツへと顔を突っ伏した。こんな”お父様”、見たことない。


「私がついていながら、申し訳なかった」

「?」


 話の流れが読めずに首を傾げる。


「お前に毒を盛ったのは……ペテーラだった」


 必死に”わたし”の記憶を探り、思い出した。お父様の正妻でありお義兄様のお母様、彼女の名前がペテーラ王妃だ。彼女の記憶はほとんどない。嫌な目線を向けられたことは覚えているが、関わりなどほとんどなかった。

 それより聞き捨てならない単語が聞こえた。


「……毒?」

「すまない、まさかお前の七歳の生誕祭であのような暴挙に出るとは……っ」


 お父様の言葉で、徐々に記憶が蘇ってくる。そうだ、わたしは誕生日を祝ってもらっていた。わたしはお父様だけいてくれれば良かったけれど、王女なのでそうはいかない。側室の子だからと理由をつけて、比較的こじんまりと祭を開いてもらったのに、なぜだかペテーラ王妃が割り込んできたのだ。その時は、いつもいやらしい目で見てくるお義兄様の策略だと思っていたけれど……。

 ちらり、とお義兄様を確認すると、相変わらずの笑みを浮かべている。


「僕の母が申し訳ない事をした、イーリフィッサ」

「いえ……」


 お義兄様が足を進めながら、あの嫌な目でわたしを不躾に見てくる。口では心配しているようなことを言っているが、本音はどうなのか。


「後遺症などは大丈夫だろうか?」

「後遺症だと!?」


 お義兄様の言葉に、お父様が過剰に反応する。わたしの全身を確認しようと布団をはぎ取ろうとするが、咄嗟にそれを引き寄せて制する。お義兄様の前でネグリジェ姿など、披露したくない。


「お父様!ご心配には及びません!先ほどお医者様がいらっしゃって、問題ないとお墨付きを頂いております」

「そ、そうか……」


 ちっと舌打ちが聞こえた気がするが、聞こえた方を向いてもそれらしい表情の者はいない。


「父上、もしイーリフィッサに何かあっても、僕が責任をもって娶りますのでご心配には及びません。母の罪です……僕も責を負うべきでしょう」

「いや、だが……」

「僕と結婚すれば、イーリフィッサが城の外に出ることなどなくなるのです。父上の憂いも少しは解消されるのでは?」

「お義兄様!わたくしは問題ございません。万が一何かあったとしても、罪はペテーラ王妃にあります。お義兄様が責任をとる必要はないのです」


 びっくりしたような顔でお義兄様に見られるが、お義兄様と結婚だなんて冗談じゃない。必死に言い募る。


「それにお父様、わたくしはまだ七歳でございます。お嫁になど行きたくありません。まだまだお父様のお側にいさせてくださいませ!」

「……おや、私は捨てられてしまうのかな?王女殿下」


 はっとして金髪碧眼のイケメンを見る。そうだった、言い寄っていたのはわたしだった。


 あれ?でも、この顔は……。


 夢で見た傾国の美姫であるお母様にそっくりである。おそらく血縁者。どうして今まで、”わたし”は気付かなかったのだろう。

 そう思った瞬間、ざっと頭の中に昔の記憶が蘇り、恐らく”わたし”も忘れていただろう赤子の頃のことを思い出した。


「……そもそも拾われてはくれなかったではございませんか、叔父様」


 にへら、と眉を下げて笑うと、叔父様は嬉しそうに笑い返してくれた。




 その後、ペテーラ王妃は罪は公にはされなかったものの、病に倒れられたとされて後宮に幽閉。

 そしてお義兄様のわたしを見る目は変わり、前までの人形か何かを見るような目ではなくなった。相変わらず不快な視線ではあるけれど、どちらかというと探られている感じの目線だ。本当にお前はイーリフィッサか?とでも言いたげな視線をもらう。

 お父様と叔父様は基本的には変わりなく、時々わたしの様子を見に来てくれる。そして、甘やかしてくれる。わたしのワガママが減ったからか、どこか過保護になったような気がしないでもない。


 わたしはというと、部屋に引きこもってあれこれ考えるのをやめた。そして庭園の片隅で、庭師の息子ギオスキーロと話すようになった。


「それでね、暇になったら<テレビ>を見るの。あー……喋ってたら<テレビ>見たくなっちゃった。<ドラマ>の続きが観たいよー!」


 最初はナニーのタンタに話していたけれど、どんどんタンタが涙目になっていって……最終的にお医者様を呼ばれるからやめた。

 お父様と叔父様も、頭がおかしくなってしまったのか……みたいな絶望的な顔をするんだもの。失礼しちゃうわ!


「王女殿下は本当に夢のお話しがお好きですね」


 十個上のギオスキーロは、子どもの空想話だと思っているようで、すごい微笑ましいものを見るかのような顔をされる。子どもの発想は自由だよね、みたいな。でもとりあえず他の人と違って頭の心配をされるわけじゃないから、昔話をしたくなった時は消去法でギオスキーロだ。


「夢じゃないんだって!<テレビ>がないなら、せめて<マンガ>があればなあ……」

「まんが……えっと、あれでしたっけ?絵がいっぱい書いてある本」

「そうよ!でも絵本とは違うんだから!ちゃんと一<コマ>ずつ<コマ割り>してあって、表情とか動きとか、会話の間とかがわかりやすくなっているのよ」


 ギオスキーロはうーん、と想像するように視線を上に向けるが、やっぱり無理、とでも言うように首を振ると苦笑した。


「見たことないと、想像するのは難しいですよ」

「あー<スマホ>があれば全部解決するのに!<ネット>につながらなくてもいいから<スマホ>欲しいなあ」


 わたしにはマンガを描くような技術はない。四コマだったら描けるかも、と思ったが、イーリフィッサの画力の無さが壊滅的だったので諦めた。試しに描いたネコは、イヌだかネズミだかわからないような物体になってしまったんだもの。

 日本人の時はもうちょっと描けたと思うんだけどなあ……。


「すまほ……前にも出てきましたね。遠くの人とも話せる道具なんじゃなかったですか?すまほでまんががわかるんですか?」

「<スマホ>はすごいのよ!遠くの人と話す<機能>が一応は<メイン>なんだけど、<ライン>とか……えっと、文字だけで会話したりとか、<マンガ>だって読めるし、音楽だって聴けるし……わからないことは、<ネット>があればなんでも<検索>できちゃうんだから!」


 両手を胸の前で組み、ベンチから身を乗り出すように、ギオスキーロに語る。たぶん瞳はキラッキラになっていると思う。


「王女殿下のお話しは難しすぎます……。でも文字だけで会話って、手紙じゃだめなんですか?」


 ギオスキーロが素朴な疑問を投げかけるが、わかっていない。まったくわかっていないよ、ギオスキーロくん!

 はあ、やれやれ、とでも言うように首を振ると、ピン!と人差し指を立てて力説した。


「すぐに相手に届くのよ!どんなに離れていても、わたしがギオスキーロに文字を送ったら、次の瞬間にはギオスキーロにその文字が届いてるの」


 だというのに、面白い話を聞いた、とでも言うようにお腹を抱えて笑われた。


「そんな夢みたいなこと、あるわけないじゃないですか」

「あるのよー!できたのよー!!」


 わあ!と顔を覆う。

 いや信じてもらえないのはわかるけれど、なんだか変な話する痛い子だなあと思われているのがいやだ!


「でも、王女殿下のお話し……面白くて好きですよ。お時間になったみたいです。また聞かせてくださいね」


 ギオスキーロに言われて後ろを振り向くと、ニコニコしている叔父様が立っていた。迎えに来たようだ。


「いつか!いつか信じさせてみせますからね!」

「楽しみにしています」


 むりむり、みたいな含み笑いをするギオスキーロを睨みつけ、叔父様に連れられて城へと戻る。


「楽しそうでしたね、王女殿下。また夢のお話しですか?」

「ええ。わたし、いつか実現させてみせますの」


 テレビもネットもスマホも、生まれた時にはあったから構造なんて考えたこともない。そういうものだと信じて疑わなかった。けれどわたしはこの世界で、なんとしても実現させてやるんだから。

 夢物語なんて言わせない、現実なんだからね!


「まずは……<電気>がなんたるかを知らないといけないわ……」


 先は非常に長そうである。

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