3話 協会登録①
「すみません、登録お願いします」
イリスがモンスター協会に入って受付に行き、そう言った。
「これはこれは、イリス様とマリー様。登録ですね。少々お待ちください」
対応したのは受付の女性で、やはり領主の妻と娘だからだろうか、少し協会内が騒がしくなる。
「お待たせしました。登録の方はイリス様のテイマー登録と、そちらのホワイトウルフのモンスター登録とパートナー登録でよろしいでしょうか?」
受付の女性がそう言ってきてイリスは、
「はい、それでお願いします」
「では、イリス様はこれから簡単な筆記テストを受けてもらい、そちらのホワイトウルフの方はしつけが施されているかこちらの用意した試験官に確認をとらせてもらい、その後、どちらも問題無いようでしたら一緒に簡単な実技の方をしてもらうことになります。何か質問はありますか?」
「いえ、事前に母に聞いていた内容と一緒のようなので大丈夫です」
「そうですね。試験の方はマリー様の時と大きくは変わっていないので大丈夫でしょう。それでは試験を受ける前にこちらの方に記入の方をお願いします」
そう言って受付の女性がイリスに渡したのはおそらく名前などの事前情報を知るためのものだろう。
イリスが書き終わったのを見て、受付の女性は、
「そちらはホワイトウルフで名前はハヤテですか。イリス様については問題はないと思われるのでいいでしょう。では、イリス様はこちらに、ハヤテの方はそうですね…『ロックス』がいいでしょう」
「ロックス?」
イリスが受付に聞く。
「はい。ロックスちょっとこっち来てくれる?」
受付の女性が後ろを向き、そう呼びかける。
「はい、何でしょうか?『ユーリ』さん」
受付の後ろからかなりイケメンのはい若い男性が出てくる。
受付の女性とその男性の発言から、女性が『ユーリ』で男性が『ロックス』という名前らしい。
「ロックス。あなたにイリス様のパートナーになられるホワイトウルフのハヤテの試験を担当してもらってもいいですか?」
「わかりました。ではハヤテ、ついて来て下さい」
ユーリさんから書類を受け取り、内容を確認したロックスは俺の方を向き、そう言ってくる。
俺はロックスさんについていく前にイリスに
「(イリス、頑張れよ!)」
と、イリスに言う。
「ハヤテも、頑張ってね」
イリスも俺に対して返してくる。
そして、俺はロックスさんについていく。
ちなみにマリーさんとレイも俺についてくる。
俺はレイに聞いてみる。
「(マリーさんたちはイリスについていかなくていいんですか?)」
「(イリス様の方は大丈夫でしょう。心配なのはあなたの方です。)」
どうやらイリスよりも俺の方が心配らしい。
まぁ屋敷での俺の暴れっぷりからしたら心配なのはわかるが、さすがの俺でも場はわきまえるつもりなので大丈夫だと思うのだが。
そして、ロックスさんについて行った先は、モンスター協会の裏手にある広場だった。
ロックスさんはこちらに向き直って、
「では、早速ハヤテさんの試験を始めたいと思います」
俺はその言葉に身構える。
普通、魔物の試験は試験管と魔物だけで行うらしく、マリーさんもわからないらしい。
レイに聞いても簡単な試験だとしか答えてくれなかったので、どんな内容なのかはわからない。
「では、まずはあそこの木を一周して戻ってきて下さい」
俺はそれを聞いて、なるほど走力の試験かと思って、即座に駆け出し、戻ってくる。
「おお、なかなか速いですね。では、これで試験は終わりです。合格ですね」
ロックスは、笑いながらそう言ってくる。
「(えっ、今ので終わり?)」
俺が疑問を言うと、レイが、
「(そうですね、私の時と指示は違いましたが、おそらくこの試験は人の言ったことを理解できているかと、指示に従う事ができるかを見るものだと思います。ハヤテなら簡単だったでしょう)」
と答えてくれる。
確かに、簡単だっというか別にそれなら協会の中でもよかったんじゃないかと思ったが、マリーさんがロックスさんに、
「試験ってこんなに簡単なのですか?」
と聞くと、
「ほんとうは、何回も指示したりするのですが、マリー様のパートナーの子でしょう?なので人に危害は加えるようなことはまぁないとして問題は生まれて間もないことから人の言葉が分かるかどうかですから。
これが野生の魔物をパートナーにする時はもっと厳しく確認しますよ」
「そうなんですか?もっと厳しいものだと思っていましたが…」
「そこは試験管によって判断は様々ですよ。では、戻りましょうか」
そうロックスさんが言って俺達はモンスター協会の中に戻っていった。
まだまだ話数は少ないですが、感想・評価・ブクマいただけると作者のやる気につながります。私の連載中別作品「異世界に召喚された俺は眷属達と共に楽しく過ごしたい(仮)」もよろしくお願いします。