平凡の終わり
コンテニューはお休みさせていただいて(といってもまだ1話しか投稿出来ていませんが)こちらの小説を書いていこうと思っております。
コンテニューの主人公と名前が一緒なのに書き終わってから気付きました。触れないで下さい。w
ではごゆっくりどうぞ。
「あの子、○○に酷いことしたんだって。」
「いじめられてる子と一緒に居たくないよね~。」
「あたしはずっと味方だから。」
「あたしも。裏切ったりしない。」
「ごめんね。やっぱり、一緒に居ることはできない。」
えー、おほん。
私、天野雫はですね、新しくできた近所の書店に来ておりますです。
本、本。本!
どこもかしこも本だらけ!いやっほう!
...はあ。帰りたい。
本が苦手な雫にとって、書店とはまさに悪魔の巣窟そのもの。
そんな雫が自ら書店に来たのには、理由があった。
「すみません、外国書籍のコーナーってどこですか?」
よそ行きの声で、店員に話しかける。
実は、外国書籍レポートを書かなければいけないのだ。
課題でなければ、こんな恐ろしい所にくるわけがない。
話しかけた店員はどうも店のどこに何があるかを覚えていないらしく、ずいぶんと長い間、店内を連れ回された。
飽きた。眠い。
手頃な値段の本を買って一刻も早く帰りたい。
そう思い始めたとき。
「お客様、こちらが外国書籍コーナーになります。」
やっとか。
すました顔でそう言う店員にいらっとしながらも、愛想笑いで礼をいう。
指定された棚を見渡していくうちに、何か違和感を感じるものがあった。
それは、1冊の古い本。
何気なく手に取った本は、表紙が革でできていて新しい本が並ぶその書店にはとても不釣り合いなものだった。
題名は、書かれていなかった。
ページをめくっていく。
どうやら童話集のようだ。
へーこれなら読める...かな。童話もれっきとした外国の文化だもんね!
値段を確認するために裏表紙に目をやる。
ぬおっ!?
ひゃ、ひゃくえん...!?
なんてお財布に優しいんだ!
買うっきゃない!
何の疑いも持たず、私はレジへと走った。
なぜこの本がこんなに安いのか、こんなに古い本がなぜこんな場所にあるのか。
この時きちんと考えていたら、私の未来は変わっていたのかもしれない。
さて。
衝動買いしてしまったけど本当にこれで書けるのかしら。
他にも課題は山のようにあるし、出来るだけ早く終わらせたい。
と言っても、時刻はもう23時をまわってしまっている。
帰ってきてからゲームしたのが間違いだった...
後悔しつつ、ベッドに寝転がり、スタンドライトの光を浴びキラキラしている本を開く。
本の中身は、童話の解説などがしてあるわけでもなく、童話が詰め込んであるだけ。
買う本間違えた...
読みなれた赤ずきんの話を読み返しているうちに、だんだん眠たくなってくる。
今日はなんだか精神的に疲れたし、時刻も時刻だ。
仕方がない。人間、睡魔には勝てない。
私は知らないあいだに、本を開いたまま寝てしまっていた。
赤ずきんの挿絵が光を放っているのに気付かなかったのは、消し忘れたスタンドライトのせいだろう。
お疲れ様です。
最後までご観覧いただき有難う御座いました。
次回からも宜しくお願いいたします。