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突然!

絢音が圭吾の部屋で朝を向かえ、駅に送った後、突然水月がたずねてきた。

「うぅ〜ん もう朝?」寝ぼけた顔で絢音がムクッとベッドから起きてきた。絢音は辺りを見渡し                                   (う〜ん、ここ何処〜?たしか昨日、圭君と飲みに行って...) 

絢音はハッと気付いた様にもう一度辺りを見渡した。(あっ、ここ圭君の家や。ふ〜ん 結構キレイにしとうやん。)

絢音がふと、鏡に目をやると黒のTシャツ姿の自分が目に入り、今自分がTシャツ以外、何もつけていない事に気が付いた。「えっ私、下、裸?なんで?」ガチャ「お!起きた?おはよう。」「おはよぅ、」絢音は恥ずかしそうに答えた。「昨日、大変やったんやで、居酒屋で酔っ払うし駅に行く途中にゲロ掛けられるは、あんな格好で電車乗られへんから、タクシーに乗ろう思ても乗車拒否されるから、三ノ宮からおんぶして帰って来たんやで。」      「えぇ!ウソ!圭君ごめん」申し訳なさそうに謝った。「別に気にしてへんよ。」圭吾は笑いながら言った。絢音はモジモジしながら                    「圭君、ちょっと聞いてえ〜?私の服は?」「ん、ゲロまみれやったからクリーニングに出したで」「下着は?圭君が脱がしたん」「うん、ゲロ汁でめっちゃ臭かったし、コイン・ランドリーに出して来た」「ほんじゃあ、全部見た?」絢音はシーツで顔を半分隠しながら聞いてみた。

圭吾も顔を真っ赤にしながら「うん、でもなんもしてないで!」「何もしてないん?」絢音はちょっと残念そうに言った。                    「酔って寝込んどう女の子を襲うのは、フェアーちゃうし、それにゲロ臭いのにHしようと思わへんわ。」それを聞いて絢音は圭吾の事を惚れ直した。  だが、すぐにニヤニヤしながら「ふ〜ん、でも私の裸をオカズにした?」「アホか!....でもごっついキレイやったわ」恥ずかしそうに言いながらタバコに火を付けた。しばらくの間、お互いだまっていたが、沈黙を破ったのは絢音の方だった。グゥゥ〜「なぁ お腹減った」圭吾は絢音の腹の虫が聞こえたらしく、クスッと笑い「んじゃ、俺なんか作るわ」そう言うと圭吾はキッチンに向かい料理を作り出した。絢音がテレビを見ていると「おまたせ!」そう言って料理を運んで来た。ご飯・味噌汁・出し巻き卵・キンピラゴボウというメニューだった。「へ〜すごいな〜、男の人がご飯作れるってなんか、カッコえ〜な。」「一人暮らし、けっこう長いからだいたいのモンやったら作れるで。」そう言って箸を取りおもむろにご飯を食べ始めた。                   絢音も食事に手を付け一口食べ「おっいし〜い!」「そう。」圭吾はテレながら答えた。食事も終わり部屋でウダウダしゃべっていたが、絢音の携帯が鳴った。掛かって来たのは家からだった。                                                                    「ヤバッ家からや。無断外泊したからお父さんやったらシバかれるわ」絢音は焦りながら携帯を取った。相手は母からだった「絢音、今どこにおるん?お父さんカンカンやで!すぐ帰って来なさい」そう言って電話を切った。「あっ!ちょっとお母さん...」絢音は青ざめた顔で「ヤバッお父さんに怒られるわ、どないしょ〜」「俺、行って事情話したろか?」「ダメ!そんな事したら殺されてまうわ、ごめん服取ってきてくれる?」                    圭吾は慌ててクリーニング屋とコイン・ランドリーに走った。絢音は急いで着替え、駅に向かった。「圭君ごめんね、迷惑かけてもて...」「いや俺は大丈夫やけど絢音ちゃんこそ大丈夫?」絢音は泣きそうな顔で「又、メールするね」と申し訳無さそうに言った。                              駅に着き絢音を見送るとコンビニにタバコを買いに入った。コンビニを出た途端、携帯が鳴った。相手は水月だった。                  「もしもし圭吾?今どこにおるん?」「今?駅前のコンビニ...あーーーっ!!」トラックが通り過ぎた反対車線に水月が立っていた。            水月も気が付いたらしく、手を振りながら走って圭吾のそばにやって来た。「え?なんで?」圭吾が驚いた顔をしていると「なんでって、今週いっぱい仕事が忙しいって言うとったやん。んで今日やったら仕事も落ちついとうかな〜?って思て...迷惑やった?」水月は捨てられた子犬が拾ってほしそうに哀願する様な目で圭吾を見つめた。圭吾は水月のその眼差しに思わず目を逸らしてしまい、それに気付いた水月は少し怒った口調で           「なに目〜逸らしとん?」と言って圭吾の顔を覗き込んだ。(うぅ〜かわいーー、こいつこのままチューしかろか!)などと思いながらモンモンとしていると、「あ〜っわかった!どうせヤラシイ事考えとったんやろ。H!」図星だった為、圭吾は焦ってしまい言い訳もしどろもどろになってしまった。     圭吾はなんとか話しを変えようと歩き出した。話題を変えようと「今日はどないしたん?」「ん?今日は圭吾にご飯作ったろかな〜って...」

「はぁ?水月メシ作れんの?」「どうゆう意味!」ちょっと怒りぎみに答えた。「ごめん、ごめん水月がメシ作れるの意外やったから」圭吾はハッと気が付いた、(ヤベッ絢音ちゃんとメシ食った後かたずけしとらへんわ!このまま家に連れて行ったらマズイ!)「圭吾の家ってここから近いん?」        水月は圭吾の家に行く気マンマンだった。「いや、家は今、ちらかっとうからちょっとマズイ....」圭吾は必死に家に来るのを食い止めようしたが      「掃除ぐらいやったるやん」圭吾の困った顔を見てピーンときた。                                                  「ふ〜ん家に来られるとまずいんや〜どうせAVとかその辺にほったらかしにしとんやろ!」(ナイス・アシスト!)と圭吾は思い話しを合わせた。     「なんでバレたん?」「わかるわ〜男の人が女を部屋に入れた〜無い時はAVがそのままになっとう時か部屋に女がおる時やもん!」          (こいつ、するどい!)圭吾は焦りながらなんとか家に行くまいと他の話題に切り替え様とした。                               「あ!水月、どっか遊びに行こか?デート代は俺持ちで...」「え〜!せっかくご飯作ったろうと思とったのに」                            最初はイヤがっていたが、しぶしぶО.Kし2人は電車に乗り、モザイクに向かった。2人はウインドウ・ショッピングを楽しみ、特に何をするでも無くブラブラし、海の見えるテラスでジェラートを食べながら、ふと先を見ると海を挟んでメリケン・パークが見え水月は、2人が出会った日の事を話し出した。「ねぇ圭吾、初めて会った日の事覚えとう?」「ん?覚えとうで。俺、水月の第一印象最悪やったもん」水月はふくれっ面で                「そんなに私、第一印象悪かったん?」                                                                    「うそ〜!でもちょっと変わった娘やな〜って思て、もう二度と会う事は無いと思とったんやけど...又会ってもた。」「それって恋の始まり?」           水月は意味深な笑みを浮かべて圭吾を見つめた。圭吾は、ふぅ〜っと大きな溜息をつき(やっぱ、自己中な奴!)と思いながらジェラートを食べていると水月は小声で「.........私はあの後、もう一回圭吾に逢いたかった.....」うつむきながら囁いた。だが圭吾には聞こえて無かった様で「......ん?どないしたん?寒なったん?」「ううん、何でも無い大丈夫」水月は笑顔で答えた。そして2人はお互いの事を話し合った。水月が小さい頃、事故で父親を亡くし母子家庭で育った事・お互いの仕事や友人の事・圭吾の女性遍歴など話したが、

お互い重大な秘密を打ち明けられずにいた。辺りは薄暗くなり、イルミネーションの明かりがモザイクを幻想的に照らし始めた頃、                   「腹減ったな〜晩飯喰いに行こか?JRの灘駅の近くに俺の行き着けの居酒屋があるんやけど、そこでえ〜?」水月は圭吾の部屋に行きたがったが、なんとか言いくるめ水月は渋々ながら納得し、2人は居酒屋に向かった。「へい、らっしゃいー」威勢のいい挨拶が飛んできた。「大将、まいど!」

「おぉ、圭ちゃん!こっちこっち!」圭吾はカウンターに招かれ椅子に座ろうとすると、水月が入って来て圭吾の横に座った。「え!もしかして.....圭ちゃんの彼女?お〜い、みんな〜圭ちゃんが彼女連れてきたぞ〜!」

「マスターそんな彼女やなんて、ねぇ圭吾。」水月の顔はニヤけてグニャグニャになっていた。                                        「別に彼女ちゃうし、一方的に付きまとわれとうだっ...イチチチ」「彼女やろ!?」水月は引きつった笑顔で圭吾の耳をひっぱりながら半強制的に彼女と言う事にされてしまった。圭吾が彼女を連れて来る事は、かなり珍しいらしく大将は根掘り葉掘り聞いてきた。「2人はいつから付き合っているんだ」「え〜とね。2週間前からかな」水月は一方的に話を進めた。「どっちから声かけたん?」「圭吾からで〜、奴隷でもえ〜からそばに居らしてって泣きついてきたから、しょうがなく一緒に居るんや」「圭ちゃん、そんな事言うん?」圭吾は呆れ顔で「言わへん・言わへん」手を顔の前で左右に振り2人の仲を否定した。食事も進み圭吾がトイレに立つと、水月がすかさず大将に圭吾の過去について聞き始めた。                             「ねぇマスター、圭吾ってここに彼女連れて来た事あるん?」「2・3年前に1回だけやけど連れて来た事があるで〜水月ちゃん、気になる?」        「うん」「俺もその時しか会ってないから、あんま覚えてないけど、物静かな娘やったな〜......水月ちゃん、圭ちゃんの事、大事にしたってな〜あいつ、ああ見えてもけっこう寂しがりややから...」大将はタバコを吹かしながら水月に話した。「大丈夫、私は圭吾とラブラブやから」水月は自信満々で大将に言い返した。そうこうしている内に圭吾が戻ってきた。水月が圭吾の顔をジィーっと見ていると「何?俺の顔になんか、ついとう?」「ううん、圭吾って男前やな〜って思とったトコ」「はあ〜?いきなり何言うとん、おだててもなんも出〜へんで」「え〜!出〜へんの」水月は笑いながら答えた。その光景を見ていた大将は「お前ら、イチャつくんやったら、ラブホでも行ってやれ!」とおちょくりながら2人に言った。それから、しばらくして2人は店を跡にした。  「水月、家何どこ?近くまで送るわ」水月は、圭吾の目をジィーと見て                                                「今日は帰らへん。圭吾ともっと一緒に居りたい。圭吾の事もっと知りたい。私の事、圭吾にもっと知ってもらいたい。」そう言うと圭吾の胸に寄り掛かった。圭吾は寄り掛かった水月を優しく抱きしめた。ポツリ、ポツリと雨が降り出してきた。2人の体温の温もりを確かめるように........

                                           to be contniud


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