冷たい雨
再び出会った圭吾と水月、2人のプレリュードが始まる。
ザァーーーー強く降る雨が神戸の街を濡らす。2人はメリケンパークに隣接するホテルの一室にいた。
「それでは明日の朝、お持ちします。」「ご無理言ってすいません。お願いします。」圭吾と水月の着ていた服はずぶ濡れだった為、乾かしてもらう様にホテルに頼んでいた。ガチャ、「ふぅ〜温かった。圭吾もお風呂入ってきたら?」
水月に薦められ圭吾も浴室に入った、バスタブにはお湯が張られ圭吾の冷え切った身体をやさしく温めてくれた。
「うぅ〜生き返る〜あん時はこのまま凍え死ぬんちゃうんか?って思たでホンマ!」
ふとバスタブを見ると (!?こっこれはもしかして、水月のヘアー?)ホテルの一室に男と女が2人っきり!しかも水月はバスローブ1枚だけ、 圭吾の心臓と股間はバクハツしそうになり、
浴室から出るに出られずのぼせそうになった。フラフラになりながら浴室を出ると水月はビールを片手にテレビを見ていた。 「上がったぁ?えらいゆっくりはいっとったな〜」水月はあっけらかんとしていた。(2人ともバスローブ1枚だけ...)圭吾はそう思うと 水月の胸元をチラチラ見ると
圭吾の股間がバクハツしそうになり、水月に気付かれまいとベッドに潜り込んだ。すると水月が冷蔵庫からビールを手渡してくれた。 バシュ 圭吾もビールを開けイッキに飲み干した。「今日は来てくれて、ありがと。」
水月が照れくさそうに言った。水月の生乾きの黒髪がTVからの光があたりキラキラひかって見とれる程美しく
圭吾も引き込まれていった。「ホンマ、たまらんで〜一方的に約束しやがって、もし俺が来〜へんかったら、ど〜するつもりやったん?」 「来てくれたやん!来てくれると思とったし...」「また、えらい強気なことで、」 水月は初めて出会った時と同じく、生意気で自信たっぷりの態度は変わらなかったが
時折見せる水月の寂しそうな横顔、照れくさそうに笑う笑顔に圭吾はだんだん引き込まれていった。水月は、神妙な顔つきで 「今日、元彼の命日なんや。真也って言うんやけど、圭吾とよう似とって圭吾を初めて見た時、信也って叫びそうになってもて、ごめんな、なんか引きずりこんでもたみたいで...」そう聞くと圭吾は言葉に詰まってしまった。 (俺ってその真也って奴の代わり?んじゃ俺の事気に入ってくれたんちゃうんや〜)
圭吾が落ち込んでいるのを見て水月は圭吾の顔を覗き込む様に見た。「けど圭吾ともう1回会いたかった...」バスローブから水月の胸の谷間が見え、思わず圭吾は水月から目を逸らした。「けど俺は真也って奴の代わりちゃうし...」 「そんなんわかりきっとうやん!初めて圭吾を見た時、そう思ただけやん。話ししよう内に圭吾の事をもっと知りたいって思う様になって...
あかんかな?」「いや、そう言ってくれると嬉しいわ。」圭吾はニッコリ笑顔で答えた。 それを聞いた水月にも笑顔が戻りその後、また水月の質問攻めが始まった。最初の内はちゃんと受け答えしていたが、コンパで酒を飲んだのと、メリケンパークまで走ったのと、風呂に入ったのと悪条件が重なってしまい、眠り込んでしまった。「...、.......、ちょっと圭吾聞いとん?」「Zzz・Zzzz」 「寝てもとう...フフッ かわいい寝顔、オヤスミ圭吾」 「んんっ〜朝か〜」ムニュ「んっ!」ムニュムニュ「アン」色っぽい声がした。圭吾は恐る恐る右手の方を見ると水月が同じベッドで寝ていた。圭吾は飛び起き壁に張り付いた。
「おはよ」水月は眠そうな目を擦りながら起きてきた。「おっ おはよう」圭吾がびっくりした顔をしていると「昨日はめっちゃ激しかったわ!あんなHしたん初めてやわ。」「えっ え〜〜〜〜〜っ!うそ〜〜!」「うそ」「へ!」「せやから う・そ!びっくりした?」圭吾は胸を撫で下ろした。
「圭吾、はよ隠してくれへん」水月は顔を赤らめながらそう言って圭吾の股間を指さし圭吾は慌ててバスローブを整えた。
「お婿に行けへんって言わんといてよ、もしお婿に行かれへんかったら私が貰たるわ。」水月は笑いながら圭吾に言い、圭吾は苦笑いしていた。 ピンポーン「お洋服のクリーニングが出来上がりました。」
2人とも服に着替え部屋を後にした。ロビーに向かうエレベーターの中で水月は小声で「さっき言った事は嘘ちゃうから...」「ん、何?」「なんでもない」 清算を済まし2人はホテルを出た。外は昨日の雨が嘘の様に上がり澄みわたった青空がひろがっていた。駅に向かって二人は歩きだし水月は子供の様に水たまりを飛び越えながら歩いていた。
圭吾は水月の姿を見ながら、 (俺ってお人よしなんか、単なるアホなんかどっちやろ?もしあのまま絢音ちゃんと飲みに行っとったらヤレとったやろな
水月、かわいいんやけどちょっと変やしな〜せやけど昨日は寝てなかったらヤレとったやろな〜)
そんな事を考えながら歩いていると「....圭吾、ちょっと圭吾聞いとん?」「え!何ごめん他の事考えとったわ。」「もう、どうせ昨日の事考えとったんちゃうん?このエロ圭吾。もう1回言うで、今日仕事休み?休みやったらどっかデートせーへん?」 圭吾は一瞬躊躇し、 「...悪い、来週中にプレゼンの資料まとめんとあかんねん。水月を駅まで送ったら会社に行くつもりやねん。」
「そっかぁじゃ、しゃあないな〜ほんじゃあここでえ〜よ。」水月はニコッと笑い、その笑顔に圭吾はドキッとした。「じゃ、バイバイ。」水月は手を振って歩き出した。
「水月〜携帯の番号教えてもろてえ〜かな?」水月は満面の笑顔で振り向き「ん〜どっしよっかな〜?そんなに知りたい?どうしてもって言うんやったら教えてあげてもえ〜けど...」
「じゃ、ええわ!」圭吾が振り向いて歩き出すとスーツの裾を掴んで「あ〜ん。教えるから」
そんな吸ったもんだがあったが2人は携帯番号を交換し圭吾は会社に出社した。 <月曜日>「お〜い神代、昼メシ行こ〜ぜ」川崎と藤森から誘われて、近くの定食屋に行き、案の定コンパの後の事が話題になった。
川崎が身を乗り出す様にすごい剣幕で「お前ら、あの後どないやったんや?藤森!まず、お前からや!」「俺?俺はあのまんま駅まで送ってそのまま帰った。田中さん門限があるみたいで来週の日曜遊びに行こって誘われた。んで駅までの間、手つないで帰ったんや。」 藤森はノリノリでしゃべっていると、「お前は小学生か!」川崎と圭吾からダブルでツッこまれ「手握る位やったら、チューせんかいや!」「そのままホテル連れ込んでヤってまえよ」とかやっかみ半分にヤジられた。「そうゆう川崎どないやねん?久美子ちゃんとヤったん?それとも犯されたん?」
「するか〜!」川崎は強く否定し 「あのデブ最悪や〜あの後ショット・バーに連れて行かれて(ア〜ンもう飲めへん、どっかでゆっくり休みた〜い)ってぬかしよんねん。マジでコイツ殺したろかいなって思たわ、ホンマ!」
食事中にもかかわらず圭吾達のテーブルは大爆笑だった、「せやからトイレ行く振りして金だけ払て帰ったった!」川崎にとっては久美子との時間は、かなり苦痛だったらしく息巻いてコンパの後の出来事を語った。 藤森がニヤニヤしながら「神代、お前ヤったんやろ!田中さんから聞いたけど、絢音ちゃんあの後ホテル行く気満々やったらしいで!」
「え〜マジかいや!急用思い出して、すぐ帰ったわ、失敗した〜。」圭吾はかなり悔しそうにご飯をかきこんだ。 (くそ〜この穴埋めはプレゼンが終わったら絶対晴らしたる。)昼食後3人は会社に帰り来週のプレゼンの為、連日深夜まで資料の作成に仕事に没頭していた。 <金曜の夕方> 「山波部長、今回のプレゼンの資料です。......どうでしょうか?」3人は部長の審判をまっていた。山波部長は険しい顔つきで資料に目を通していたが、「よし、いいだろう。他メーカーに負けない様、がんばってこい。」3人の顔には笑みがこぼれ、
仕事をやり抜いた男の顔つきになっていた。「やったぜ!部長のお墨付きが出たら、今回のプレゼンもろたな。」川崎が先走って浮き足立っていると、「まだ受注も貰てないから、なんとも言われんけど絶対成功さしたる!」圭吾が今回のプレゼンに対する決意を述べた。 「前祝いを兼ねて3人で飲み行かへん?」川崎が飲みに誘ったが藤森はまだ仕事が残っているので参加出来なかった。7時頃、仕事がかたずいた川崎と圭吾は会社の玄関から出ようとしていた。
「神代、いつもん所でえ〜か?」川崎がふと前を見ると絢音が手を振って小走りに走って来た。 「やっぱり神代、お前帰れ」「へ!」川崎も絢音の方へ駆け出し「マイ・ハニー」と言って抱きしめた横を絢音が走り抜けた。
よく見ると川崎が抱きしめたのは久美子だった。
「ん〜尚之ったら、いくら私の事好きでもみんなの前やったら恥ずかしいやんか」川崎は又、半泣き状態で久美子に引きずられて神戸の街に消えていった。
絢音は圭吾の下へ行き「この間、今度埋め合わせするって言うとったから、ご飯連れて行ってくれるんやろ?」「えっ...あぁえ〜で、ほんじゃあ行こか。」圭吾は川崎の事が気になりつつも絢音と食事に行く事になった。圭吾は川崎の事が気になりつつも絢音と食事に行く事になった。
圭吾は小じゃれた居酒屋に絢音をエスコートし一息ついた時絢音が「プレゼンの準備、ご苦労様。田中さんから今週いっぱい神代さん達忙しいって聞いとったから」「なんで田中さんが知っとん?」圭吾は不思議に思ったが、すぐに謎が解けた。「あ!もしかして田中さん、藤森と付き合っとん?」「え?知らんかったん。藤森さんから告ったらしいで。」圭吾達は藤森に騙されていた。
そんなこんなで会話が弾み、時間が過ぎていった。「絢音ちゃん、別に敬語使わんでえ〜で初対面ちゃうし敬語使われんのもなんかこそばいし...」
「そう?んじゃ圭君って呼んでえ〜?」絢音は可愛らしく圭吾に聞いた。その仕草に圭吾はドキッとし、照れながら「うん。別にかまへんよ。」 「やった〜!圭君飲も飲も。」絢音は圭吾にビールをドンドン注ぎ、絢音もお酒が進んだ。
11時も過ぎた頃圭吾と絢音は店を後にした。絢音はかなり酔っていて足元がおぼつか無かったが圭吾は酔っ払った絢音を支えながら駅に向かって歩き出した。「絢音ちゃん大丈夫?」「らいりょうぶ・らいりょうぶ」ロレツも回らないぐらい絢音は酔っていて、
圭吾は今夜ホテルに行く気マンマンだったが絢音がこんな調子の為諦めざるを得無かった。 駅に向かう途中絢音が「圭君、私の事好き?私は圭君の事大好き。」絢音は潤んだ瞳で圭吾を見つめ瞼を閉じた。
圭吾は絢音にキスしようと顔近づけた時、「うっ!!」圭吾がかわす暇無く絢音は嘔吐し、断末魔に近い圭吾の悲鳴が神戸の街に響き渡った。
to be contined




